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米国株 週間見通し(8/25~29週):S&P500予想6350~6590、焦点はエヌビディア決算とPCE価格指数へシフト

パウエルFRB議長の講演を通過。市場の焦点は今週27日のエヌビディア決算と29日の7月PCE 価格指数にシフトするだろう。S&P500の株価指数CFD「米国500」の週間見通しと注目のチャート水準についてIG証券のアナリストが分かりやすく解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

・パウエルFRB議長が雇用の下振れリスクに言及、利下げ期待が再び高まっている
・市場の焦点は、エヌビディア決算と7月PCE価格指数にシフトするだろう
・S&P500(米国500)の週間予想レンジは6350~6590




再び高まる米利下げ期待 ダウ平均最高値、中小型株に買い

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は22日のジャクソンホール講演で、「リスクバランスの変化が政策スタンスの調整を正当化しうる」と述べた。

パウエル議長は関税がインフレに与える影響について、一時的な価格上昇の影響に留まる可能性がある一方、より持続的なインフレ圧力へ発展するリスクも排除できないと述べ、引き続きインフレの動向を注視する姿勢を維持した。

市場参加者が注目したのが労働市場についての発言だった。パウエルFRB議長は労働市場について、供給と需要の両方が著しく減速した「奇妙な均衡(curious kind of balance)」にあると指摘。この異常な状況は、雇用の下振れリスクの可能性を示唆しているとし、労働市場の先行きに警戒感を示した。

関税の影響を見極める必要があるため、インフレ抑制重視の姿勢を維持してきたパウエル議長が労働市場の先行きに懸念を示したことで、市場参加者の利下げ期待が高まった。OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場での9月利下げの予想確率は80%台へ上昇した。パウエル講演前は市場予想を上回った8月購買担当者景気指数(PMI)とカンザスシティー地区連銀のシュミッド総裁の利下げに対する消極的な発言を受け、70%前半へ低下していた。12月の予想確率も同じく80%台へ上昇した。一方、10月の利下げ予想確率は50%前半にある(いずれも22日時点)。

パウエルFRB議長は今回の講演で、利下げのタイミングについての明確な表現を避けながら、利下げ再開の道筋を示すことに成功したと筆者は考えている。

米FOMC 利下げ予想確率の推移:今年6月以降

米FOMC 利下げ予想確率の推移:今年6月以降

ブルームバーグのデータで作成 / OISに基づく予想確率、22日時点
※マイナス:利下げ

パウエルFRB議長の講演で利下げ期待が再び高まったことを受け、22日の米株式市場では主要指数が上昇した。ダウ平均は前日比846.24ドル(1.89%)高の45,631.74ドルと、過去最高値を更新した。S&P500は96.74ポイント(1.52%)高の6,466.91、ナスダック100は355.54ポイント(1.54%)高の23,498.12で終えた。

この日最も上昇幅が拡大したのがラッセル2000だった。前日比87.85ポイント(3.86%)高の2,361.95と、昨年12月16日以来の高値水準まで上昇した。週間の変動率も前週末比3.3%高と、主要指数のなかで最も上昇した。中小型株の上昇は、米株式市場で利下げが強く意識されていることを示唆している。

米株価指数の変動率:8月18日~22日

米株価指数の変動率:8月18日~22日

ブルームバーグのデータで作成


焦点はエヌビディア決算へ、ハイテク株トレンドを左右

今週27日に米半導体大手のビディア(NVDA)が2025年5~7月期(第2四半期)の決算を発表する。22日のIG米国レポートで述べたとおり、焦点は同社の収益を支えるデータセンターの成長性と8~10月(第3四半期)の業績見通しにある。

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・米国株見通し:利下げ期待後退、今はパウエル講演に集中、来週はエヌビディア決算が焦点に

データセンター部門の驚異的な成長を支えているのが、ビッグテック4社だけで3000億ドルを超える巨額のAIインフラの投資である。メタ・プラットフォームズ(META)660~720億ドル、マイクロソフト(MSFT)800億ドル(ブルームバーグ予想ではおよそ880億ドル)、検索大手グーグルを傘下に持つアルファベット(GOOGL)850億ドル、ゾン・ドットコム(AMZN)1000億ドル超という巨額の設備投資額は、エヌビディアのBlackwell GPUの需要を支えることが期待されている。第3四半期のガイダンスでその需要拡大の見通しが確認される場合は、エヌビディアが直面している中国事業の懸念を払しょくする要因にもなろう。ビッグテック4社の株価にとってもポジティブな材料となろう。

パウエルFRB議長の講演で利下げ期待が再び高まっている。この状況でエヌビディアの決算が市場参加者の期待に応える場合、今週はハイテク株を中心とした米株高が再燃する展開を想定したい。


29日に7月PCE価格指数、インフレの粘着性は?

今週、もう一つの重要イベントとして注目したいのが、29日の7月個人消費支出価格指数(以下PCEデフレーター)である。

パウエルFRB議長は22日の講演で利下げ再開への道筋を示しながらも、データ重視の姿勢を維持した。ゆえに、米FRBが物価指標として注目しているPCEデフレーターの結果は、市場が抱く利下げ観測に影響を与える要因となろう。

ブルームバーグがまとめた市場予想では、コア指数でインフレの粘着性が示される可能性がある。インフレの粘着性が示される場合は、米株高の調整要因として警戒したい。一方、予想の範囲内ならば、米株高の要因になると予想する。

米PCEデフレーターの推移:過去1年間

米PCEデフレーターの推移:過去1年間

ブルームバーグのデータで作成 / 赤棒グラフ・ドット:7月予想、22日時点


米国500の週間見通しとテクニカル分析

予想レンジの上限:6590
米利下げ期待が再び高まるなか、エヌビディア(NVDA)の決算が投資家の期待に応え、PCEデフレーターでインフレ再燃の懸念が後退する場合、今週の米国株はマグニフィセントセブンに代表される大型ハイテク株の買いを中心とした株高を想定したい。

マグニフィセントセブンに買いが入れば、多くの機関投資家が運用のベンチマークにするS&P500種株価指数の上昇をけん引するだろう。同指数の株価指数CFD「米国500」は、以下にまとめたレジスタンスラインの攻防に注目したい。

週間の予想レンジ上限は、フィボナッチ・エクステンション161.8%の水準にあたる6590レベル(6953、日足チャートを参照)。節目の6500ライン突破は、6590ラインを目指す最初のサインと想定したい。

米国500が6500ポイント台の攻防へシフトすれば、4時間足チャートで示した2つのフィボナッチ・エクステンション100%水準の攻防を予想する。後者の6543レベルの突破は、6590を視野に上昇幅が拡大するサインと捉えたい。

レジスタンスライン
・6590:週間の予想レンジ上限、フィボナッチ・エクステンション161.8%(日足)
・6543:フィボナッチ・エクステンション100%(4時間足)
・6521:フィボナッチ・エクステンション100%(4時間足)
・6500:節目のライン(日足)

予想レンジの下限:6350
米利下げ期待は、今週前半のハイテク株を下支えすることが予想される。しかし、エヌビディアの決算が投資家の失望を誘う内容となれば、一転して下落を警戒することになろう。7月PCEデフレーターが予想以上に上振れ、連続の利下げまたは年2回利下げのベースシナリオに対する思惑が後退する状況ともなれば、米国500は先週20日から22日にかけて相場をサポートした6350ラインのトライを想定したい。この水準には日足の一目基準線が推移している。このラインを今週の予想レンジの下限と想定したい。

米国500が6350のラインをトライするサインとして、6440および6400の攻防に注目したい。いずれもサポートラインに転換する可能性がある。6400ラインのすぐ下には20日線(6385、8/22時点)が上昇している。

時間足(本レポートでは4時間足を採用)のRSIとストキャスティクスで相場の過熱感を確認したい。いずれの指標も「買われ過ぎ」の水準にある状況で、前述のレジスタンスラインをトライする局面では、米国500の反落を想定したい。
逆に「売られ過ぎ」の水準にある状況でサポートラインをトライする局面では、押し目買いを考えたい。

サポートライン
・6440:サポートラインへ転換する可能性あり(日足)
・6400:サポートラインへ転換する可能性あり(4時間足、日足)
・6350:週間の予想レンジ下限、一目基準線(4時間足、日足)


米国500のチャート:日足 6月以降

米国500のチャート:日足 6月以降

出典:IG / TradingView

米国500のチャート:4時間足 7月下旬以降

米国500のチャート:4時間足 7月下旬以降

出典:IG / TradingView


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