ドル円 週間見通し(2/2週):米ドル高予想、FRB議長人事の影響と雇用統計に注目
IG証券のアナリストによるドル円の週間見通し。次期FRB議長にウォーシュ氏指名。今週は米ドル高優勢か。雇用指標次第で米ドル買い進行も。ドル円の週間予想レンジは152.50~157.50。
要点
- トランプ米大統領は次期FRB議長にウォーシュ氏を指名。1月30日の外為市場はG10通貨で米ドル高の展開となった。議長人事を巡る米ドルの反応に注目
- 今週は雇用指標も焦点に。1月の雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比6.8万人増、失業率が4.4%の予想。労働市場の堅調さが確認される場合は「利下げ期待の後退→米ドル買い」を想定
- ドル円の週間予想レンジは152.50~157.50。上値トライの局面では13週線(156.00)の攻防に注目。米ドル高と円安が重なれば157円台視野に上昇拡大も。一方、下値を目指す場合は26週線の維持が焦点に
為替介入なしで160円突破阻止も円安警戒の状況が続く
財務省が1月30日に公表した2025年12月29日から2026年1月28日までの介入実績で、過去1カ月間に行われた為替介入額がゼロだったことが判明した。円買い介入に踏み切ることなく、160円の突破を阻止したことは、ひとまず政府・日銀の対応が奏功したと言える。
しかし、円高の圧力は次第に後退している。先週はオセアニア通貨とスイスフランで円安優勢となった。衆院選で与党勝利の見通しが強まれば、高市政権の積極財政路線の継続を意識した円安が再燃する可能性がある。特にドル円(USD/JPY)は、米ドルの動向次第で157円を視野に急反発する可能性がある。
円相場の動向:1月26日~30日、対G10通貨
ブルームバーグの為替データを基に作成
今週は米ドル高優勢か、ウォーシュ氏指名の反応を注視
米連邦準備制度理事会(FRB)の議長を巡る人事で新たな動きが見られた。トランプ米大統領は30日、元FRB理事のケビン・ウォーシュ氏を次期FRB議長に指名した。
ウォーシュ氏は2008年の金融危機時にFRB理事としてリーマン・ショックの対応に当たった経験を持つ。ウォール街からの信認も厚い。政策については、過去に量的緩和(QE)批判のタカ派として知られた。しかし最近では、AIによる生産性向上がディスインフレ要因となるとし、バランスシート縮小と利下げを組み合わせるべきとの考えを示している。
候補者の中では「タカ派寄り」との見方もあるウォーシュ氏の指名を受け、30日の外為市場は主要通貨(G10通貨)で米ドル高の展開となった(下のチャートを参照)。ドル指数(DXY)は96ポイントのラインで急反発し、日足ローソク足には長い下ヒゲが示現。米ドル安トレンドがひとまず終息する可能性を示唆した。
米ドルとドル指数の動向:1月30日、対G10通貨
ブルームバーグの為替データで作成
次期FRB議長の候補者の中にはトランプ政権寄りのハト派もおり、そうした人物が就任すればFRBの独立性が損なわれるとの懸念が市場でくすぶっていた。
ウォーシュ氏も利下げを支持すると思われる。しかし、前述の通り候補者の中では「タカ派寄り」との見方もあり、大幅な利下げには慎重な姿勢を示すことが予想される。30日の外為市場が米ドル買いで反応したこと、そしてNY金先物価格(4月物)が前日比600ドル超(11%)急落したことは、「米ドル不信」がひとまず和らぐ可能性を示唆した。
雇用指標次第で今週の外為市場は、米ドル高優勢を想定したい。
雇用指標も米ドルの変動要因に、6日の雇用統計に注目
米連邦準備理事会(FRB)は1月28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置いた。声明では足元の経済活動について「堅調なペースの拡大(at a solid pace)」と評価し、前回の「緩やかなペース(at a moderate pace)」から上方修正した。
雇用については、失業率に安定化の兆しがある(the unemployment rate has shown some signs of stabilization)とし、雇用の下振れリスク(downside risks to employment )についての記述を削除した。
今週は雇用関連の指標が相次ぐ。FOMC声明の文言が修正された状況で労働市場の堅調さを示す内容が続けば、今週の外為市場は米ドル高の展開が予想される。
今週の米雇用関連指標
ブルームバーグ、公開情報を基に作成
市場参加者の注目度が最も高いのが、6日の1月雇用統計だ。
ブルームバーグがまとめた非農業部門雇用者数の予想は6.8万人(前月比)。失業率は4.4%で12月から横ばいが見込まれている。
ウォーシュ氏が次期FRB議長に指名されたタイミングで雇用市場の堅調さを示す内容となれば、「利下げ期待の後退→米ドル買い」を想定したい。雇用統計前の指標でも労働市場の堅調さを示す内容が続けば、米ドルを買い戻す勢いが増すだろう。
米雇用統計 各項目の動向:過去1年間
ブルームバーグのデータを基に作成 / 赤棒グラフ・ドット:1月予想
ドル円の週間展望とテクニカル分析
13週線突破なら157円台が視野に
今週の外為市場で米ドルの買い戻しが進行する場合、ドル円(USD/JPY)は以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。
最初の焦点は、156.00レベルで推移している13週線の攻防だ。155.00レベル、レジスタンスラインに転換する可能性がある155.50レベルの突破は、13週線をトライするサインとなろう。
ドル円が13週線を突破すれば、157円を視野に上昇拡大を予想する。フィボナッチ・リトレースメント61.8%(156.50)の突破は、157円台をトライするサインと捉えたい。
冒頭で述べたとおり、円高圧力の後退で一部のクロス円は再び円安へ振れている。円安と米ドル高が重なる場合、ドル円は157円台の攻防を意識したい。テクニカル面ではフィボナッチ・リトレースメント76.4%(157.54)の攻防が焦点となろう。下の水準157.50を今週の上限と予想する。
注目のチャート
・157.50:上限予想(4時間足チャート)、76.4%戻し(157.54)
・156.50:61.8%戻し(4時間足チャート)
・156.00:13週線(週足チャート)
・155.50:レジスタンス転換の可能性あり(4時間足チャート)
・155.00:レジスタンスライン(4時間足チャート)
※移動平均線の水準:1月30日時点
下値の焦点は26週線の維持
米雇用関連の経済指標で労働市場の軟化を示す内容が続けば、米ドル安を想定したい。介入警戒感で円高の流れも続けば、ドル円(USD/JPY)は154.00、153.00と1円レンジでの攻防で新たなサポートラインを見極める展開となろう。
注目は152円の維持だ。週足のローソク足では先週、152.00をトライする局面で長い下ヒゲが示現した。テクニカル面では26週線が意識された。今後も重要なサポートライン(水準)として意識されるサインと捉えたい。
ドル円は変動拡大の傾向にある。ゆえに下値を目指す場合、目先は152円の維持が最大の焦点となろう。26週線が推移している152.50レベルを今週の下限と予想する。この移動平均線を下方ブレイクする場合は、152.00のラインをトライするサインと考えたい。
注目のチャート
・154.00:サポートライン
・153.00:サポートライン
・152.50:下限予想、26週線(週足チャート)
・152.00:重要サポートライン(週足チャート)
※移動平均線の水準:1月30日時点
ドル円の週足チャート:2024年以降
TradingView提供のチャート
ドル円の4時間足チャート:昨年12月以降
TradingView提供のチャート
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