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米国株週間見通し(9/8週):ナスダック変動拡大も、利下げ期待と景気不安交錯、米CPI警戒

9/8週の米国株展望。利下げ期待と景気不安が交錯。8月CPIでスタグフレーションの懸念が高まれば下落警戒。米国テク株100の週間予想レンジは23000~24100。上値と下値の具体的なテクニカルポイントについてIG証券のアナリストが詳細解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

・米雇用統計が促すFRB利下げサイクルの再開
・利下げ期待は、ハイテク株とナスダック100の下支え要因に
・スタグフレーション懸念を警戒、焦点は8月の米CPI
・米国テク株100の週間予想レンジは23000~24100




雇用指標が促すFRBの利下げサイクル再開

米労働省が5日発表した8月の雇用統計によれば、非農業部門雇用者数変化は2.2万人増と、ブルームバーグがまとめた市場予想7.5万人増を大きく下回った。失業率は4.2%から4.3%へ上昇した。7月JOLTS求人件数、8月ADP雇用統計、8月ISMサービス業の雇用指数など、先週の雇用指標はいずれも市場予想を下回った。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が警戒している労働市場の減速が経済指標で確認されたことで、OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場では、9月の利下げを完全に織り込んだ。

IG米国レポートで注目している10月の利下げ確率は50%台から70%台へ急上昇している。12月の利下げも90%台の確率で織り込んでいることを考えるならば、先週の米雇用指標は、米FRBの利下げサイクル再開を促した。

米FOMC 予想利下げ確率の推移:日次 6月以降

米FOMC 予想利下げ確率の推移:日次 6月以降

ブルームバーグのデータで作成 / OIS市場の予想確率(9月5日時点)

9月FOMCでの0.5%利下げの可能性もにわかに意識され始めている。ブルームバーグのデータによれば、OIS市場では50%の確率で0.5%利下げを織り込む状況にある。

一方、CMEのFedWatch ツールでは、0.5%利下げの可能性を11%程度織り込み始めている。OIS市場の先走り感がかなり強いが、前述の連続利下げの可能性が意識され始めている状況も考えるならば、利下げ期待の高まりは米国株、特にハイテク株の下支え要因になり得る。

米FOMC 9月の利下げ確率

米FOMC 9月の利下げ確率

出所:CMEのFedWatchツール / 9月6日時点


ナスダック100とラッセル2000が示唆したこと

利下げ期待の高まりがハイテク株の下支え要因になると述べた。この点を示唆したのが、5日の米株価指数のパフォーマンスだ。

労働市場の減速は景気の先行き懸念を強め、S&P500ダウ平均などの主要な株価指数は下落した。しかし、ハイテク株比率の高いナスダック100は前日比0.08%高と、小幅ながらも上昇した。

ラッセル2000の動きにも注目したい。中小型株は金利の影響を受けやすい。その米金利は5日の市場で低下した。ラッセル2000は前日比0.48%高と小幅ながら上昇して終えた。週間では5週続伸となった。

米株価指数の動向:9月5日

米株価指数の動向:9月5日

ブルームバーグのデータで作成

焦点は8月CPI、スタグフレーション懸念の株安警戒

高まる利下げ期待は米国株の下支え要因である。しかし、この期待以上に景気不安の方が強く意識される場合は、米国株の下落を警戒したい。

今週、その要因になり得るのが、8月の米インフレ指標である。10日に生産者物価指数(PPI)、11日に消費者物価指数(CPI)が発表される。市場参加者の関心が高いのはCPIの方である。ブルームバーグがまとめた市場予想では、総合指数が前月比と前年同月比でともに7月より上昇する見通しである。コア指数も7月から横ばい予想にあり、インフレの粘着性が示される可能性がある。

米労働市場の減速懸念は景気不安につながる。この状況で、8月CPIがインフレの粘着性を示唆する場合は、スタグフレーションの懸念を強める要因となろう。8月PPIも含め、インフレの粘着性が示される場合は、米株安を想定したい。

米国の消費者物価指数(CPI):過去1年間の動向

米国の消費者物価指数(CPI):過去1年間の動向

ブルームバーグのデータで作成 / 赤棒グラフとドット:8月予想(レポート掲載時点)


米国テク株100の見通しとテクニカル分析

予想レンジの上限:24100
現在の米国株は、FRBの利下げ期待と金利を意識する状況にある。これらの材料で大きく動く可能性があるのが、ハイテク株でありナスダック100指数である。

ナスダック100を原資産とする株価指数CFD「米国テク株100」のトレンドを日足チャートで確認すると、23000~24000のレンジで売り買いが交錯している。

今週は8月米CPIの他、12日に9月のミシガン大学消費者態度指数速報値も発表される。ブルームバーグがまとめた予想は58.0。8月CPIでインフレの抑制が確認され、9月ミシガン大学消費者態度指数で消費者マインドの改善が示される場合は、米国株の押し上げ要因となろう。利下げ期待も重なり、米国テク株100は下にまとめたレジスタンスラインの攻防に注目したい。

週間の予想レンジの上限は24100を想定したい。このラインを目指すサインとして9月5日の高値水準23864、心理的節目のライン24000、フィボナッチ・エクステンション100%の水準24051の攻防に注目したい。
1時間足チャートに示したフィボナッチ・リトレースメントの突破は、5日の高値23864をトライするサインと捉えたい。

レジスタンスライン
・24100:週間の予想レンジの上限(1時間足)
・24051:フィボナッチ・エクステンション100%(1時間足)
・24000:心理的節目のライン(1時間足)
・23864:9/5高値水準(日足)

予想レンジの下限:23000
米CPIでインフレの粘着性が示される場合は、スタグフレーション懸念による株安を警戒したい。消費者マインドが予想外に低下する場合も、株安要因になり得る。

今週、米国テク株100が下値をトライする局面では、以下にまとめたサポートラインの攻防に注目したい。週間の予想レンジの下限は23000ラインを想定。7月下旬以降、何度かサポートラインとして意識される局面が見られる。先週2日の下落も止めた経緯がある。テクニカルの面では、8月の高値と安値のフィボナッチ・リトレースメント76.4%戻し(22975)に当たる。

米国テク株100が23000のラインを目指すサインとして、日足チャートのフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。38.2%戻しは基準線と、半値戻しは50日線とそれぞれ交差している。61.8%戻しの23165の下方ブレイクは、23000ラインをトライするサインとなろう。

米国テク株100はボラティリティが拡大しやすい。筆者の想定を超える下落で23000ラインを下方ブレイクする場合は、89日線を視野に下落幅の拡大を想定したい。この移動平均線は現在、22730台で推移している。

サポートライン:日足チャート
・23470:38.2%戻し、基準線
・23318:半値戻し、50日線
・23165:61.8%戻し
・23000:週間の予想レンジの下限、76.4%戻し
・22732:89日線


米国テク株100の日足チャート:今年7月以降

米国テク株100の日足チャート:今年7月以降

出典:IG / TradingView

米国テク株100の1時間足チャート:9月以降

米国テク株100の1時間足チャート:9月以降

出典:IG / TradingView


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