テスラ、株価5%超下落 総収入減速 2026年前半まで業績不振か
テスラの4-6月期決算は市場予想を下回った。低価格な新型車にも具体的な進展はなく、株価は時間外取引で5%超下落した。

電気自動車(EV)大手のテスラが23日の取引時間終了後に発表した2025年4-6月期決算は好材料を提供できなかった。総収入の伸び率が前年同期比約12%のマイナスとなり、前四半期(1-3月期)から減速のペースが悪化。利益面でも投資家の期待に応えらなかった。不振が続く販売台数の復活に向けたカギを握る低価格な新型車も具体的な進展がみられず、期待は後退している。23日の時間外取引ではテスラの株価が5%超安の水準で取引された。イーロン・マスクCEOは決算会見で、2026年前半まで厳しい状況が続く可能性を示唆。一方、2026年後半には自動運転技術を本格展開するとの見通しも示しているが、当面の間は株価への下落圧力が強まりそうだ。
テスラの2025年4-6月期決算は総収入と利益がともに市場予想割れ
テスラの4-6月期決算は総収入が前年同期比11.8%減の224.96億ドル。下落率は前四半期の9.2%減よりも大きくなった。また調整ベースの1株当たり利益(EPS)は23.1%減の0.40ドルだった。ブルームバーグがまとめた直前の事前予想は、総収入が226.40億ドル、1株当たり利益が0.42ドル。発表された結果はいずれも市場予想を下回る悪い内容だった。

テスラの業績を事業部門別にみると、自動車事業の収入が前年同期比16.2%減の166.61億ドル。大型蓄電池などのエネルギー関連事業が7.5%減の27.8億ドルだった。中古車販売やメンテナンスなどのサービス事業は16.8%増の30.4億ドルと健闘したものの、総収入の4分の3を占める自動車事業の不振を穴埋めするには至っていない。

低価格な新型車は年内投入も新規性は乏しい? 株価は時間外取引で5%超安
またテスラは決算発表資料の中で「より低価格な新型車」について、2025年の投入が計画されているとした。ただ、マスク氏は23日の決算会見で、より低価格な新型車の外観について「ただのモデルYだ」とも言及。実際に投入されたとしても新規性に乏しい商品になる可能性をにじませた。デスラはこの新型車について2025年前半から生産が始まっているとも説明しているが、台数や価格などは明らかにしていない。
こうした発表内容を受けて、テスラの株価(TSLA)は23日の時間外取引で下落。ブルームバーグによると、一時は315ドル程度まで値下がりし、直近の終値(332.56ドル)から5%超の下落となった。
EV購入補助金終了や排出規制緩和は逆風 マスク氏は「厳しい業績」を警告
テスラの業績をめぐっては今後も逆風が強まると見込まれる。7月4日に成立した減税関連法案はEV購入時の7500ドルの補助金を9月末で打ち切ること決定。さらに自動車の排出ガス規制の緩和も盛り込まれており、テスラが他の自動車メーカーに売却している温暖化ガス排出枠による収入の減少も予想されるからだ。マスク氏は決算会見で「おそらく今後の数四半期は厳しい業績になるだろう」と言及。この厳しさは2026年4-6月期まで続く可能性があるとの見方を示した。
一方、テスラは6月にテキサス州オースティンで始めた自動運転タクシー「ロボタクシー」の営業範囲の拡大を進める方針。カリフォルニア州やネバダ州、フロリダ州での展開を見据えている。現在は安全確保のためのドライバーが助手席に座っての運行だが、「次第にセーフティードライバーをなくしていく」方針だ。マスク氏は決算会見で、カメラと人工知能(AI)だけで運行される自動運転技術について、「2026年後半」には大規模な運用が始まるとの見方を示している。
ただ、既存のEV販売を主とした自動車事業の利益が縮小すれば、技術革新のために投じる資金も限定されていく可能性がある。さらに完全な自動運転の実現には規制当局の認可も必要で、6月に決定的となったマスク氏とドナルド・トランプ大統領の決別も逆風として働きかねない。テスラは4-6月期決算発表で目立った好材料を発信できなかったといえ、株価の上昇への期待は大きく後退したといえそうだ。
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