コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

米国株見通し(9/10):S&P500最高値更新、6600視野も 米PPI・CPIに注目

労働市場の減速で高まる米FRBの連続利下げの期待。S&P500は最高値更新。焦点は米インフレ指標へシフト。株価指数CFD「米国500」の短期見通しと注目のチャート水準をIG証券のアナリストが詳細解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

・利下げ期待でS&P500が最高値を更新
・焦点は8月米インフレ指標へ、米金利とハイテク株の動きに注目
・強気相場維持なら米国500は6600が視野に
・米国500の反落局面では、3つのサポートラインに注目




雇用減速で高まる米FRBの連続利下げ期待、S&P500最高値更新

米労働省は9日、雇用統計の年次ベンチマーク(基準)改定の推計値を公表した。それによれば、今年3月までの1年間の雇用者数の増加が、従来の推計から91万1000人程度下方修正となる可能性が示唆された。確報値の発表は来年2月に予定されているが、トランプ米政権が相互関税を導入する前から雇用の伸びが鈍化していた可能性が示唆された。

8月の雇用統計をはじめ、先週の雇用指標でも労働市場の減速が示唆されたことで、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が懸念している労働市場の減速懸念が高まっている。

米国の経済は堅調な雇用によって支えられてきた。その労働市場で先行き懸念が高まっている状況は、市場参加者に景気不安を想起させる。OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場では米FRBが9月、10月そして12月に連続で利下げに踏み切る可能性を意識し始めている。

レポート掲載時点での予想利下げ確率
・9月FOMC:91.6%
・10月FOMC:78.5%
・12月FOMC:78.8%
※出所:ブルームバーグのOIS市場データ

7日のIG米国レポートでは、経済指標で労働市場の減速懸念が高まる場合は、景気不安と利下げ期待が交錯し、どちらの思惑が強まるかが焦点になると指摘した。

関連記事
米国株週間見通し(9/8週):ナスダック変動拡大も、利下げ期待と景気不安交錯、米CPI警戒

先週は景気不安の方が意識されたが、今週は利下げ期待の方が意識されている。8日と9日の米債市場で10年債利回り(長期金利)が一時4.03%まで低下。節目の4.0%が視野に入る。

長期金利の低下は米国株の下支え要因である。この点を示唆しているのが、マグニフィセントセブンに代表される大型ハイテク株の買いである。今週はテスラ(TSLA)とアップル(AAPL)以外の株価が上昇している。

ハイテク株の動きに影響を受けるS&P500種株価指数(以下、S&P500)は9日の市場で前日比17.46(0.27%)高の6,512.61で終え、過去最高値を更新した。今週は9日時点で0.48%高と、先週の0.33%高を上回り強気地合いを維持している。

マグニフィセントセブンとS&P500の動向:9月8日~9日

マグニフィセントセブンとS&P500の動向:9月8日~9日

ブルームバーグのデータで作成


焦点は8月の米インフレ指標へ、今日はPPI、明日はCPI

今日から米国株は、インフレ指標をにらんだ相場を想定したい。

今日は8月の生産者物価指数(PPI)、明日は同月消費者物価指数(CPI)が発表される。市場参加者の関心が高いのは後者の8月CPIである。しかし、主要指数が最高値を更新した状況で今晩の8月PPIが予想外に上振れする場合は、調整売りの要因になり得る。

米国 生産者物価指数(PPI)の動向:過去1年間

米国 生産者物価指数(PPI)の動向:過去1年間

ブルームバーグのデータで作成 / 赤の棒グラフ・ドット:8月予想

しかし、単月のインフレ指標に今の米利下げ期待を後退させるインパクトはないだろう。したがって、8月のインフレ指標が調整売りの材料となる場合は、下値で米国株の買いを仕掛ける好機と捉えたい。

注目の株価指数はナスダック100とS&P500である。2023年以降、米国株は株高へ転じた。上昇相場をけん引しているのは、マグニフィセントセブンに代表される大型ハイテク株の買いである。ナスダック100はマグニフィセントセブンの動向に大きな影響を受ける。同指数を原資産とする株価指数CFD「米国テク株100」は、節目のライン24000の攻防が焦点となろう。このラインを突破すれば、予想レンジの上限24100ラインが視野に入る。詳細は7日のIG米国レポートを参照されたし。

S&P500のトレンドもマグニフィセントセブンの動き次第である。この点について、マグニフィセントセブンを除いたS&P493のパフォーマンスと比較すると、その差は歴然である。8月インフレ指標で米金利が変動すれば、ハイテク株のボラティリティが拡大する可能性がある。したがって今日以降は、S&P500の短期売買の機会も増えることが予想される。

マグニフィセントセブンとS&P493のプライスリターン:日次 2023年1月~2025年9月9日

マグニフィセントセブンとS&P493のプライスリターン:日次 2023年~2025年9月9日

ブルームバーグのデータで作成 / 2022年末を100とし指数化


米国500の短期見通しとテクニカル分析

6560突破なら6600を視野に上昇も
8月PPIとCPIがともに市場予想の範囲内におさまれば、利下げ期待による米株高の継続を予想する。S&P500が原資産の株価指数CFD「米国500」は、以下にまとめたレジスタンスラインの攻防に注目したい。

目先、注目すべきは6600ラインのトライである。この水準を目指すサインとして、9月5日の取引時間中の高値6532レベルと1時間足のフィボナッチ・エクステンション100%の水準6560レベルの攻防に注目したい。

米国500が後者の6560ラインを完全に突破する場合は、10ポイント幅で相場の勢いを確認したい。強気地合いの勢いが増し6590を突破すれば、6600のトライを意識したい。

レジスタンスライン
・6600:重要レジスタンスライン
・6590:レジスタンスライン
・6560:フィボナッチ・エクステンション100%
・6532:9/5取引時間中の高値

押し目買いを考えたい3つのライン
一方、8月のインフレ指標が米株高の調整要因となれば、米国500は1時間足にまとめた3つのサポートラインの攻防に注目したい(赤矢印を参照)。

前述のとおり、単月のインフレ指標が今の利下げ期待を後退させるインパクトはないだろう。したがって、これらサポートラインの攻防で押し目買いの好機を探りたい。6510ラインのすぐ下に5日線が上昇している。6480ラインは今週サポートラインとして意識されている。サポートラインに転換する可能性がある6460ライン上には25日線が推移している。

時間足のRSIとストキャスティクスで相場の過熱感を確認したい。これらオシレーター指標が「売られ過ぎ」の水準へ低下する局面で、米国500がサポートラインをトライする場合は反発を想定したい。

サポートライン
・6510:サポートライン、5日線
・6480:サポートライン
・6460:サポートラインへ転換する可能性あり


米国500の日足チャート:7月以降

米国500の日足チャート:7月以降

出典:IG / TradingView

米国500の1時間足チャート:9月以降

米国500の1時間足チャート:9月以降

出典:IG / TradingView


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

米国株分析レポート

米国株を取引する際に知っておきたい情報はこちら。米国株式市場に影響を与えるニュースからトレンド分析まで、IG証券のマーケットアナリストが解説します。

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! デモ口座のみお持ちのお客さまには、2週間の期間限定での配信となります。受信を継続するにはライブ口座の開設をお願いいたします。 ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。