個別銘柄レポート：セールスフォース・ドットコム

What is the news?

2019/1期1Q（2-4月）は、売上高が前年同期比25.4％増の30.06億USD、純利益は3.44億USDと前年同期の100万USDから大幅拡大。調整後EPSは0.74USDと市場予想の0.45USDを上回った。為替変動を除くベースでは同22％の増収であった。販売支援やマーケティング支援のクラウドサービスへの需要が旺盛であった。会計基準の変更に伴い2019/1期1Qより、従来基準の繰延収益から累計期間における認識収益の差異を差し引いた前受収益と、成約はしているが未計上で将来時点に収益計上される残存取引価額を公表。前受収益は、1Q末時点で前年同期末比25％増の62.0億USD。残存取引価額は同36％増の204億USD。このうち12ヵ月以内に収益計上が見込まれるものが同26％増の96億USDである。

地域別の売上高は以下の通り。米州は前年同期比19.0％増の21.01億USD、欧州が同48.2％増の6.06億USD、アジア太平洋が同34.1％増の2.99億となった。事業別の売上高は、サブスクリプション・サポート事業は同27.2％増の28.10億USDと好調で全体の93％を占めた。同事業を構成する4つのクラウドビジネスのカテゴリーは全て2桁の増収となった。営業支援システム「Sales Cloud」は同16.3％増の9.65億USD。カスタマーサービス支援システム「Service Cloud」は同29.3％増の8.48億USD。「Salesforce Platform・その他」が同35.6％増の5.75億USD、マーケティング支援およびECサイト構築支援の「Marketing＆Commerce Cloud」は同41.1％増の4.22億USD。一方、売上構成比7％のプロフェッショナルサービス・その他事業は同4.3％増の1.96億USDであった。

How do we view this?

2019/1期2Q（5-7月）会社計画は、売上高が前年同期比25％増の32.2-32.3億USD、調整後EPSが0.46-0.47USD。1Qの好調や、残存取引価額の拡大などを反映し、通期会社計画を上方修正。売上高を前期比24-25％増の130.75億-131.25億USD（従来計画126‐126.5億USD）、調整後EPSを2.29-2.31USD（同2.02‐2.04USD）とした。通期市場予想は、売上高が同25.0％増の131.04億USD、純利益が同3.4倍の4.28億USD。

配当予想(USD) 0.00 （予想はBloomberg）
終値(USD) 136.26 2018/6/12

会社概要
1999年創立。CRM（顧客関係管理）向けソフトウェアのグローバルリーダー。クラウドベースのソフトウェアをインターネットを通じて提供している。2000年にCRMソリューションを出して以来、新しい分野や業界へのサービ
ス提供を拡大し、新しい機能やプラットフォーム機能を導入した。ビジネスプロセスの自動化、マーケティングオートメーション、デジタルコマース、コミュニティーマネジメン
ト、コラボレーション、エンタープライズ向けのPaaS（Platform as a Service）の「Salesforce Platform」など、包括的なサービスオファリングを提供する。
　「Salesforce Platform」には、同社サービスの無料学習プラットフォーム「Trailhead」、高度なAI機能のセットの「Einstein AI」、コンポーネントベースのアプリケーション作成プラットフォーム「Lightning」、IoTデータの分析・活用をルールベースで自動化する「IoT」、モバイル・ウェブカスタマー向けアプリのデベロップメントプラットフォーム「Heroku」、アナリティクスサービス「Analytics」、ビジネスアプリマーケット「AppExchange」などの機能がある。

企業データ（2018/6/13)
ベータ値 0.93
時価総額(百万USD) 101,223
企業価値=EV(百万USD) 97,239
3ヵ月平均売買代金(百万USD) 675.5

主要株主（2018/6） （％）
1.FMR 11.65
2.Vanguard Group Inc 6.68
3.T.ﾛｳ･ﾌﾟﾗｲｽ･ｸﾞﾙｰﾌﾟ5.87

（出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成）