日経平均、急反発1876円高 関税協議で日本優先 再下落のおそれも
日経平均株価は8日に急反発。直前3営業日の下落幅の4割を取り戻した。相互関税問題の早期解決への期待が追い風となったが、見通しは依然不透明だ。

日経平均株価が急反発した。8日の終値は前日比1876.00円高の3万3012.58円。アメリカのドナルド・トランプ大統領が相互関税を発表してからの3営業日での下落幅の約4割を取り戻す上昇となった。トランプ政権幹部が相互関税をめぐり、日本との協議に優先的に取り組むとしたことが好材料となった。個別株では値がさ株がそろって買い戻されており、日経平均は2024年8月の急落時と同様に3万1000円台で一旦、底を打った形だ。ただし相互関税が引き起こした混乱は米国経済の悪化懸念も強めており、日経平均の今後の見通しには引き続き下落圧力がかかり続けることも考えられる。
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トランプ政権は相互関税で日本との協議を優先 早期関係改善に期待
日経平均の急反発の背景となったのは、トランプ政権が相互関税の緩和に向けた協議で日本を優先的に扱う考えを示したことだ。スコット・ベッセント財務長官は7日、FOXニュースでのインタビューで、日本が安全保障面でも経済面でも重要な同盟国であることに言及。日本が相互関税発表後にいち早く協議に名乗り出たことを踏まえ、「日本は優先的な立場を得ることになるだろう」と述べた。またベッセント氏は米国が協議する相手は約70か国に上る可能性にも触れ、6月までは忙しい日々が続くとの見方も示した。
一方、トランプ氏は7日、日本の石破茂首相との電話会談後、自身のSNSトゥルース・ソーシャルへの投稿で、日本は米国の車を買わない一方、米国は日本の車を数百万台買っていると言及。「貿易面で日本は米国にひどい扱いをしてきた」と不満を示した。トランプ氏は米国の農産物についても日本市場への売り込みを狙っている模様で、今後、日本に対して厳しい要求を突き付けてくる可能性もある。ただ、世界中の国や地域が相互関税の標的になる中、日米関係の悪化に早期に歯止めがかかれば日本企業の業績への影響が最小限に留まる可能性もある。
ファーストリテイリングなど値がさ株が上昇 値下がりは3銘柄のみ
こうした中、8日の株式市場では値がさ株がそろって上昇。衣料品大手ファーストリテイリング(9983)が5.19%高、半導体検査装置のアドバンテスト(6857)が11.82%高になった。225銘柄中、値下がりは3銘柄のみで、全銘柄が下落した前日とは対照的な値動きになった。

日経平均は3万1000円台が底値のめどか 相互関税の混乱の見通しは依然不透明
日経平均の8日の反発は前日の終値で記録した3万1000円台が底値のめどとなることを示す値動きともいえそうだ。日経平均は2024年8月に円キャリートレードの巻き戻しを伴う形で急落した際も5日終値の3万1458.42円を境に反発した。日経平均は5日までの3営業日で7643.40円下落していたが、6日には3217.04円高となり、下落分の4割強を回復している。
ただしトランプ氏の相互関税の影響は日本以外の国との通商関係にも及ぶ。日本企業への影響が比較的小さくなった場合でも、全体としての相互関税が米国内の物価上昇や消費縮小につながれば、米国企業の業績悪化が投資家心理を冷やす可能性があり、日経平均に改めて下落圧力がかかることも考えらえる。同時にトランプ氏は7日も中国に対する対決姿勢を強めており、通商政策が予測不能である状況に変わりはない。このため引き続き、トランプ政権の動向で日経平均の見通しが急激に悪化する筋書きも考えられそうだ。
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