日経平均、イラン情勢で急落リスク 連日最高値 6万円見通しに暗雲
日経平均株価は週次2024円高の急騰。ただ、割高感は最高水準といえ、6万円到達の難易度は高い。米国発のリスク回避姿勢が急落を招く恐れもある。
日経平均株価が急騰した。日経平均の2月27日の終値は1週間前比2024.57円高の5万8000円台後半。3日連続で最高値を更新する勢いをみせている。3連休明けの24日から、米国の半導体大手NVIDIA(エヌビディア)が好決算を発表することへの期待が追い風となった。高市早苗首相の政権運営が円安要因とみなされたことも、日経平均にとっては好材料だったようだ。ただ、日経平均の割高感は限界水準に達しており、さらなる値上がりによる6万円到達の難易度が高いことは確か。また米国の株式市場ではエヌビディアの好決算が株価上昇につながらない展開となっており、日本の半導体株は週後半に失速している。こうした中、日本時間28日午後には米国とイスラエルがイランへの攻撃に踏み切り、原油の重要な通商ルートであるホルムズ海峡の封鎖への懸念が強まっている。このため週明け3月2日以降の日経平均の値動きをめぐっては、投資家のリスク回避姿勢の強まりが、急落を引き起こすリスクもありそうだ。
日経平均株価は週次2024.57円高 3日連続で最高値を更新
日経平均株価(N225)の27日の終値は前日比では96.88円高の5万8850.27円。3連休明けの24日に495円高となった後、翌25日は1262円高となって約2週間ぶりに最高値を更新。その後も27日まで3日連続で記録を塗り替えている。
また日経平均にとっては高市氏の政権運営が円安要因とみなされたことも安心材料となった。毎日新聞が24日、高市氏が日本銀行の植田和男総裁との会談で利上げに難色を示したと報じたことや、25日に発表された日銀審議員2人の人事案が金融緩和や財政出動に積極的な人物と報じられ、ドル円相場(USD/JPY)は156円台後半まで円安に振れる場面があった。円安は海外で稼ぐ日本企業の業績を上向かせる効果があり、日経平均にとっての追い風とみなされる。
日経平均の割高感は最高水準に エヌビディア決算発表後は半導体株が下落
ただ、日経平均はこれまでの急騰の結果、割高感が増している。ブルームバーグによると、日経平均の水準と今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)から算出される株価収益率(PER)は27日段階で24.5倍。株式市場でのAIブームが本格化した2023年以降の最大値は10月末につけた24.9倍で、足元の割高感は上限に近づいてきているといえそうだ。27日段階での予想1株当たり利益と、予想PERの最大値24.9倍をかけ合わせれば、日経平均は5万9700円程度で頭打ちとみることもできる。
また、米国の株式市場ではAIブームの継続性への疑念が根強く、日本の投資家心理にも影響を及ぼしていそうだ。エヌビディアは米国東部時間で25日夕方に行った2025年11月-2026年1月期決算発表で、市場予想を超える実績と2-4月期の見通しを示したが、26日の株式市場ではエヌビディアの株価(NVDA)は前日比5.46%安と下落した。これを受けた日本の株式市場では、アドバンテストや、半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)が26日と27日に続落。対話型AIサービスChatGPTで知られるオープンAIに出資するソフトバンクグループ(9984)も26日は値上がりしたものの、27日は下落し、週次では5.54%安に沈んでいる。
米国とイランの交戦は投資家のリスク回避姿勢を強める要因 日経平均に急落リスク
こうした中、日経平均には米国株式市場の不振という暗雲も漂う。S&P500種株価指数(SPX)の27日終値は2日続落の前日比0.43%安。大手ハイテク株やソフトウェア株の不調が続いたうえ、金融株への懸念や、半導体株の息切れも感じられ、投資家心理は悪化している。日経平均に関連した先物商品の大阪取引所での価格は日本時間28日午前6時の終値で5万8640円となり、前日比で460円安だった。
また日本時間28日午後には米国とイスラエルがイランへの空爆を開始。イランも周辺国や米軍基地への攻撃を行っている。トランプ氏は日本時間3月1日午前6時37分、自身のSNSトゥルースソーシャルへの投稿で、イランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師について、「歴史上、最も邪悪な人物の1人であるハメネイは死んだ」と表明。標的を絞り込んだ攻撃を今後も継続するとしている。イラン側はハメネイ師の死亡を否定しているものの、米国の狙いがイランの体制転換にあるということができそうだ。ブルームバーグによると、イランメディアはホルムズ海峡が「事実上の封鎖」状態にあると報じているという。一方、サウジアラビアやロシアを含むOPECプラス内の8か国は1日に予定されている会合で、大幅な増産を決めることを検討しているとも報じられているが、ホルムズ海峡周辺での戦火が続けば、経済活動への悪影響が懸念される状況は続くとみられる。
米国はイスラエルとイランがミサイル攻撃を繰り返していた2025年6月、週末の21日にイランの核施設を攻撃。イランは週明け23日昼になってカタールの米軍基地を攻撃し、S&P500が取引時間中に急落する場面もあった。このため週明け3月2日の日本の株式市場では投資家のリスク回避姿勢が強まる可能性があり、最高値からの急落に見舞われるリスクがありそうだ。さらに2日以降の米国の金融市場では、6日の雇用統計をはじめとする重要経済指標や、4日の半導体大手ブロードコム(AVGO)の決算発表などで投資家心理が揺れる可能性もあり、日経平均の値動きへの余波がさらに大きくなることも考えられる。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。