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金価格 見通し(4/1):停戦期待も原油高止まり、トランプ氏演説待ち 急変動警戒

IG証券のアナリストによる金価格の見通し。停戦期待で有事のドル買い一服も原油価格は高止まり。トランプ米大統領の演説に注目。変動拡大を警戒。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 金価格は3日続伸。米紙WSJの報道で米イランの停戦期待が高まり、有事のドル買いが一服。レジスタンスラインとして意識されている90日線の突破とサポート転換は、反発拡大のサインに
  • 目先、金価格の方向性を左右するのが、米東部時間1日午後9時(日本時間2日午前10時)のトランプ大統領による演説だ。内容次第で金価格の急騰と急落、どちらのシナリオも想定される
  • 金価格が反発を維持すれば、4800ドル(21日線)の攻防に注目。突破すれば4915ドル(61.8%戻し)、5000ドルが視野に入る。一方、反落局面では4600ドルの維持が焦点に。下抜ければ4500ドルを視野に急反落を警戒したい


金価格3日続伸、トランプ大統領 演説で何を語る?

金価格は3日続伸。31日の取引では前日比で一時4%近く上昇し、4700ドルをトライする場面が見られた。

米紙ウォールストリートジャーナル(WSJ)は31日、トランプ米大統領が側近にホルムズ海峡の完全再開なしでも「軍事作戦の終了に前向き」と伝達したと報道。イラン国営通信(IRNA)もペゼシュキアン大統領が条件付きで戦争を終わらせる用意があると報じた。停戦協議進展の期待を受け、米債市場では金利が低下し、外為市場では「有事のドル買い」が一服。これら市場の動きが金相場を支えた。

1日の金価格は、レジスタンスラインとして意識されている90日線を突破する場面が見られた。この移動平均線を完全に突破し、かつサポート転換となれば、反発拡大のサインとなろう。

目先注目すべきは、米東部時間1日午後9時(日本時間2日午前10時)のトランプ大統領による国民向けの演説だ。イランに関する重要な最新情報を提供するという。金価格は急騰・急落どちらのシナリオも想定される。

金価格 日足チャート:年初来

TradingView提供のチャート TradingView提供のチャート

原油高止まり、イラン情勢はなお不透明

トランプ米大統領がイラン作戦の早期終結を決断し停戦協議に軸足を移せば、外為市場では米ドル安が予想される。このケースでの金価格は、「金価格のチャート分析」セクションでまとめたチャート水準(レジスタンス)を視野に反発の加速が予想される。

しかし、イラン情勢はなお不透明だ。この点を強く意識しているのが原油先物価格だ。31日のWTI原油先物5月限は4営業日ぶりに反落したが、なお100ドルを上回る水準で高止まりしている。ブレント原油先物5月限は一時119ドル台へ上昇し、節目の120ドルが視野に入る。

イラン情勢を巡るトランプ米大統領の発言は、二転三転してきた経緯がある。ゆえに、演説後に中東懸念が後退しても、その後のトランプ氏の発言次第では、中東リスクが再燃する可能性がある。また、強硬姿勢にあるイスラエル軍と、徹底抗戦の構えを崩していないイランや反政府組織フーシ派による報復攻撃の可能性も考えるならば、イラン情勢の方向性がはっきりするまでは、米金利と米ドルの不安定な状況が続くことを想定しておきたい。金相場も変動拡大を警戒する状況が続こう。

原油先物価格 日足チャート:昨年10月以降

原油先物価格 日足チャート:昨年10月以降 ブルームバーグのデータを基に作成

金ETFからの資金流出続く、急反落を警戒

イラン情勢の方向性がしっかりと定まるまで、市場参加者は積極的なゴールド買いに動くことをためらうだろう。この点を示唆しているのが金ETFの資金フローだ。ブルームバーグ・インテリジェンスがまとめた週次フローのデータによれば、4週連続で流出超にある。

金ETFの週次資金フロー:年初来

金ETFの週次資金フロー:年初来 ブルームバーグのデータを基に作成

金価格のチャート分析、4800ドル突破か?4600ドルへ反落か? 

4800ドル突破なら上昇拡大も
冒頭で述べたとおり、金価格は90日線の攻防にある。日足のRSIとMACDは金価格が未だ弱気地合いにあることを示している。だが、90日線を完全に突破し反発が拡大すれば、RSIは50を突破し、MACDはゴールデンクロスへ転じることが予想される。このケースでは、昨年後半以降、サポートラインとして意識される局面が見られる21日線のトライを想定したい。この移動平均線がレジスタンスラインに転換しなければ、4800ドル台の攻防を意識したい。半値戻し4759ドルの突破は、4800ドルをトライするサインとなろう。

金価格が4800ドル台へ上昇すれば4900ドル、5000ドルと100ドル幅での上値トライを想定したい。4915ドルはフィボナッチ・リトレースメント61.8%にあたる。このテクニカルラインも突破すれば、心理的節目の水準5000ドルを挟んで展開している一目均衡表の雲の攻防を意識したい。

注目のチャート水準:レジスタンス
・5000ドル:心理的節目の水準、一目雲の攻防
・4915ドル:61.8%戻し
・4800ドル:21日線
・4759ドル:半値戻し

4600ドルの維持なるか?
1時間足のRSIは買われ過ぎの水準に到達。トレンドチャネルも下降から上昇のトレンドに転じ、かつ上限ラインを突破している。短期的な過熱感が意識されやすい状況にある。

調整の反落局面では90日線の攻防に注目したい。この移動平均線がサポートラインに転換すれば、反発加速のサインとなろう。

原油価格の高まりが続けば、イラン情勢の先行き不透明感を意識した相場が続くことが予想される。有事のドル買いの再燃を警戒したい。米ドル高は金相場の重石となろう。このケースでは、サポートラインに転換する可能性がある4600ドルの維持が焦点となろう(1時間足チャート)。

トランプ米大統領がイラン戦争終結に向けた動きを見せても、イスラエルやイランの動き次第では、中東リスクが引き続き金相場の重石となる可能性がある。原油高に加えて、金価格の予想変動率が30%台で高止まりする状況にあることも考えるならば、4600ドルを下方ブレイクする急反落も警戒しておきたい。このケースでは、サポートラインに転換する可能性がある4500ドルの維持が焦点に浮上しよう。

金価格の予想変動率:2025年以降

ブルームバーグのデータを基に作成 ブルームバーグのデータを基に作成

金価格 日足チャート:年初来

ブルームバーグのデータを基に作成 ブルームバーグのデータを基に作成

金価格 1時間足チャート:3月下旬以降

ブルームバーグのデータを基に作成 ブルームバーグのデータを基に作成

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