ドル円、雇用統計で円安進行も 158円台視野 為替介入は困難か
ドル円相場は157円台。日銀の利上げ姿勢などが円安を抑えている。一方、FRBの利下げ見通しは後退しており、雇用統計後の円安進行も想定される。
ドル円相場の値動きが小さくなっている。ドル円相場は9日昼の取引で1ドル=157円台で推移。2025年11月中旬以降は154円台前半から157円台後半で推移しており、高市早苗政権の誕生を材料視した円安進行が落ち着きをみせた形だ。また、日本銀行が年明け以降も利上げに前向きな姿勢を強調していることや、日本の長期金利(10年物国債利回り)の上昇も円安を押しとどめる要因といえる。一方、足元の金融市場では米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げへの期待がじわじわと後退してきた。年明け以降に発表された経済指標で米国の労働市場の堅調さが示されていることが要因で、日本時間9日夜に発表される2025年12月雇用統計も円安要因として働く可能性がある。急激な円安を警戒する日本政府もドル高要因での円安では為替介入に踏み切りづらくなることも考えられ、円安が158円台をうかがう値動きになることも想定されそうだ。
【関連記事】ドル円、高市円安の第2幕か 日銀4月追加利上げも 為替介入間近?(2026年1月16日)
ドル円相場は157円台で推移 急激な「高市円安」には一服感
ドル円相場(USD/JPY)は日本時間9日午後1時53分段階で1ドル=157.21円で取引されている。ブルームバーグによると、ドル円相場は11月20日以降、154.35-157.89円の範囲で取引されており、値幅は3円半程度に抑えられている。高市早苗政権発足の起点となった10月4日の自民党総裁選挙前との比較では10円程度の円安が進んではいるものの、高市円安の動きは落ち着きを見せたといえそうだ。
日銀は利上げへの前向き姿勢を強調 長期金利は26年11か月ぶりの高水準に
また年明け以降、日銀から利上げに前向きな情報発信が続いていることも円安にブレーキをかける要因といえる。ブルームバーグによると、日銀の植田和男総裁は5日の全国銀行協会の新年賀詞交換会のあいさつで、経済・物価情勢次第で政策金利を引き上げるとの姿勢を改めて表明。こうした政策金利の調整が、2%の物価安定目標を「スムーズに実現するとともに、日本経済の息の長い成長につながる」とした。日銀が8日に公表した地域経済報告(さくらレポート)でも、各支店長から地域経済でも雇用や所得が改善方向にあるとの報告が相次いだ。
こうした中、金融市場では日本の長期金利の上昇が進んでいる。ブルームバーグによると、日本の長期金利は6日終値で2.129%をつけ、1999年2月15日(2.270%)以来、26年11か月ぶりの高水準に到達した。ドル円相場の背景となる日米金利差は、翌7日には2.034%ポイントとなり、2022年3月18日以来の小ささとなっている。FRBがロシアによるウクライナ侵攻などを受けて、0.00-0.25%だった政策金利を0.25%ポイント引き上げた直後の水準に戻ったことになる。
FRBの早期利下げへの期待は後退 労働市場の堅調さを示す経済指標が相次ぐ
一方、FRBの金融政策をめぐっては早期の利下げ期待が後退してきた。ブルームバーグによると、ジェローム・パウエル議長の任期中最後の連邦公開市場委員会(FOMC)となる4月会合後の政策金利は、8日の金融市場で3.484%と見込まれており、4月までの利下げ確率は63%程度となっている。2025年末段階での78%程度から大きく低下しており、米国の金利の先安観の弱まりは円安要因とみなすことができそうだ。
FRBの利下げ見通しが後退している背景には、米国の労働市場の堅調さがある。米労働省が8日に発表した週次の失業保険関連統計では、12月28日-1月3日週の新規失業保険申請件数が20.8万件となり、ブルームバーグがまとめた市場予想の21.2万件を下回る結果。同じく8日に人事サービス会社のチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスが発表した12月の人員削減数数は3万5553人で、11月の7万1321人から減少した。7日に民間雇用サービス会社ADPが発表した12月の就業者数も堅調な結果となっている。
雇用統計も堅調なら円安進行の可能性 日本政府の為替介入は困難か
このため米国で9日午前8時30分(日本時間9日午後10時30分)に発表される12月雇用統計も労働市場の堅調さが示されることが考えられる。金融市場でFRBの早期利下げが遠のいたと受け止められれば、ドル円相場が円安方向に動くことも想定されそうだ。ドル円相場では日本政府の為替介入への警戒感があるものの、米国経済の強さというドル高要因で円安が進んだ場合には投機的な値動きとはみなすことができず、為替介入の大義名分が立たないとの見方も成り立つ。
ドル円相場は、ドナルド・トランプ大統領がFRBのパウエル議長の後任に利下げに前向きな人物を指名することが確実視される中、中期的には円高が進むことが想定される。とはいえ、今回の12月雇用統計や13日に発表される12月消費者物価指数(CPI)といった重要経済指標で米国経済の強さや物価上昇圧力の高まりが確認されていけば、11月下旬以降の値幅を超える158円台への円安進行もありえそうだ。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。