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【米国株】S&P500週間見通し:ハイテク懸念後退はエヌビディア決算次第、今週もバリュー株頼み

IG証券のアナリストによるS&P500の週間見通し。ハイテク懸念をバリュー株の買いが相殺する状況が続こう。米国500の週間想定レンジは6700~6940。注目のチャート水準について。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • ハイテク株軟調でS&P500は2週続落。今週はハイテク株のトレンドを転換する材料がなく、S&P500は調整売り継続で下値トライを警戒
  • ハイテク株反転の試金石は、来週25日のエヌビディア決算次第。投資家の期待に応えるガイダンスなら、主力の半導体株やビッグテック株買いの要因になり得る
  • 現在のS&P500はハイテク株売りを幅広いバリュー株の買いが相殺する状況にある。バリュー株買い継続なら下落幅は限定的となろう。株価指数CFD「米国500」の週間想定レンジは6700~6940



S&P500は2週続落、今週も軟調地合いか

先週(2月9日~13日)の米株式市場では、主要指数が下落した。米株式市場の時価総額の約80%をカバーするS&P500は2週続落。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は5週続落で終えた。

米株価指数の週間変動率:昨年12月以降

ブルームバーグのデータで作成 / 2月9日~13日の週まで

これら株価指数が軟調地合いとなっている主因は、「ハイテク懸念」にある。

先週のS&Pセクター別パフォーマンスを確認すると、エヌビディア(NVDA)やマイクロソフト(MSFT)が属する情報技術と、アルファベット(GOOGL)やメタ・プラットフォームズ(META)が属するコミュニケーション・サービスの両セクターが下落した。

S&Pセクター別の週間変動率:2月9日~13日の週

S&Pセクター別の週間変動率:2月9日~13日の週

ブルームバーグのデータで作成

一方、マグニフィセントセブンのパフォーマンスを見ると、先週はテスラが1.5%高で終えた以外は総じて軟調だった。マイクロソフトはかろうじて横ばい、それ以外は下落した。ナスダックと同じくS&P500もこれらハイテク株の影響を受ける。

また、2月に入り「SaaSの死」と言われる主力ソフトウェア株への売り圧力も高まり、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)やセールス・フォース(CRM)は10%安の状況にある。

以下で詳述する通り、来週にAI半導体大手のエヌビディア(NVDA)決算が控えていることも考えるならば、今週のS&P500は調整売り継続による下値トライを警戒したい。

S&P500とマグニフィセントセブンの週間変動率:2月9日~13日の週

S&P500とマグニフィセントセブンの週間変動率:2月9日~13日の週

ブルームバーグのデータで作成


来週のエヌビディア決算がトレンド転換の試金石に

米ハイテク株売りの背景にあるのが、AIインフラへの巨額投資に対する収益懸念だ。

マグニフィセントセブンを除いたS&P493の年初来パフォーマンスを確認すると、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムのクラウド3社が決算を順次発表した1月下旬を境に、マグニフィセントセブンとのパフォーマンス格差が拡大していることが分かる。月初来でメタ・プラットフォームズの株価が約11%安にあることも考えるならば、AIインフラへの巨額投資に対する収益懸念が現在のハイテク株売りの主因と言える。

S&P493とマグニフィセントセブンの変動率:2026年1月以降

S&P493とマグニフィセントセブンの変動率:2026年1月以降

ブルームバーグのデータで作成 /プライスリターン/ 2025年末を100とし指数化

ハイテク株反転を促すきっかけになり得るのが、来週25日の取引終了後に予定されているエヌビディア(NVDA)の2025年11月~2026年1月(第4四半期:Q4)決算だ。

ブルームバーグがまとめたレポート掲載時点でのコンセンサス予想は以下のとおり。焦点は、粗利益率と第1四半期(Q1)のガイダンスとなろう。決算発表までは巨額設備投資に対する懸念が意識されやすく、今週のS&P500は調整売りによる下値トライを想定したい。

エヌビディア決算の見通し

エヌビディア決算の見通し

ブルームバーグがまとめたコンセンサス予想 / レポート掲載時点
※粗利益率:Non-GAAP
※Q4粗利益率の会社ガイダンス:GAAP 74.8% / Non-GAAP 75.0%(いずれも±50bps)


S&P500を支えるバリュー株

ただし、現在の米株式市場がリスク回避一色というわけではない。VIXは警戒水準とされる20を上回っているものの、トランプ関税リスクが意識された昨年4月や調整売りの圧力が強まった昨秋の水準を下回る水準で上昇が抑制されている。

VIXの日足チャート:2025年3月以降

VIXの日足チャート:2025年3月以降

ブルームバーグのデータで作成

注目すべきは、優良なバリュー株もS&P500のトレンドに一定の影響を与えている点にある。前述した先週のセクター別パフォーマンスを改めて確認すると、公共から資本財まで幅広いバリュー株が買われ、S&P500を下支えした。マグニフィセントセブン(ビッグテック銘柄)を除いたS&P493が堅調に推移していることもこれを裏付けている。

つまり現在は、ハイテク株の売りがS&P500の上値を抑える一方で、バリュー株の買いが下値を支える構図にあるということだ。今週のS&P500は、エヌビディア決算を見極めたいとの思惑からハイテク株主導で上値の重い展開が予想される。その一方で、バリュー株がどこまで下値を支えるかが、調整の深さと反発のタイミングを左右するだろう。


米国500のテクニカル分析、6700の維持が焦点に

下値の焦点は6700の維持
今週16日はプレジデントデー(Presidents' Day)で米株式市場が休場となるが、S&P500の株価指数CFD「米国500」は取引ができる。しかし、市場参加者が少ないことから、大きく動くなら17日以降となろう。前述の通り調整売りが続く場合は、以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。

最初の焦点は、先週の調整売りを止めた6800の維持だ。テクニカル面では、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準6787の攻防に注目だ。昨年12月以降、6800割れでは押し目買いのパターンが見られる。今週もバリュー株の買いが続けば6800の下方ブレイクは、押し目買いのサインと捉えたい。

だが、6800をトライするということは上昇のトレンドチャネル下限を完全に下方ブレイクすることを意味する(日足チャート)。RSIが50を、MACDがゼロラインを下抜け、弱気モメンタムのサインが点灯している。買い戻しが入っても90日線がレジスタンスラインに転換する場合は、保有する買いポジションを早めに清算することを意識したい。

米国500が6700台の攻防となる場合は、相場の下落を止めた6730(1時間足チャート)と6717(全戻し、日足チャート)の攻防が焦点となろう。6717の下方ブレイクは、6700をトライするサインとなろう。この水準を今週の下限と予想する。
注目のチャート水準
・6800:サポートライン、直下に76.4%戻し(6787)
・6730:2月6日安値
・6717:昨年12月18日安値、全戻し
・6700:下限予想

6900突破が焦点に
一方、米国500の反発局面では、1時間足チャートにまとめたチャート水準の攻防に注目したい。最初の焦点は、6900の突破だ。テクニカル面では50日線の攻防に注目したい。先週13日の反発を止めた6880の上方ブレイクは、6900(50日線)をトライするサインと考えたい。米国500が6900台で底固めとなれば、40ポイント幅で上値の攻防を見極めたい。

バリュー株の買いだけでは、反発に限界がある。加えて、ハイテク株が反転するには、来週のエヌビディア決算を見極める必要がある。13日の終値6830レベルから約100ポイント上の水準であり、かつレジスタンス転換の可能性がある6940レベルを今週の上限と予想する。

筆者の想定を超える反発で米国500が6940を突破する場合は、6980を視野に上昇拡大を想定したい。
注目のチャート水準
・6980:レジスタンスライン
・6940:上限予想
・6900:レジスタンスライン、50日線(6907)
・6880:レジスタンスライン
※移動平均線の水準:2月13日時点


米国500の日足チャート:昨年11月以降

米国500の日足チャート:昨年11月以降

TradingView提供のチャート

米国500の1時間足チャート:2月5日以降

米国500の1時間足チャート:2月5日以降

TradingView提供のチャート


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