原油価格、急騰の可能性 WTI半年ぶり高値 米国とイランの協議焦点
WTIはイラン情勢の緊張で上昇傾向。26日の米国とイランの協議の結果次第で、上昇圧力が強まる可能性もある。
原油価格に上昇圧力がかかり続けている。原油先物市場の指標価格であるWTI(4月渡し)は日本時間25日の取引で1バレル=66ドル前後で推移。前日未明には6か月ぶりの高値にあたる67ドル台前半をつける場面もあった。アメリカがイランに軍事攻撃を行う可能性が意識されているうえ、イラン国内の反体制デモにも再燃の動きが出ているためだ。一方、米国とイランは26日に核協議を再開する予定で、大きな進展があれば軍事衝突の可能性が低下し、原油価格を下落させる展開も考えられる。またサウジアラビアやロシアなどOPECプラス内の8か国が3月1日に4月以降の増産を決めれば、原油価格に下落圧力がかかりそうだ。ただ、今後、イラン情勢をめぐる緊張感が高まった場合には原油価格が急騰する可能性がある。米国のドナルド・トランプ大統領は24日の一般教書演説でもイランへの強硬姿勢を維持しており、原油価格は上昇方向の値動きが意識されやすい状況だ。
WTIは24日には67.28ドルまで上昇 6か月ぶりの高値
WTI(4月渡し、WTI原油)は日本時間25日午後午後3時31分段階で1バレル=65.87ドルで取引されている。ブルームバーグによると、午前12時台には66.60ドルをつける場面もあった。24日未明には67.28ドルをつけ、2025年8月4日につけた67.74ドル以来、6か月ぶりの高値も記録している。
米国がイランを攻撃すれば長期化も イラン国内での反体制デモは再燃か
原油価格を上昇させているのはイラン情勢への不安の再燃だ。米国とイランの核協議をめぐっては、17日に両国が「指針となる原則」で大筋合意したと報じられ、WTIは1バレル=61.87ドル台まで値下がりする場面もあった。しかし18日には米インターネットメディアのアクシオスが、米軍がイランへの軍事攻撃に踏み切った場合には「大規模な何週間にもわたる軍事作戦になる」と報道。投資家の間で緊張感が高まり、WTIは上昇に転じた。
またイラン国内の情勢にも緊張感が漂っている。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は24日、テヘランの大学構内での反体制派のデモが4日目に入り、政府を支持する集団と衝突したと報じた。イランの最高指導者アリ・ハメネイ師を批判する反体制派は「ハメネイに死を」のスローガンを掲げ、政府支持の集団から襲い掛かられるなどしたという。イラン各地では12月下旬から物価高騰などに抗議するデモが始まり、反体制デモに発展。1月には治安部隊による鎮圧が進められたが、改めてデモが活発化する可能性もある。
米国とイランは26日に核協議 OPECプラスは3月1日に4月以降の増産決定の可能性
一方、原油価格の今後の見通しをめぐっては、下落に転じる筋書きも考えられる。米国のスティーブ・ウィトコフ特使らとイランのアッバス・アラグチ外相は26日にスイスで協議を行う見通し。イラン側がこの協議で新たな提案を行い、米国が内容を受け入れれば、原油価格の下落につながる可能性もある。
また、OPECプラス内の8か国は3月1日の会合で、4月以降の増産方針を示す可能性がある。8か国は2025年4月から12月まで続けてきた増産を2026年1-3月は行わない方針を決めていたが、4月以降の増産再開が決まれば、改めて原油の過剰供給が意識されることで原油価格に下落圧力がかかりそうだ。
核協議に進展がなければ原油価格急騰の可能性 トランプ氏は強硬姿勢を維持
ただ、26日の米国とイランの協議で進展がみられなかった場合には、米国の軍事攻撃の可能性が高まり、原油価格への上昇圧力が一気に強まる可能性も否定できない。トランプ氏が2025年6月にイランの核施設への攻撃を行った際には、WTIは78.40ドルまで上昇する場面があった。アクシオスの18日の報道通り、軍事作戦が長期化すれば、原油価格の上昇が大きくなることも考えられる。
トランプ氏は24日の一般教書演説で、イランが「邪悪な核の野望を再び追い求めている」として、イランによる核開発を牽制。米国として外交的な可決を望むとしながらも、「世界最大のテロ支援国家に核兵器を持たせることは決してない」とした。米軍はイラン周辺の海域や基地に艦船や戦闘機を集結させていると報じられており、当面の間の原油先物市場では上昇圧力がかかりやすい状況が続きそうだ。
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