日経平均株価見通し:初の7万円突破も強まる過熱感、FOMCでAI相場の調整警戒
日経平均株価の短期見通し。初の7万円突破も強まる過熱感。"タカ派"のFOMCが調整売りの引き金となるか?日本225株価指数の注目水準を詳細解説。
要点
- 16日の東京株式市場で、日経平均株価は取引時間中に史上初めて7万円を突破した。しかし、その後は急速に上げ幅が縮小した。日経平均先物の動向は、7万円台定着の難しさを示唆した
- 日経平均株価は今週に入り3384円高と急騰(16日時点)。AI・半導体株を中心に過熱感が強まっている。調整売りのトリガーとして警戒したいのがFOMCだ。"タカ派"と受け止められれば日米のAI・半導体株の調整売り加速を警戒したい
- 日本225株価指数(日本225)が調整売りに直面する場合は、6万8000円の攻防に注目したい。一方、上値の焦点は心理的節目の7万円の突破とサポート転換となろう
史上初の7万円突破も失速、7万円台の定着が次の上値焦点に
16日の東京株式市場で日経平均株価がザラ場(取引時間中)に史上初めて7万円台を突破し、一時7万0020円68銭まで上昇する場面が見られた。しかし、その後は調整売りに押され上げ幅が急速に縮小し、前日比87.00円(0.13%)高の6万9404円50銭で引けた。
日経平均株価が強気地合いを維持する場合、次の焦点は7万円台を維持できるかどうかにある。日銀会合以降の日経平均先物の動きを見ると、東京時間に続きNY時間でも再び7万円を突破する場面が見られた。しかし東京時間と同じく、7万円台へ上昇した後に上げ幅が縮小した動きは、7万円台定着の難しさを示唆している。
日経平均先物 5分足チャート
TradingView提供のチャート
日銀の利上げ姿勢がリスク要因となる可能性は低い
16日の金融政策決定会合で日銀は、政策金利である無担保コール翌日物金利を0.75%から1.00%へ引き上げた。1%の水準は31年ぶりで、2025年12月以来4会合ぶりの利上げとなる。原油高に起因する価格転嫁の広がりを背景に、基調的な物価上昇率が2%目標を超えて上振れるリスクを重視した判断だ。採決は賛成7・反対1。反対したのは浅田委員で、中東情勢の影響を踏まえ、物価の上振れよりも生産・雇用の下振れリスクを重視し、金利の据え置きを主張した。
市場の関心は今後の利上げ方針に集まっていたが、入院した植田和男総裁に代わって記者会見に臨んだ内田真一副総裁は、金融引き締めスタンスを維持していく方針を示す一方、追加利上げの時期について言及は避けた。
声明文では「緩和的な金融環境は維持される」と明記しており、追加利上げの余地を残した。足元の翌日物金利スワップ(OIS)市場では、12月までの利上げ確率が80%台にある。日銀は利上げの効果と影響を見極めるために半年程度の時間をかけており、OIS市場の織り込みも、この基本シナリオを意識したものとなっている。緩やかな利上げ観測が続く限り、日銀の引き締め方針が日経平均株価のリスク要因となる可能性は低いだろう。
ブルームバーグのデータで作成
指数全体の動向を確認すると、2025年4月以降、日経平均株価は上昇トレンドを形成しているが、その過程でサポートラインとして意識される場面が多く見られた50日線との乖離率は12.8%と、拡大傾向にある。現在67付近で推移するRSIが買われ過ぎのライン70を突破する場合は、過熱感がさらに強まろう。
日経平均株価のRSI、50日線との乖離率:日次 2025年以降
ブルームバーグのデータで作成
一方、日経平均株価のPBRは16日時点で1.94倍へ拡大し、NT倍率は17倍台と過去最高水準にある。一連の指標の動向を考えるならば、7万円台の攻防では過熱感が意識され、調整売りに直面する可能性がある。
日経平均株価PBRとNT倍率の動向:2025年1月以降
ブルームバーグのデータで作成
そのきっかけとして警戒したいのが米連邦公開市場委員会(FOMC)だ。米連邦準備制度理事会(FRB)の新議長に就任したウォーシュ氏の下で初となる今回の会合では、政策金利が据え置きとの見方が大勢を占める。
15日のIG米国株レポートで指摘した通り、焦点は年後半の政策方針にある。声明、ドットチャート(FOMC参加者の政策金利見通し)、ウォーシュ新議長の会見内容で、年内利上げの観測が大きく揺れる可能性がある。“タカ派”のFOMCと米株式市場の参加者に捉えられる場合は、日米のAI・半導体株の調整売りを警戒したい。
日本225のチャート分析
今週に入り日経平均株価は16日時点ですでに3384円高と、4月6~10日週の3800円台に迫る勢いだ。過熱感は否めず、今日以降は調整売りを警戒したい。日経平均株価の株価指数CFD「日本225」が下値をトライする局面では、以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。
焦点は、15日のギャップアップ(上方の窓開け)の基点となった6万8000円の維持だ。日足チャートでトレンドを確認すると、サポート転換の可能性が意識される水準でもある。1時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメント23.6%水準6万8200円を下方ブレイクすれば、6万8000円の攻防を意識したい。
16日の米株式市場では主力の半導体株が総崩れとなり、ナスダック100が前日比575ポイント安で引けた。一連のFOMCイベントで米AI・半導体株相場の調整が加速する場合は、日本225株価指数の6万8000円ブレイクを警戒したい。このケースでは、フィボナッチ・リトレースメント61.8%水準の6万7500円レベル、フィボナッチ・リトレースメント38.2%水準の6万7000円の攻防が焦点となろう。
注目水準:サポート
・6万8200円:23.6%戻し(6万8191円)
・6万8000円:サポート転換の見極め
・6万7500円:61.8%戻し(6万7426円)
・6万7000円:38.2%戻し(6万7070円)
調整売りをこなし日本225が強気地合いを維持する場合は、7万円の攻防に注目したい。この水準の突破とサポート転換が確認される場合は、各節目の水準での攻防を見極めることになろう。
7日のIG日本株レポートで指摘した通り、4月以降の株高局面で日本225は、2000円幅で各節目の水準がサポートラインに転換している。7万円でもこの状況が確認される場合は、7万1000円を上方ブレイクし、7万2000円を視野に上昇が拡大する可能性がある。
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・7万2000円:節目水準
・7万1000円:節目水準
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日本225 1時間足チャート:6月上旬以降
TradingView提供のチャート
日本225 日足チャート:6月上旬以降
TradingView提供のチャート
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