アドバンテスト、来期見通しは? 25日決算 半導体市場不安響くか
アドバンテストは25日に1-3月期決算を発表。2026年3月通期の見通しについて強気な姿勢を維持できるかが、株価の動向を左右しそうだ。

半導体検査装置大手のアドバンテストが25日に行う2025年1-3月期の決算発表は、2026年3月通期の業績見通しに注目が集まりそうだ。2025年3月通期の総収入は前期比1.5倍になる見通しで、好業績への期待は高い。同時に、アドバンテストの顧客である半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)などの業績は、アメリカのドナルド・トランプ政権による中国向け半導体輸出規制で下押しされるおそれもあり、アドバンテストにとっても逆風になる可能性がある。アドバンテストの株価はすでに1月につけた最高値の半値程度で推移しており、アドバンテストが25日に弱気な見通しを示せば、株価反発への期待が縮小することも考えられそうだ。
アドバンテストは2025年3月期の総収入が51.3%増の見通し
アドバンテストは25日午後3時30分に1-3月期決算を発表する。ブルームバーグがまとめた市場予想では、総収入は前年同期比46.2%増の1985億円になる見通し。1株当たり利益(EPS)は約3.5倍にあたる71円が見込まれている。また、2025年3月通期の総収入としては7358億円が予想されており、前期比では51.3%増になる形だ。アドバンテストは過去19回の四半期決算のうち3回で総収入が市場予想を超えられなかった。1株当たり利益では6回で市場予想をクリアできなかった。


ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は17日終値段階で19倍程度。最高値をつけた1月10日時点での39倍程度から大きく低下している。株価が急落する一方で、予想EPSは10%ほど伸びており、割高感が薄れた形だ。アナリストが提示する目標株価の平均は1万0428円。3月以降は8000円台に引き下げる動きがある一方、1万2000円台に引き上げるケースもある。22人のアナリストのうち15人は買い、7人は維持を勧めている。
アドバンテストの2026年3月期の業績見通しは? エヌビディアへの規制も影響か
こうした中、アドバンテストの25日の決算発表では2026年3月通期の業績見通しが焦点となりそうだ。アドバテンテストは1月29日の2024年10-12月期の決算会見では、2025年後半から顧客企業が高性能半導体の次世代製品を投入することなどを理由として、半導体検査装置の市場が拡大するとの見方を示していた。ただし米国のトランプ大統領が矢継ぎ早に繰り出す高関税政策は世界経済の見通しを暗くしている。さらにトランプ政権は4月に入り、エヌビディア(NVDA)やアドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)に対して、両社が中国に輸出している半導体を輸出規制の対象に含めたことを通告。こうした動きが半導体大手の生産計画に変化を生めば、アドバンテストの業績の不透明感が増すことも考えられる。
一方、エヌビディアなどを顧客に持つ半導体受託製造最大手の台湾積体電路製造(TSMC、TSM)の魏哲家CEOは17日の1-3月期決算会見で「顧客の行動には、今のところ何の変化も出ていない」と述べ、2025年のTSMCの総収入の成長率が20%台半ばとなるとの見通しを維持した。しかしTSMCは見通しには不確実性やリスクがあることを認めており、7月が見込まれる次回決算会見でTSMCの姿勢が変化する可能性もある。
大手ハイテク企業のAI投資意欲は旺盛 アドバンテストが強気を維持する可能性も
ただ、人工知能(AI)サービスの拡充を進めてきた米国の大手ハイテク企業の投資意欲は容易には衰えないとみることもできる。大手ハイテク企業はAIがもたらす経済や社会の大変革を千載一遇のビジネスチャンスとしてとらえているからだ。大手ハイテク企業の旺盛な投資意欲が続くとの見立てからアドバンテストが25日の決算会見で、2026年3月通期の業績について強気な姿勢を示せば、株価に上昇圧力がかかる筋書きも考えられそうだ。
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