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ドル円、石破退陣の影響は? 円安148円台 総裁候補の動向で急変も

ドル円相場は石破首相退陣表明を受けた8日、148円台半ばで推移。日米の金融政策の見通しは円高材料だが、1年前の総裁選では円安急進の場面もあった。

ドル円、石破退陣の影響は? 円安148円台 総裁候補の動向で急変も 出所:ブルームバーグ

ドル円相場に新たな不確定要素が生じた。石破茂首相が7日の記者会見で退陣を表明し、10月上旬実施とも報じられている臨時自民党総裁選挙の結果次第で政治の方向性が大きく変わる可能性があるからだ。ドル円相場は週明け8日の取引で1ドル=148円台で推移しており、アメリカで5日に発表された8月雇用統計を受けた円高の流れに待ったがかかった。一方、自民党総裁選挙まではまだ時間があり、当面は米国の経済指標や日米の金融政策の方向性が円高要因として意識されやすい状況といえる。とはいえ、1年前に当時の岸田文雄首相の退陣表明を受けて行われた総裁選の前には、日本銀行の利上げを牽制した高市早苗氏が優勢との見方が円安につながる場面もあった。今回の総裁選挙でも政局の展開や有力候補の発言でドル円相場の流れが急変する可能性も考えられる。

石破首相が退陣表明 総裁選挙は10月上旬か?

石破氏は7日夕方に記者会見を開き、自民党総裁を辞任すると表明。臨時総裁選挙を開くとした。石破氏は7月20日の参議院選挙で、自民党と公明党の与党が過半数割れに至った後も続投し、23日には日米の関税協議での合意発表にこぎつけたが、米国のドナルド・トランプ大統領が9月4日に合意内容を実行に移す大統領令に署名したことを受け、辞任の意思を固めたもようだ。次期総裁選挙は10月上旬の実施とも報じられ、ドル円相場では日本の政治の不安定化が円安材料として意識されている。

ドル円相場は148円台で推移 8月雇用統計後の円高にブレーキ

実際、石破氏の退陣表明を受けた週明け8日のドル円相場(USD/JPY)は円安方向に振れた。ブルームバーグによると、日本時間8日午後2時29分時段階では1ドル=148.07円で取引され、前週末5日のニューヨーク市場の終値(147.43円)から0.64円の円安となっている。5日のニューヨーク市場では、米国で発表された8月雇用統計で就業者数の伸びが市場予想を下回り、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しが拡大。ドル円相場では前日終値から1.06円の円高が進んでいたが、週明けの取引ではブレーキがかかったといえる。

ドル円相場の日足チャートと主な出来事のグラフ

8日のFX市場では、円以外の主要通貨の値動きは限定的だ。ブルームバーグによると、ポンドの対ドル相場(GBP/USD)は前週末比0.06%のポンド安。豪ドルの対ドル相場(AUD/USD)は0.11%の豪ドル高、ユーロの対ドル相場(EUR/USD)は0.02%のユーロ高に留まっている。円の対ドル相場の水準は0.43%の円安にあたり、円が売られる度合いが際立っている形だ。

円、ポンド、ユーロ、豪ドルの対ドルレートの推移のグラフ

ドル円相場は7月下旬以降のレンジ内 FRBの利下げ見通し拡大なら円高も

一方、8日のドル円相場は7月25日以降の1ドル=146.21-150.92の範囲内に留まる値動き。自民党総裁選までは1か月程度の時間がある見通しで、当面のドル円相場では引き続き、米国の経済動向や金融政策の道筋が材料視されることになりそうだ。米国では11日に8月の消費者物価指数(CPI)が発表される予定。また、16、17日に行われるFRBの連邦公開市場委員会(FOMC)は利下げが確実視される情勢だが、雇用や物価の動向を踏まえて10月、12月にも利下げを行う方向性が示唆されれば、円高要因になりえる。

金融市場で見込まれるFRBの政策金利の水準のグラフ

また18、19日に開かれる日銀の金融政策決定会合もドル円相場を動かす材料だ。決定会合では利上げが見送られるとの見方が優勢だが、植田和男総裁の記者会見などで年内に追加利上げが行われるとの観測が強まれば、やはり円高要因になる可能性がある。ブルームバーグによると、日本時間8日午後2時29分段階の金融市場では、12月の決定会合後の政策金利は0.591%と想定されており、年内利上げ確率は44%程度と見積もられている。

日銀の政策金利の水準の見通しの推移のグラフ

1年前の総裁選では高市氏の優勢が円安要因に 石破氏の総裁選勝利で円高急進

とはいえ、自民党総裁選に向けた政局がドル円相場の波乱要因であることは間違いない。1年前の2024年9月に行われた総裁選に際しては、ドル円相場が1ドル=143円程度で推移していた23日に有力候補とみなされていた高市早苗氏が日銀の金融政策について「金利を今、上げるのはアホやと思う」と発言し、円安材料を提供した。27日の投開票では、1度目の投票で高市氏が石破氏を上回り、ドル円相場は一時、1ドル=146円台半ばまで円安に振れたが、その後の決選投票で石破氏が勝利するとすぐに142円台後半まで円高が進むという乱高下が起きている。

2024年9月の自民党総裁選挙前後のドル円相場の推移のグラフ

高市氏は現在でも次期首相候補として目される一人。自民党総裁選への出馬の意思や金融政策への言及があれば、ドル円相場で材料視される可能性がありそうだ。また、前回の総裁選から1年の間で自民党と公明党の与党は衆参両院で過半数を失っており、次期総裁は連立政権の構築という難題も避けて通ることはできない。日本の政治の不安定化が長期化するとの不安や、減税や給付金拡大といった拡張的な財政政策が実現する見通しが強まれば、円安が進むことも考えられる。


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