ポンド円、ポンド高急進211円台 2カ月半で13円超 為替介入に警戒も
ポンド円相場は17年4か月ぶりのポンド高を更新。日銀決定会合後の円安急進が要因だ。為替介入への警戒でポンド高が減速する可能性もある。
ポンド円相場でポンド高が急激に進んだ。ポンド円相場は日本時間22日の取引で一時、1ポンド=211円台半ばをつけ、17年4か月ぶりの高値を更新。10月初めからの約2カ月半で13円超のポンド高が進んだ形だ。19日に11か月ぶりの利上げを決めた日本銀行の植田和男総裁の記者会見が追加利上げに慎重とみなされ、ドル円相場で円安が急進したことが影響した。またイギリスの中央銀行にあたるイングランド銀行(BOE)の利下げ見通しも後退しており、ポンド高の背景になっている。ただ、日銀の利上げにも関わらず円安が進んだことは、日本政府による為替介入の可能性も強めている。ポンド円相場でのポンド高が今後も進むかどうかは、ドル円相場の円安に歯止めがかかるかどうかにかかってきそうだ。
ポンド円相場は一時211.41円 17年4か月ぶりのポンド高水準を更新
ポンド円相場(GBP/JPY)は日本時間22日午前11時57分段階で1ポンド=210.81円で取引されている。ブルームバーグによると、ポンド円相場は午前6時台には一時211.41円をつけ、2008年8月11日(211.83円)以来のポンド高水準を記録。19日のニューヨーク市場の終値段階でも211.10円となり、前日比で2.95円のポンド高となっていた。高市早苗政権発足の起点となった自民党総裁選挙前日(10月3日)には197.75円をつける場面もあったが、約2か月半で13.66円のポンド高が進んだことになる。
日銀総裁会見後の円安が要因 ポンドの対ドル相場は横ばい
ポンド高急進の要因はドル円相場(USD/JPY)で進んだ円安だ。日銀は19日までの金融政策決定会合で1月以来の利上げを決めたが、ドル円相場では円安が進行。ブルームバーグによると、円の対ドル相場の19日のニューヨーク市場の終値は前日比で1.39%の円安となった。植田氏が記者会見で、追加利上げについて「手探り」で進めると述べ、具体的な時間軸を示さなかったことが円安材料とみなされた。これに対して19日のポンドの対ドル相場(GBP/USD)は0.01%のポンド安というほぼ横ばいの値動きで、ポンド円相場はポンド高に大きく振れた。
イングランド銀行は利下げペース鈍化見通し 賃金やサービス物価の動向を警戒
また、ポンド円相場ではBOEの情報発信もポンドを下支えする要因になっていそうだ。BOEは18日、前日までの金融政策委員会で政策金利の3.75%への引き下げを決めたと発表すると同時に、声明文では今後の利下げについて「ギリギリの判断になる」として、利下げペースが減速する可能性を示唆した。17日に発表された11月の消費者物価指数(CPI)の伸び率は、総合指数で前年同月比3.2%、食品とエネルギーと酒類、タバコを除いたコア指数で3.2%となり、いずれもブルームバーグがまとめた事前予想を大きく下回ったが、BOEは賃上げやサービス価格の上昇が物価上昇圧力として働くことを警戒している。今回の金融政策委員会では5人の委員が利下げを支持する一方、4人の委員は政策金利の据え置きを主張した。
BOEの情報発信を受け、金融市場ではBOEの利下げ見通しが後退している。ブルームバーグによると、22日午前11時57分時段階の金融市場では2026年4月30日に発表される政策金利の水準は3.530%と見込まれ、17日段階から0.076%ポイント上がった。4月までの利下げ確率は80%程度だ。
片山財務相は急激な円安を牽制 為替介入警戒でポンド高も停止か
ただ、ポンド円相場でのポンド高急進の要因となった円安にはブレーキがかかっているようだ。ブルームバーグによると、ドル円相場は22日午前の取引では1ドル=157円台前半で推移しており、前週末の157.78円を超える円安は進んでいない。片山さつき財務相は19日夜、記者団に対して、「投機的な動きを含め、行き過ぎた動きに対しては適切な対応をとる」と述べており、日本政府による為替介入の可能性が材料視されているようだ。日銀の利上げにも関わらず円安が進んだことは「投機的な値動き」として為替介入を正当化する理由になることも考えられる。
こうした中、ポンド円相場の今後の見通しは、ドル円相場で為替介入への緊張感がどこまで高まるかで左右されそうだ。BOEは可能性が低くなったとはいえ、利下げを見据えていることに変わりはないことも踏まえれば、ドル円相場が157円台での膠着状態に陥った場合、ポンド円相場でも211円台を超えるポンド高は進まない展開も考えられる。
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