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米国株、上昇急減速 S&P500に指標と決算の壁 エヌビディア2%安

S&P500は28日に0.06%高。5連騰ながらほぼ横ばいだった。雇用や経済成長、物価をめぐる経済指標と大手ハイテク決算を控えた緊張感は高い。

米国株、上昇急減速 S&P500に指標と決算の壁 エヌビディア2%安 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場の上昇に壁が立ちはだかった。S&P500種株価指数の28日の終値は前週末比0.06%高。5営業日続伸とはいえ、ほぼ横ばいといえる値動きに終わった。半導体大手NVIDIA(エヌビディア)は2%超安となっており、大手ハイテク株の同時連騰記録は4でストップしている。株式市場ではドナルド・トランプ大統領の中国に対する強硬姿勢への懸念が根強く、投資家不安の落ち着きは進まなかった。また、S&P500の上昇減速の背景には、5月2日までの週内に雇用や経済成長、物価をめぐる経済指標が相次いで発表されるという事情もある。中でも米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しを左右する物価指標の結果は、S&P500を上下に揺らす可能性がありそうだ。また4月30日と5月1日に予定される大手ハイテク企業の決算発表も投資家心理を揺らすおそれがあり、株式市場の緊張感は高い。

アメリカのS&P500は0.06%高 半値戻しを前に上昇急減速

S&P500(SPX)の28日の終値は5528.75。5営業日続伸は、トランプ氏の大統領選挙での勝利後の人事発表などが好材料視されていた2024年11月26日までの7営業日続伸以来だ。ただ、上昇率は極わずかで、直前までの4連騰で記録した7.12%高から勢いが止まった。2月19日から4月8日にかけての下落分の半値戻しを前に足踏みしたといえる。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

エヌビディアは2%安 大手ハイテク7社の連騰記録は4でストップ

28日はS&P500への影響度が高い「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手ハイテク7社の同時連騰記録もストップした。中でもエヌビディアの株価(NVDA)は前週末比2.05%安と大きく下落。米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が27日に中国の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)がエヌビディア製品との競合を目指した高性能半導体の開発を進めていると報じたことが悪材料視された。このほか、アルファベット(GOOGL)やアマゾン・コム(AMZN)、マイクロソフト(MSFT)が値下がりし、7社そろっての上昇は5営業日ぶりに途絶えた。

エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、アルファベット、アマゾン・コム、テスラ、アップル、マイクロソフトの株価の推移のグラフ

米中対立への警戒続く ベッセント氏、緊張緩和は「中国次第」

株式市場の見通しは引き続き、トランプ政権の対中強硬姿勢への警戒で揺れている。スコット・ベッセント財務長官は28日、米CNBCでのインタビューで米中が互いに高関税をかけあう現状は持続可能ではなく、中国は関係修復を求めていると強調。同時に中国から米国への輸出は、米国から中国への輸出よりもはるかに多いことや、中国は企業に対する補助金で輸出を後押ししていることなどに言及し、「緊張が緩和するかどうかは中国次第だ」と述べた。一方、中国は米国製品にかける125%の関税について一部の品目を例外扱いにしつつも米国との交渉は否定していると報じられており、対立解消の道筋がついたわけではない。

こうした中、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)は28日に5営業日ぶりに上昇した。シカゴ・オプション取引所によると、VIX指数の28日の終値は前週末比1.25%高の25.15。21営業日連続で20を超える水準で推移している。VIXはS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいほど、今後の値動きが激しくなることへの警戒が強いことを示す。

VIXとS&P500の推移のグラフ

重要経済指標の発表相次ぐ 1-3月期の実質成長率は急減速の見通し

S&P500の急激な値動きへ警戒が緩まない背景には、29日以降に重要な経済指標の発表が相次ぐこともある。29日には非農業部門の求人件数が注目点となる3月の雇用動態調査(JOLTS)、30日には2024年1-3月期GDP速報値と個人消費支出(PCE)物価指数が発表される。さらに5月1日には米サプライマネジメント協会(ISM)による4月の製造業景況感指数(PMI)の発表、2日には労働省の4月雇用統計の発表が続く。

こうした中、1-3月GDP速報値では実質成長率が急低下する見通しだ。ブルームバーグがまとめた市場予想では、実質成長率は前期比年率換算0.3%となり、2024年10-12月期の2.4%から大きくペースダウンすると見込まれている。1-3月期の個人消費の伸び率は前期比年率1.2%との予想で、10-12月期の4.0%からは大きく見劣りする結果となりそうだ。発表される数値が予想を下回れば、S&P500にとっては下押し圧力となる。

アメリカの実質GDP成長率と各項目の寄与度の推移のグラフ

PCE物価指数が物価上昇鎮静化を示せばS&P500の上昇加速も

また30日に発表される1-3月期と3月単月のPCE物価指数の動向はFRBの利下げ見通しを左右する可能性がある。ブルームバーグがまとめた市場予想では、1-3月期のPCE物価指数の食品とエネルギーを除いたコア指数の伸び率は前期比年率3.2%の予想。また3月単月のPCE物価指数は、総合指数の伸び率が前年同期比2.2%、コア指数の伸び率が2.6%と見込まれている。物価上昇率が予想を超えた場合は、FRBの利下げが難しくなるとの見方からS&P500が下落する要因になりそうだ。逆に、物価上昇の鎮静化が進んでいるとみなされた場合には、FRBの利下げへの期待がS&P500の上昇を勢いづかせることも考えられる。

アメリカのPCE物価指数の伸び率(四半期、月次)の推移のグラフ

同時にS&P500の今後の見通しをめぐっては、大手ハイテク企業の1-3月期決算発表の重要度も高い。4月30日にはメタ・プラットフォームズMETA)とマイクロソフト、5月1日にはアマゾン・コムAMZN)とアップルAAPL)が取引時間終了後に決算会見を開く予定だ。各社はいずれもトランプ政権の高関税政策や中国との対決姿勢がもたらした経済の見通し不透明感の悪影響を受けている可能性があり、投資家の期待を裏切る発表内容となれば、S&P500にとって下落要因となる。


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