米国株週間見通し(12/8~12):焦点は米利下げパス、S&P500はFOMC後の下落を警戒
IG証券のアナリストによるS&P500の週間展望。FOMC後の下落を警戒。株価指数CFD「米国500」のチャート分析。
要点
- 今週のS&P500はFOMC後に大きく動くことが予想される。12月利下げは織り込み済み。市場の関心は来年の利下げパスに移っている
- 米債入札での需要の弱さ、ドットプロットとパウエル会見で利下げパスの不透明感が強まればS&P500の下落を警戒したい
- 株価指数CFD「米国500」の週間予想レンジは6750~6970
ブルームバーグの価格データで作成
米金利反発、FOMC後の株安警戒
FOMC前の米株式市場はレンジ相場が予想される。注目はFOMC後の動きだ。翌日物金利スワップ(OIS)市場では来年1月と3月の利下げ確率がいずれも30%前後にある(12月5日時点)。今後の経済指標で市場の思惑は揺れ動くだろう。しかし、現状では来年の利下げが後ずれする可能性を意識する状況にある。
米FOMC 利下げ確率の推移:12月、来年1月と3月
ブルームバーグ、OIS市場のデータで作成
今週は米債市場の動きに注目したい。12月に入り金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りが反発している。この状況は、OIS市場と同じく12月利下げを織り込んだ動きと言える。
注目は10年債利回りや30年債利回りも同時に上昇していることだ。8日に3年債、9日に10年債、11日に30年債の入札が行われる。米債需要の弱さを示す結果が続けば、長期ゾーン利回りには上昇の圧力が強まることが予想される。米金利の上昇は米国株の重石となろう。
米金利の1時間足チャート:11月下旬以降
TradingView提供のチャート
米債需要の懸念がくすぶるなか、ドットプロットとパウエル会見で来年の利下げペースが緩慢になるとの思惑が強まる場合、FOMC後の米国株は売り圧力に直面することが予想される。特に先週上昇した半導体やソフトウェア関連の銘柄売りを警戒したい。一方、利下げパスの不透明感が高まっても、堅調な米債需要で金利が再び低下すれば、米ハイテク株は持ちこたえる可能性がある。
ハイテク株の影響を受けるS&P500はFOMC後に大きく動くことが予想される。同指数の株価指数CFD「米国500」は、後述するチャート水準の攻防に注目したい。
米国500のチャート分析
今週の上限(予想):6970
日足チャートで米国500のトレンドを確認すると、一目遅行線が再びローソク足チャートを上回る水準にある。MACDとRSIも米国500が強気地合いにあることを示唆している。前述の株安懸念が後退すれば、今週のS&P500は6900台の攻防を予想する。
11月12日の高値6876や12月5日の高値6896の水準を完全に突破する場合は、6900台の攻防を想定したい。この場合、10月30日の高値6921レベルのトライと上方ブレイクが最初の焦点となろう。
米国500が6900台を維持し、6921を完全にブレイクアウトすれば、5日終値から約100ポイント上の水準6970を視野に上昇拡大の可能性が出てくる。この水準を今週の上限と予想する。6950の突破は、6970をトライするサインと捉えたい。
・6970:上限(予想)
・6950:レジスタンスライン
・6921:10月30日の高値
・6896:12月5日の高値
・6876:11月12日の高値
今週の下限(予想):6750
利下げパスの不透明感と米債需要の懸念が強まれば、FOMC後の米国500は下落相場を予想する。予想レンジの下限は6750。上の水準6760台には25日線、直下の水準はフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準(6747)にあたる。6750はテクニカルの面でサポートラインとして意識されやすい状況にある。
米国500が6750をトライするサインとして、まずは10日線と6800の攻防に注目したい。後者の水準はフィボナッチ・リトレースメント23.6%にあたる(4時間足チャートを参照)。
想定を超える売りに直面し、米国500が6750を下方ブレイクする場合は、6700の維持が焦点に浮上しよう。この水準は半値戻しにあたる(4時間足チャートを参照)。
・6830:10日線
・6800:23.6%戻し(4時間足チャート)
・6763:25日線
・6750:下限(予想)、直下に38.2%戻し(4時間足チャート)
・6700:半値戻し(4時間足チャート)
米国500の日足チャート:今年10月以降
TradingView提供のチャート
米国500の4時間足チャート:11月下旬以降
TradingView提供のチャート
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