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原油価格、急騰105ドル台 WTI一時10%上昇 ホルムズ海峡リスク

WTI(5月渡し)は一時105ドル台。米国がイランの船のホルムズ海峡通過阻止に乗り出したためだ。イラン側も強硬姿勢を続けている。

原油価格、急騰105ドル台 WTI一時10%上昇 ホルムズ海峡リスク 出所:Adobe Images

原油価格が急騰した。原油先物市場の指標価格であるWTI(5月渡し)は日本時間13日午前の取引で1バレル=105ドル台を記録。前週末のニューヨーク市場終値との比較で10%超の値上がりとなった。注目されたアメリカとイランの和平協議が合意に至らず、ドナルド・トランプ大統領がホルムズ海峡を通じたイランの交易を阻止する考えを示したためだ。米国とイランの対立激化は中東からの原油供給途絶の長期化を予想させ、投資家の見通しへの不安を高めた。一方、米国とイランが7日に合意した停戦期間はあと1週間あまり残されており、WTIの価格は停戦合意前よりは安い水準を維持している。トランプ氏もいずれはイランから譲歩が示されるとの期待をつないでいるもようだ。ただ、イラン側は米国に対する強硬姿勢を崩しておらず、原油価格がさらに急騰する可能性も残されている。

WTIは一時105.63ドル 前週末終値から10.60%上昇

WTI(5月渡し、WTI原油)は日本時間13日午前10時39分段階で1バレル=104.10ドルで取引されている。ブルームバーグによると、午前8時38分には105.63ドルをつけ、前週末のニューヨーク市場終値との比較では10.60%高となった。WTIは米国とイランの停戦合意が伝わった日本時間8日午前には91.05ドルまで下落する場面もあったが、再び上昇基調に転じた形だ。

WTIの価格の推移と主な出来事のグラフ

米国とイランは和平合意に失敗 トランプ氏がイランに対する海上封鎖を表明

原油価格を急騰させたのは週末の米国とイランの和平協議への失望だ。両国は11日から12日にかけてパキスタンで協議を行ったものの、合意に失敗。米国の交渉団を率いたJDヴァンス副大統領は12日の記者会見で「イランは我々の要求を受け入れない選択をした」と述べ、イランから核兵器を保有しないとの確約を得られなかったと説明した。

また原油価格への上昇圧力は、トランプ氏の強硬姿勢でさらに高まった。トランプ氏は米国東部時間12日午前11時台、自身のSNSトゥルースソーシャルへの投稿で、「ホルムズ海峡を出入りするすべての船舶の航行を阻止する」と表明。米中央軍は12日、米国東部時間13日午前10時(日本時間13日午後11時)から、イランの港を出入りする船舶を対象とした海上封鎖を行うと発表した。米中央軍はイラン以外の港を出入りする船舶の通航は妨げないとしている。

原油の先高観が再燃 WTIは10月渡しでも80ドル超え

イランに対する海上封鎖を仕掛けたトランプ氏には、イランがホルムズ海峡を封鎖しつつ、自国の船舶の海峡通過は認めることで原油輸出による資金獲得を続けているとの見方がありそうだ。石油の重要通商ルートであるホルムズ海峡の封鎖がさらに厳しい形で長引く事態は、原油高の長期化を連想させる展開。ブルームバーグのデータでWTIの価格を受け渡し期日別にみると、13日の取引では10月渡しの価格が一時、1バレル=80ドルを超え、3月31日以来の高値水準となった。

WTIの期日別の値動きのグラフ

トランプ氏は和平協議再開に期待 双方の強硬姿勢で原油価格のさらなる上昇も

一方、米国とイランが7日に合意した2週間の停戦の期限までにはあと1週間あまりの時間がある。足元のWTI(5月渡し)の価格は7日につけた117.63ドルよりは大幅に安い水準で、投資家の間には、一旦は交戦激化を回避した米国とイランが改めて歩み寄りの姿勢をみせるとの期待もあるようだ。ブルームバーグによると、トランプ氏は12日の米FOXニュースでのインタビューで、イランはいずれは米国の要求をすべて受け入れるとの見方を示し、核開発をめぐる問題についても「交渉の場に戻ってくる」と述べた。

ただ、現段階ではイラン側から態度を軟化させる兆しはみえてこない。イランの交渉団を率いたモハンマド・バゲル・ガリバフ国会議長は日本時間13日午前5時台、SNSのXへの投稿で、ホワイトハウス周辺のガソリン価格を示した航空写真の画像を添付したうえで、「今のガソリン価格を楽しむがいい」と述べ、米国による海上封鎖によってガソリン価格はさらに上昇するとの見方を示した。

米国とイランがともにホルムズ海峡をめぐるリスクを高める言動を示す中、原油先物市場での原油価格の先高観は今後も続いていきそうだ。停戦期間中であっても、双方が相手の譲歩を引き出すために外交上や軍事上での圧力を強めることも想定され、WTIがさらに急騰する余地が残されている。


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