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ドル円、155円の壁に脆さ 高市政権円安材料投下 米国経済指標焦点

ドル円相場は一時155円台に到達。為替介入への警戒はあるが、米国経済の強さが確認された場合には、円安が大きく進む可能性がある。

ドル円、155円の壁に脆さ 高市政権円安材料投下 米国経済指標焦点 出所:ブルームバーグ

ドル円相場で円安の流れが再燃した。ドル円相場は日本時間14日午前の取引では1ドル=154円台半ばで推移。12日と13日には一時的に155円台に入る動きもあり、9か月ぶりの円安水準となっている。高市早苗首相が新たに発足させた経済財政諮問会議に日本銀行の緩和的な金融政策を支持してきた有識者が加わったことが円安材料とみなされた結果だ。一方では、片山さつき財務相が急激な円安に警戒感を示しているものの、政府機関一部閉鎖を終えた米国で発表される経済指標に強さがみられた場合には155円の壁が大きく突破される可能性もくすぶる。ただ、円安急進は国内物価に上昇圧力をかけて日銀の利上げを促すとの思惑も成り立ち、今後の日銀の情報発信でドル円相場が揺れることもありえそうだ。

ドル円相場は一時155円台 9か月ぶりの円安水準に突入

ドル円相場(USD/JPY)は日本時間14日午前11時58分段階で1ドル=154.45円で取引されている。ブルームバーグによると、12日深夜には155.04円をつけ、2月4日(155.52円)以来の円安水準に到達。13日にも瞬間的に155円台で取引される場面があった。ドル円相場は1週間前の7日には152.82円をつけていたが、2円以上の円安方向への揺り戻しが起きたといえる。

ドル円相場の日足チャートと主な出来事のグラフ

経済財政諮問会議に黒田日銀の副総裁 日銀の12月利上げ見通しが後退

ドル円相場を円安方向に動かしたのは高市政権の経済政策をめぐる思惑だ。7日午前に発表された経済財政諮問会議の民間議員には、大規模金融緩和を進めた黒田東彦前日銀総裁の下で副総裁を務めた若田部昌澄早稲田大学教授らが選ばれている。また高市氏が発足させた日本成長戦略本部のメンバーにも、黒田日銀で審議委員を務めた片岡剛士PwCコンサルティングチーフエコノミストらが含まれた。

こうした中、金融市場では日銀の12月利上げ見通しが後退した。ブルームバーグによると12月18、19日の金融政策決定会合後の政策金利は14日午前11時58分段階で0.561%と見込まれ、6日段階での0.605%から低下。利上げ確率は33%程度で、やはり6日段階の51%程度から低くなっている。

金融市場で見込まれる日銀の利上げ見通しの推移のグラフ

片山財務相は急激な円安を牽制 米国経済指標での円安なら為替介入は困難?

一方、高市政権は同時に、足元での円安進行に神経を尖らせているようだ。片山氏は12日、参議院予算委員会での答弁で円安について「マイナス面が目立ってきていることは否定できない」と言及。投機的な値動きについては「高い緊張感をもって見極めている」と述べた。日本政府は2024年4月末から5月初めにかけてと、7月中旬に為替介入でドル円相場を一気に円高方向に動かしたとみられており、金融市場では今回も為替介入で相場の流れが急変することへの警戒がある。

とはいえ、こうした為替介入の可能性が背景となってドル円相場で機能している155円の壁には脆さもある。米国の政府機関一部閉鎖が12日に終了したことで再開される米国の重要経済指標の公表が円安材料として働く可能性があるからだ。なかでも早期の発表が予想されている9月雇用統計で労働市場の強さが確認された場合には、米連邦準備制度理事会(FRB)の12月利下げへの期待が後退し、ドル円相場に円安圧力をかけることが想定される。実際、足元ではすでにFRBの利下げ見通しが後退しており、ブルームバーグによると、13日の金融市場で見込まれている12月9、10日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の政策金利の水準は3.750%となり、9月3日(3.754%)以来の高さだった。

金融市場で見込まれるFRBの政策金利の推移のグラフ

米国経済の強さが材料となって進む円安は日米の経済の強さのバランスに沿った動きといえ、投機的な円安を抑え込むとしている日本政府は為替介入の大義名分を得られない。こうした場合にはドル円相場での円安が勢いづくシナリオも考えられそうだ。

円安急進は日銀の利上げを促す要因にも ドル円相場は思惑主導の不安定な展開に

ただ、円安が大きく進んだ場合には、輸入物価の上昇を通じて日本国内の物価上昇ペースを速める要因となる。日銀の植田和男総裁は7月31日の金融政策決定会合後の記者会見では、当時148円程度で推移していたドル円相場について、日銀の経済見通しの前提としている水準から「すごい大きくずれているわけではない」として静観していたが、155円台を大きく超える円安となれば無視できない材料になることもありえる。

このため今後の日銀の情報発信から円安の物価上昇圧力としての効果に警戒感が感じられれば、金融市場で日銀の利上げ見通しが強まり、円安の足を引っ張る可能性もある。高市政権の発足と米国の経済指標発表の再開見通しは、思惑による取引が強まりやすい状況を作り出しており、ドル円相場の今後の値動きが不安定になることも考えられそうだ。


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