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マイクロソフト、株価下落が加速の恐れ 28日決算 成長率鈍化予想

マイクロソフトの10-12月期決算は総収入の伸びが減速する見通し。AIサービス提供能力の上積みも悪材料とみなされる恐れがある。

マイクロソフト、株価下落が加速の恐れ 28日決算 成長率鈍化予想 出所:ブルームバーグ

マイクロソフトが28日に行う2025年10-12月期決算発表は総収入の成長減速が見込まれている。マイクロソフトは人工知能(AI)サービスで強い需要があるものの、供給能力の拡充が追い付いていない状態で、投資家にとっては不満の残る発表になる可能性がありそうだ。サービス供給能力を高めるための設備投資増額方針も、収益悪化を招く悪材料とみなされ、株価下落に拍車がかかる可能性がある。一方、マイクロソフトの株価には割安感も出ており、反転のタイミングが近づいているとみることも可能。ただ、AI関連事業をめぐっては、アルファベットとの競合も意識されおり、マイクロソフトが1月以降の見通しで成長加速の可能性を示せなければ、株価には下落圧力がかかることになりそうだ。

マイクロソフトの2025年10-12月期決算は総収入の伸びが15.3%増に減速する見通し

マイクロソフトはアメリカ東部時間28日午後5時30分(日本時間29日午前7時30分)に決算会見を開く。ブルームバーグのまとめによると、マイクロソフトの10-12月期決算に関する事前予想は、総収入が前年同期比15.3%増の803.09億ドル、1株当たり利益(EPS)が21.4%増の3.92ドル。予想通りになれば、総収入は前四半期(7-9月期)の18.4%増から伸びが減速、1株当たり利益は前四半期(12.7%増)から伸びが加速する。マイクロソフトは直近25回の四半期決算のうち、総収入が市場予想を下回ったのは2回だけ。1株当たり利益でも市場予想を超えられなかったのは1度に留まる。

マイクロソフトの業績の推移のグラフ

マイクロソフトの株価(MSFT)の20日の終値は454.52ドルで、前回決算発表があった10月29日との比較では16.07%安。「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手ハイテク7社の株価の四半期決算後の騰落率としては、メタ・プラットフォームズ(META)の19.63%安に次ぐ悪い成績だ。2025年末比でみても6.02%%安で、株価の不振に歯止めがかかっていないといえそうだ。

マイクロソフトの株価と予想株価収益率の推移のグラフ

ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は20日段階で26.1倍程度で、前回決算発表時の33倍程度から割高感が和らいでいる。アナリストが提示する目標株価の平均は629ドルで、現状よりも38%ほど高い。73人のアナリストのうち71人が買い、2人が維持を勧めている。

AIサービスの需要急増で供給能力不足 設備投資増額が悪材料視される可能性

マイクロソフトの成長減速が見込まれているのはAIサービスの提供能力の拡充が遅れているためだ。ブルームバーグがまとめた事前予想では、AIサービスの提供基盤となるクラウド事業の10-12月期の収入は前年同期比26.1%増の322億ドル程度になる見通し。やはり7-9月期の28.3%増から伸び率が鈍化すると予想されている。エイミー・フッドCFOは前回決算会見で、AIサービスの供給能力について「需要増に追いつけていると思っていたが、違った」と述べた。マイクロソフトは需要増への対応で後手にまわったといえ、成長機会を取りこぼしたともいえそうだ。

マイクロソフトのクラウド事業の収入の推移のグラフ

こうした中、マイクロソフトは設備投資額を積み増す方針。2026年6月通期の設備投資額の上昇率は2025年6月期の上昇率よりも大きくなる見込みで、7-9月期の設備投資額は前年同期比74.5%増の349億ドルとなっていた。ただ、設備投資の積み増しは将来的に減価償却費の増加を通じて利益を圧迫する要因でもある。マイクロソフトが今回の決算会見で、設備投資額のさらなる積み増しを強調すれば、投資家から悪材料とみなされ、株価下落を後押しする懸念もある。

マイクロソフトの総収入と設備投資額の推移のグラフ

マイクロソフトの株価には割安感 1-3月期の業績見通しも焦点に

一方、マイクロソフトの株価の割高感は下限に近付いているとみることもできる。ブルームバーグによると、マイクロソフトの株価の予想株価収益率は、AIブームが本格化した2023年以降の平均値でみると30.9倍程度。足元の水準(26.1倍)は平均を大きく下回っており、割安感も感じられる。マイクロソフトの株価は前回決算から16%安となる一方、今後12か月の予想1株当たり利益は7.07%増となっており、今回の10-12月期決算発表を機に株価が上昇基調に転じる筋書きもありえる。

ただ、株式市場での大手ハイテク各社のAI関連事業をめぐる評価は、総合力で勝るアルファベットGOOGL)が抜きんでている。マイクロソフトは対話型AIサービスのChatGPTで知られるオープンAIの27%を保有しているが、このところはアルファベットの対話型AIのジェミニがChatGPTをしのぐ性能を発揮しているともみられている。また、オープンAIは巨額AIインフラ投資の資金をどのようにして調達するのかという課題も根深い。オープンAIは18日、2025年の総収入は年率換算で200億ドルに達し、2024年の60億ドルから3倍になったと公表しているが、サム・アルトマンCEOは10月段階で、AIインフラ構想の実現には1兆4000億ドルもの資金が必要だともしていた。

このためマイクロソフトの28日の決算発表では、実績とともに2026年1-3月の業績見通しも重要となりそうだ。ブルームバーグによると、1-3月期の業績に関する市場予想は、総収入が前年同期比16.1%増の813.30億ドル、1株当たり利益が15.0%増の3.98ドルとなっており、マイクロソフトが市場予想を超える見通しを示せるかどうかも注目される。


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