ソニーグループが31日に発表する4-6月期決算は業績の好調さが確認される見通し。ただ、メモリ半導体不足に苦しむゲーム事業は不振が続きそうだ。
ソニーグループが31日に行う2026年4-6月期決算発表は低迷している株価の復活を後押しできるかが焦点だ。ソニーが主力事業と位置付けるエンターテインメント3事業は、映画事業や音楽事業が牽引役となって増益になる見通し。またドル円相場が1年前よりも大幅な円安水準にあることは、イメージセンサーを手掛ける半導体事業の追い風になっているとみられ、やはり好業績が期待できる状況だ。また、このところの株式市場ではAI株からの資金移動が感じられ、上昇が遅れてきたソニーグループの株価には追い風といえる側面もある。ただ、エンタメ3事業の中核であるゲーム事業は引き続き、人工知能(AI)ブームを背景としたメモリ半導体不足が重荷になっているもよう。このため31日の決算発表は投資家の納得を得られない可能性があり、株価復活の難易度は高いともいえそうだ。
ソニーグループは31日正午に4-6月期決算を発表。午後4時から業績説明会を開く。ブルームバーグがまとめた事前予想によると、ゲーム、音楽、映画のエンタメ3事業の営業利益の合計は前年同期比2.5%増の2659億円になる見通し。1-3月期はゲーム事業で2022年に買収した米国のゲームメーカー「Bungie(バンジー)」の保有資産の減損を886億円分計上したことなどから、3事業合計の営業利益は0.8%減の2279億円に留まっていたが、4-6月期は業績が持ち直す形だ。
ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)から算出される株価収益率(PER)は17日段階で17.2倍程度。前回決算発表前日の16.2倍程度から、やや割高になっている。前回決算発表を経て株価が11%近く上昇する一方で、予想1株当たり利益(EPS)は4.7%増に留まっている結果だ。一方、17日段階の予想株価収益率は、株式市場でAIブームが本格化した2023年以降の平均値(17.7倍)は下回っている。アナリストが提示する目標株価の平均は4691円で、足元の水準よりも35%ほど高い。29人のアナリストのうち27人は買い、2人は維持を勧めている。
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ソニーグループのエンタメ3事業の好調さを牽引すると期待されるのは映画事業だ。ブルームバーグによると、金融市場では4-6月期の映画事業の営業利益は前年同期比33.6%増の249億円になると予想されている。2021年8月に買収したアニメ配信サービスのクランチロールの有料会員数が2100万人まで増えていることなどが追い風となっている。また映画事業では7月以降、映画「スパイダーマン」や「ジュマンジ」の新作公開も控えており、業績アップに期待を抱かせる明るい材料だ。さらに音楽事業も4-6月期の営業利益が6.09%増の984億円になると見込まれている。
同時に4-6月期決算に関しては、半導体事業も好調が予想されている。ブルームバーグがまとめた市場予想では、半導体事業の営業利益は前年同期比30.7%増の709億円となる見込み。半導体事業は製品の多くが日本で生産されるとともに売上はドル建てとなることから、円安による増益効果も大きいとみられる。4-6月期のドル円相場は平均1ドル=159.40円程度で推移し、1年前(144.50円程度)よりも大幅に円安に振れていた。また、4-6月期の半導体事業は、収入でも7.1%増が見込まれていることも安心材料。アップルのiPhone(アイフォン)17シリーズが投入された2025年7-9月期からは収入が低下傾向にあるものの、引き続き前年同期比での成長が続くとみられている形だ。
またソニーグループは株式市場で急落するAI株からの資金流出の受け皿になっている感もある。ソニーグループの株価は17日までの週次で3.30%高となり、半導体などAI株の急落が重荷となった日経平均株価(N225)の6.44%安とは対照的な力強さをみせた。株価が低迷してきたソニーグループに見直し買いが入っている可能性もありそうだ。
ただ、ソニーグループのエンタメ3事業の中で注目度が高いゲーム事業は引き続き、力強さに欠けている。ブルームバーグのまとめでは、4-6月期のゲーム事業の営業利益は3.6%減の1425億円となる見込み。エンタメ3事業の中では唯一の減益が予想されている。メモリ半導体不足が家庭用ゲーム機「プレイステーション5(PS5)」の販売にブレーキをかけていると懸念されるためだ。陶琳CFOは前回の業績説明会で、2027年3月通期のPS5の販売台数計画は「合理的な価格で調達可能なメモリ数量」に基づいて定められていると説明。半導体企業の間でメモリ半導体不足は2027年を過ぎても続くとみられている中、ソニーグループのゲーム事業への逆風は止みそうにない。
ソニーグループの株価が最高値から転落した2025年11月はメモリ半導体メーカーがAI向け製品の生産に注力し、AI向け以外のメモリ半導体の供給不足や価格高騰が注目され始めた時期と重なる。このためソニーグループの31日の決算発表で、メモリ半導体不足がゲーム事業の見通しを暗くしている状況が改めて確認されれば、ソニーグループの株価の最高値復帰へ向けた道のりが険しくなることも考えられそうだ。
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