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米国株週間見通し(12/1~5):S&P500反発も経済指標を警戒、PCE価格指数に注目

S&P500の週間展望。経済指標にらみ。株価指数CFD「米国500」のチャートポイントについてIG証券のアナリストが解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 利下げ期待で先週のS&P500は3.7%高と反発。しかし、11月全体では0.13%高にとどまり株高の勢いが失速気味。12月は上昇傾向にあるが、今週は経済指標次第で調整売りを警戒したい
  • 注目の経済指標は5日発表予定の9月PCE価格指数。インフレの粘着性を示す結果となれば、FOMC前の調整売りを促す要因になり得る。雇用指標とISM指数も材料視される可能性があろう
  • S&P500の株価指数CFD「米国500」週間予想レンジは下限6750~上限6940



利下げ期待で反発も株高の勢いは失速気味

米連邦準備制度理事会(FRB)が12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに踏み切る観測が再浮上し、先週のS&P500は3.7%高で終えた。しかし、11月は0.13%高にとどまった。

ナスダックの総合指数と100指数が下落で終えた状況も考えるならば、株高の勢いは失速気味だ。

米株価指数 11月の変動率

米株価指数 11月の変動率

ブルームバーグのデータで作成

今週から米株式市場は12月相場に入る。1957年以降のS&P500の月間平均変動率を確認すると、12月は上昇の傾向が見られる。

株高の勢いは失速気味だが、利下げ期待は引き続きS&P500を下支えしよう。しかし、以下で述べる経済指標次第では調整売りを警戒したい。

S&P500 月間の平均変動率:1957年以降

S&P500 月間の平均変動率:1957年以降

ブルームバーグの価格データで作成
※12月:2024年時点の動向


経済指標にらみ、PCE価格指数に注目

翌日物金利スワップ(OIS)市場では12月の利下げ確率が90%近くまで上昇している。先週の米債市場では2年債利回りと10年債利回りがともに低下した。米金利の低下は外為市場で米ドル安を促した。各市場で12月利下げの織り込みがかなり進んでいる。また、上述の通りブラックアウト期間に入っていることも考えるならば、今週の米国株は経済指標にらみの展開が予想される。現在は、金融政策とともに景気も重要なテーマにあるからだ。

IG週間為替レポートで述べたとおり、今週は11月のADP雇用統計と週間の新規失業保険申請件数の雇用関連指標、ISM製造業・非製造業景気指数が材料視される可能性がある。

IG週間為替レポート
ドル円 週間見通し(12/1~5): 154.50~158.00予想、12月利下げ織り込み焦点は米経済指標に

上記の経済指標以外で注目したいのが、インフレ指標だ。政府機関閉鎖の影響で延期となっていた9月の個人消費支出価格指数(PCE価格指数)が5日に発表される予定だ。

トレンドを示す前年同期比はインフレの粘着性を示唆している。予想以上となれば、FOMC前の調整売りを促す要因になり得る。インフレ懸念と景気不安が意識される場合、5日の米株式市場では下落相場を警戒したい。

一方、景気不安とインフレ懸念が後退する場合、S&P500は強気地合いを維持することが予想される。だが、来週にFOMCを控えていることを考えるならば、上昇幅は限られよう。株価指数CFD「米国500」は、以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。

米PCE価格指数の動向:過去1年間

米PCE価格指数の動向:過去1年間

ブルームバーグのデータで作成 / 赤棒グラフ・ドット:9月予想


米国500のチャート分析

上限:6940
S&P500の株価指数CFD「米国500」のトレンドを日足チャートで確認すると、一目均衡表の遅行線がローソク足を下抜けているが、MACDはゴールデンクロスに転じゼロラインを上回る状況にある。RSIも50以上の水準にある。

また、投資家心理を表すVIXが警戒水準の「20ポイント」を下回り15ポイント台へ低下している。これら指標の動きは、11月上旬に見られた投資家の不安心理が後退していることを示唆している。

VIXの日足チャート:日足 今年3月以降

VIXの日足チャート:日足 今年3月以降

ブルームバーグのデータで作成

米国500の上昇局面では、4時間足チャートにまとめた3つのレジスタンスラインの攻防に注目したい。

6900台へ上昇する場合は、11月28日の終値6841から100ポイント上の水準にあたる6940を視野に上昇拡大を予想する。来週にFOMCが控えていることを考えるならば、このラインまでの上昇が限界と予想する。

・6940:上限(予想)
・6900:レジスタンスライン(4時間足)
・6875:レジスタンスライン(4時間足)
・6850:レジスタンスライン(4時間足)

下限:6750
前述の経済指標が米株安の要因となれば、米国500は以下にまとめた下値水準の攻防に注目したい。予想レンジの下限は6750を想定。このラインを挟んで上下に25日線と50日線が展開している。

米国500が6800を下抜ける場合は、サポートラインに転換する可能性がある6770の攻防に注目したい。このラインは、直近の高値と安値のフィボナッチ・リトレースメント23.6%戻しにあたる。6770の下方ブレイクは、6750をトライするサインとなろう。

今週の経済指標で景気不安とインフレ懸念が同時に強まる場合は、想定以上に調整売りが進行する可能性がある。この場合は、6700の維持が焦点となろう。テクニカルの面では、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準6720のトライを意識したい。

・6800:サポートライン(4時間足)
・6770:23.6%戻(4時間足)し、サポート転換の可能性あり
・6750:下限(予想)、上下に25日線と50日線が展開(日足)
・6720:38.2%戻し(4時間足)


米国500の日足チャート:今年8月以降

米国500の日足チャート:今年8月以降

TradingView提供のチャート

米国500の4時間足チャート:11月以降

米国500の4時間足チャート:11月以降

TradingView提供のチャート


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