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原油価格、再び下落 WTIが一時86ドル イラン和平合意間近?

WTIは86ドル台まで下落。米国とイランの和平協議進展への期待が材料視された。ホルムズ海峡封鎖の緩和の兆しもみられている。

出所:Adobe Images

原油価格が下落している。原油先物市場の指標価格であるWTI(5月渡し)は14日のニューヨーク市場の終値で前日比8%近い値下がり。日本時間15日朝には一時、1バレル=86ドル台まで急落する場面もあった。アメリカのドナルド・トランプ大統領がイランとの和平協議が2日以内に再開される可能性に言及したことに加え、イランの核開発をめぐる対立も条件交渉に入っているもようであることが、石油の重要通商ルートであるホルムズ海峡の封鎖が緩和されていくとの期待につながった。ただ、和平協議が再開されたとしても、合意に達することができるかどうかは不透明。原油価格がイラン戦争開始前の水準に戻る可能性は低いとみられ、原油価格の今後の見通しをめぐっては、高止まりが続く展開が想定されそうだ。

WTIは14日終値で7.87%安の急落 15日には一時86.96ドルも

WTI(5月渡し、WTI原油)は日本時間15日午前12時46分段階で1バレル=91.08ドルで取引されている。ブルームバーグによると、14日のニューヨーク市場の終値は前日比7.87%安の91.28ドル。さらに日本時間の15日午前8時台には86.96ドルまで値下がりする場面もあった。

WTIの価格と主な出来事のグラフ

トランプ氏が2日以内の和平協議再開に言及 20隻がホルムズ海峡通過か

原油価格を下落させたのは米国とイランの和平協議への期待だ。トランプ氏は14日、米紙ニューヨーク・ポストとのインタビューで、イランとの和平協議が「今後2日間のうちに始まる可能性がある」と言及。合意に失敗した11日から12日にかけてパキスタンで行われた協議が再開されるとの見方を示した。米紙ニューヨーク・タイムズによると、意見の隔たりが大きいイランの核開発の扱いをめぐっては、米国がイランに対して核関連活動の「20年間停止」を求めている一方、イラン側は「最大5年間停止」を提示しているという。双方が条件のすり合わせに入っているとみることができ、合意の可能性を感じさせる内容だ。

こうした中、ホルムズ海峡の封鎖についても緩和の兆しが出ている。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は日本時間15日朝、米政府高官の話として、「直近の24時間で20隻以上の民間船舶がホルムズ海峡を通過した」と報じた。米中央軍は13日から、イランの港を出入りする船舶の航行を阻止する海上封鎖に乗り出す一方、イランの港と関係がない船舶については通過を認めるとしている。

トランプ氏はイランの核開発阻止にこだわり 原油価格は高止まりの見通し

ただ、和平協議が実際に再開されたとしても、双方の歩み寄りが実現するかは見通せない。トランプ氏はニューヨーク・ポストとのインタビューで、イランの核関連活動の20年間停止という案について「気に入らない」と発言。イランに核兵器を持たせないとする主張へのこだわりをみせた。核活動の停止での合意であれば、イラン政府が国民に対して「勝利」だと説明できる妥協点になりえるとの見方についても、「イランが勝った気分になって欲しくない」と述べている。

また和平合意への期待が高まる中でも、原油先物市場は原油高の長期化を見越しているようだ。ブルームバーグのデータで、WTIの価格を受け渡し期日別にみると、12月渡しの価格の14日のニューヨーク市場の終値は前日比2.07%安の1バレル=75.74ドル。5月渡しが8%近い急落になったことと比べて、小幅な値下がりとなった。仮にホルムズ海峡封鎖が解除されたとしても、産油国の原油生産がすぐに回復するわけではなく、供給不足が中長期的な原油高につながるとみられている。

WTIの期日別価格の推移のグラフ

ブルームバーグによると、中東産原油の実際の需給バランスが反映される指標であるドバイ原油の14日のスポット価格は1バレル=103.15ドル。イスラエルと米国によるイラン攻撃の前日にあたる2月27日比で44.81%高となっており、原油供給が需要に対して落ち込むことが原油価格の高止まりに続くシナリオを感じさせている。

ドバイ原油とWTI翌月渡しの価格n推移のグラフ

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