ドル円予想 (7/17):ドル乱高下、FRB議長解任報道で 146-149円予想
パウエルFRB議長の解任報道を受け、16日NY時間に米ドルが一時急落した。しかし米ドルは反発地合いにある。円安の圧力も根強い。ドル円の下落局面では押し目買いを考えたい。今日の見通しと注目のテクニカルラインについてIG証券のアナリストが分かりやすく解説。

要点
・パウエルFRB議長の解任報道を受け、16日の外為市場で米ドル一時急落
・米ドルの反発地合いと根強い円安がドル円を下支えしよう
・ドル円 今日の予想レンジ:146.00-149.00
パウエルFRB議長の解任報道でドル乱高下
16日のNY外為市場で米ドルが急落する局面が見られた。
米CBSテレビは16日、トランプ米大統領が共和党議員との会合で米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の解任に言及したと報道。外為市場では米ドルが主要通貨に対して一時急落した。トランプ米大統領が解任について「可能性は低い」と述べたことでドルは急反発する乱高下となった。
149円手前で推移していたドル円(USD/JPY)は一時147円を下抜ける局面が見られた。IG証券の取引プラットフォームでは安値146.912を付ける局面が見られた。
ドル円のチャート:5分足 16日21時~17日7時

出所:IGチャート
3つの市場の変調、ドル円は強気地合いを維持か
次期FRB議長の人事を巡る報道は今後も予想される。トランプ米大統領が利下げを志向していることを考慮すると、次期FRB議長はトランプ氏の意向に沿った人選となることが予想される。昨日の米ドルの反応を考慮すると、FRB議長の人事に関する報道は米ドル安の要因として警戒したい。
しかしドル円(USD/JPY)は、米ドル安に直面しても底堅さを維持すると筆者は想定している。そう考える理由は、14日のIG週間為替レポートと16日のIG米国レポートで取り上げた市場の変調である。次期FRB議長の人事を巡る報道や経済指標が米ドル安の要因となる場合は、ドル円の押し目買いを考えたい。
変調1:「関税懸念→米ドル安」のトレンドに変化の兆しが見られること
変調2:参議院選挙の不透明感で国内金利の上昇→円安の基調にあること
変調3:9月の米利下げ期待が後退していること
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ドル円 今日の見通しとテクニカル分析
予想レンジの下限:147.00
今日は米国の6月小売売上と週間の新規失業保険申請件数がある。これら経済指標が市場予想を下回る場合は米ドル安の要因になり得る。
本日、ドル円(USD/JPY)が下値をトライする場合は、以下にまとめたサポートラインの攻防に注目したい。
サポートラインへ転換する兆しが見られる147.00レベルを今日の予想レンジの下限と想定したい。このラインは、直近の高値と安値のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる。また、146.90レベルには10日線が上昇している。上述したとおり146.90レベルは、昨日の急落を止めた水準でもある。
筆者の想定を超える米売りや円の買い戻しでドル円が147円を下方ブレイクする場合は、同じくサポート転換の兆しが見られる146.00レベルを視野に下落幅の拡大を警戒したい。1時間足のフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準146.56レベルの下方ブレイクは、146.00トライのサインと考えたい。
サポートライン
・147.46:半値戻し(1時間足)
・147.06:予想レンジの下限、61.8%戻し(1時間足)
・146.90:7月16日の安値レベル、10日線(日足)
・146.56:76.4%戻し(1時間足)
・146.00:サポートライン(日足)
予想レンジの上限:149.00レベル
ドル円(USD/JPY)が強気地合いを維持するか、上記のサポートラインで反発する場合は、以下にまとめたレジスタンスラインの攻防に注目したい。
今日の予想レンジの上限は149.00レベル。このラインを試すサインとして、3つのフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。半値戻しと61.8%戻しは、昨日のNY時間の反発を止めた経緯がある。76.4%戻しはレジスタンスラインへ転換する兆しが見られる。
ドル円が149.00レベルを突破しても、昨日の高値149.18レベルで二度上値が止められる場合は、戻り売りを想定したい。
レジスタンスライン
・149.18:7月16日の高値(1時間足)
・149.00:予想レンジの上限(日足)
・148.64:76.4%戻し(1時間足)
・148.31:61.8%戻し(1時間足)
・148.04:半値戻し(1時間足)
ドル円の日足チャート:今年3月以降

出所:TradingView
ドル円の1時間足チャート:7月10日以降

出所:TradingView
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