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アメリカ株週間見通し(6/2~6):S&P500予想5720-6050 ISMと雇用統計に注目 関税50%の影響は

5月の米国株はマグニフィセントセブン主導で上昇した。S&P500は6%高で終えた。6月第1週の注目材料は5月の経済指標-ISM指数と雇用統計。トランプ関税の不透明感は株安要因として警戒したい。S&P500の週間予想レンジは5,720-6,050ポイント。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

記事の要点

・5月の米国株は、マグニフィセントセブン主導で上昇した
・6月第1週の米国株は経済指標にらみの展開となろう、ISM指数と雇用統計に注目
・トランプ関税の不透明感は米株安の要因として警戒したい
・S&P500の週間予想レンジは5,720-6,050ポイント



5月の米国株はマグニフィセントセブン主導で上昇、S&P500は6%高

5月の米国株は上昇した。アメリカ株式市場の時価総額の約80%をカバーするS&P500は6.15%高で終えた。S&P500以上に上昇したのがナスダック指数だった。総合指数とナスダック100指数はともに9%高で終えた。
いずれの指数も2023年11月以来の大幅上昇となった。

米株価指数 月間の変動率:2023年11月以降

米株価指数 月間の変動率:2023年11月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成


最も上昇したセクターが情報技術だった。上昇率は10.8%だった。次いでコミュニケーション・サービスと一般消費財の各セクターが9%高で終えた。これらセクターが5月の株高をけん引した。

上記の3セクターにはエヌビディア(NVDA)、メタ・プラットフォームズ(META)アマゾン・ドットコム(AMZN)そしてテスラ(TSLA)など「マグニフィセントセブン」と呼ばれる大型株が属している。ゆえに、5月の株高はマグニフィセントセブンが主導したといえる。

S&P500 各セクターの変動率:5月

S&P500 各セクターの変動率:5月

ブルームバーグのデータで筆者が作成

そのマグニフィセントセブンは、今年に入り決算でトレンドが左右されている。1月下旬~2月の決算は、業績見通しで投資家の失望を誘いマグニフィセントセブンは下落トレンドを形成した(下のチャート、グレーゾーンを参照)

この流れを変えたのが、4月下旬から5月上旬の決算だった。先月28日のエヌビディア(NVDA)の決算も好感され、マグニフィセントセブンは株高(反発)のトレンドへ転じている(下のチャート、緑ゾーンを参照)。調整の反落を挟みながら、次の決算までマグニフィセントセブンが底堅さを維持する公算が高まっている。マグニフィセントセブンの買い戻しが続けば、米株価指数を支えるだろう。

この流れに水を差す要因として警戒したいのが、下で述べるトランプ関税の不透明感である。

マグニフィセントセブンの動向:年初来

マグニフィセントセブンの動向:年初来

ブルームバーグのデータで筆者が作成


トランプ米大統領、鉄鋼・アルミに50%関税、不透明感続く

トランプ米大統領は先月30日、鉄鋼とアルミニウムの関税を25%から50%に引き上げることを表明した。新たな関税は6月4日から発動するという。トランプ氏は自身のSNSに「中国が我々との合意を完全に破っている」と投稿した。一方、米通商代表部(USTR)のグリア代表はCNBCのインタビューで、中国はジュネーブでの合意を順守せず取り組みが遅いと指摘した。

突然の方針転換(関税引き上げ)や相手国の避難は、「先が読めない」という投資家の不安心理を掻き立てる要因となろう。まずは、週明けのアメリカ株価指数先物の動向に注目したい。売り(下落)で反応する場合は、トランプ関税に対する市場の先行き懸念が再び強まっているサインとして警戒したい。

また今週は、米国株のトレンドに影響を与える重要な経済指標がある。関税懸念とさえない経済指標が重なれば、マグニフィセントセブンの上昇トレンドに水を差す可能性がある。マグニフィセントセブンが崩れる場合、S&P500は下で述べるサポートラインの攻防に注目したい。


5月指標でトランプ関税の影響見極め、注目はISM指数と雇用統計

6月第1週の米国株は経済指標にも注目したい。いずれもトランプ米政権による相互関税の影響が出始める5月の経済指標である。

2日にISM製造業景気指数、4日にISM非製造業景気指数が発表される。ブルームバーグの予想ではいずれの指数も4月から改善の見通しにある。

5月の米消費者信頼感指数は98.0と、前月の85.7から急回復した。期待指数は72.8と、コンファレンス・ボードが景気判断の分かれ目とする「80」を下回ったが、前月の55.4から大幅に改善した。トランプ米政権は相互関税の上乗せ部分について90日間の交渉期間を設け一時的に停止している。この措置の影響が消費者マインドだけでなく企業マインドの改善も促す場合は、5月の株高の流れを支える要因になり得る。

ISM指数の動向:過去1年間

ISM指数の動向:過去1年間

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤のドット:5月予想

6日に5月の雇用統計が発表される。4月の個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)は、前月からインフレの伸びが抑制された(前年同月比)。インフレの抑制と労働市場の底堅さが確認される場合は、先月からの株高の流れを支える要因となろう。ISM指数とともに予想を上振れする場合、S&P500は節目の6,000ポイントの突破と2月最高値を視野に上昇期待が高まろう。

一方、上述したトランプ関税の不透明感が強まるなかで景気不安を強める経済指標が続けば、S&P500は5,700ポイント台へ反落する展開を想定したい。

米雇用統計 各項目の動向:過去1年間

米雇用統計 各項目の動向:過去1年間

ブルームバーグのデータで筆者が作成/ 赤の棒グラフとドット:5月予想


S&P500の週間見通しとテクニカル分析

週間の予想レンジ上限:6,050
日足の一目均衡表は、S&P500が強気地合いにあることを示唆している。今週の米経済指標で景気不安が後退すれば、S&P500は5月相場の流れを維持する展開が予想される。このケースでは、以下にまとめたレジスタンスラインの攻防が焦点となろう。

注目すべきは、心理的な節目でありかつフィボナッチ・エクステンション100%の水準にあたる6,000ポイントの攻防である(4時間足)。この水準の上方ブレイクそしてサポート転換は、さらなる上値トライのサインとなろう。

週間予想レンジの上限は6,050レベル。2月24日、この水準で米国500(S&P500が原資産の株価指数CFD)の反発が止められた。筆者の想定以上に株高が進行し6,050ポイントを突破する場合は、6,100ポイントのトライを意識したい。

・6,100:レジスタンスライン(4時間足)
・6,050:2月24日の高値、予想レンジの上限(4時間足)
・6,000:フィボナッチ・エクステンション100%(4時間足)
・5,968:5月19日の高値(日足)

週間の予想レンジ下限:5,720
関税政策をめぐっては、トランプ米政権だけでなく米司法の判断も揺れている。今週もトランプ関税について米政権の要人から強硬な言動があれば、トランプ関税の不透明感を意識した株安を警戒したい。景気不安を強める経済指標も重なれば、マグニフィセントセブンの下落要因となろう。このケースでのS&P500は、5,720ポイントまで下落幅が拡大する展開を想定したい(4時間足)。この水準は5,576ポイントと同じく、サポートラインへ転換する兆しが見られる。週間の予想レンジ下限と想定したい。

S&P500が5,720ポイントを目指すサインとして、まずは5,800ポイントの攻防に注目したい。このラインはフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準にあたる(4時間足)。また、5,821ポイントには21日線が推移している。

S&P500が5,800ポイントを下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準5,764ポイント(日足)、5月23日の安値5,743ポイントの維持が焦点となろう(4時間足)。後者の下方ブレイクは、予想レンジの下限5,720ポイントをトライするサインと捉えたい。

・5,821:21日線(日足)
・5,803:76.4%戻し(4時間足)
・5,764:23.6%戻し(日足)
・5,743:5月23日の安値(4時間足)
・5,720:予想レンジの下限(4時間足)
※21日線の水準:5月30日時点


S&P500のチャート

日足:2月以降

日足:2月以降

出所:TradingView

4時間足:5月以降

4時間足:5月以降

出所:IGチャート


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