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米国株、上昇期待つなぐ S&P500半値戻し 雇用統計の見通しは?

S&P500は7営業日続伸。3年ぶりのマイナス成長への不安を物価上昇減速への好感が打ち消した。2日発表の雇用統計でも値動きが大きくなる可能性がある。

米国株、上昇期待つなぐ S&P500半値戻し 雇用統計の見通しは? 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場が値上がりへの期待をつないでいる。S&P500の4月30日の終値は前日比0.15%高。7営業日続伸で、2月中旬から4月上旬にかけての下落幅の半分を取り戻した。朝方に発表された2025年1-3月期GDPは3年ぶりのマイナス成長となったものの、3月の個人消費支出(PCE)物価指数の伸び率で4月からの物価上昇減速が確認され、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げの障害にはならなかったことが好感された。また、取引時間終了後に発表されたメタ・プラットフォームズとマイクロソフトの1-3月期決算も期待を上回る結果で、株式市場に明るい材料を提供している。ただ、ドナルド・トランプ大統領がもたらした経済の混乱が不安要因であることには変わりない。2日発表の4月雇用統計は堅調な結果となる見通しだが、発表内容次第ではS&P500が大きく揺れる可能性もある。

アメリカのS&P500は7日続伸 2月中旬から4月上旬の下落幅の半値戻しを達成

S&P500(SPX)の30日の終値は5569.06。22日からの7営業日続伸での伸び率は7.97%に達した。7営業日続伸はトランプ氏の大統領選挙での勝利後の人事発表などが好感されていた2024年11月18-26日以来。S&P500は2月19日の最高値(6144.15)から直近の安値にあたる4月8日の4982.77まで1161ポイント値下がりしていたが、30日の終値はこの下落分の50.5%を取り戻す水準となった。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

米国経済混乱 1-3月期の実質成長率は3年ぶりのマイナスに

30日の取引では悪材料と好材料が重なった。朝方に発表された1-3月期GDP速報値は、実質成長率が前期比年率換算でマイナス0.3%となり、2022年1-3月期(マイナス1.0%)以来のマイナス成長。トランプ氏の高関税政策への警戒から駆け込みでの輸入が急増し、成長率を5%ポイント押し下げたことが要因だ。同時に個人消費は1.8%増に留まり、2024年10-12月期の4.0%から減速。米国経済の混乱ぶりを示す結果を受け、S&P500は一時、前日終値比2.27%安まで値下がりした。

アメリカの実質GDP成長率の推移のグラフ

3月PCE物価指数はFRB利下げの障害にはならず 大手ハイテク決算も好材料に

一方、午前10時に発表された3月のPCE物価指数は総合指数の伸び率が前年同月比2.3%。ブルームバーグがまとめた市場予想の2.2%を上回ったものの、2月の2.7%からは物価上昇が減速する結果だった。食品とエネルギーを除いたコア指数の伸び率は市場予想通りの2.6%で、やはり2月の3.0%から物価上昇がペースダウンしている。金融市場ではFRBの利下げを妨げない結果だとの受け止められたもようで、S&P500は値上がりに転じていった。CMEグループのデータによると、FRBの年内の利下げ回数が4回になることについて投資家の動向から算出される確率は日本時間5月1日午前11時の段階で約74%。前日朝の71%から、利下げ見通しがやや強まっている。

アメリカのPCE物価指数の伸び率の推移のグラフ

また、30日の取引時間終了後に発表された大手ハイテク企業の決算も株式市場では前向きに受け止められている。メタとマイクロソフトの1-3月期決算はいずれも、総収入と1株当たり利益(EPS)が市場見通しを上回る結果。時間外取引ではメタ(META)の株価は30日終値比で5%高、マイクロソフト(MSFT)の株価は7%高の水準で取引された。時価総額が大きい大手ハイテク株はS&P500への影響度が大きいだけに、5月1日のS&P500の上昇への期待をもたせる値動きだといえる。

エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、アルファベット、テスラ、アマゾン・コム、アップルの株価の推移のグラフ

経済政策の見通し不透明感は続く トランプ氏、「忍耐強くあれ!」

ただ、1-3月期GDPの結果にみられるように、トランプ氏の高関税政策が企業や個人の経済活動に影響を与えていることは間違いない。トランプ氏の政策は今後も予測不能な状態が続くとみられ、投資家の不安には根強さが感じられる。シカゴ・オプション取引所によると、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)の30日の終値は前日比2.19%高の24.70。23営業日連続で20を超える水準となっている。VIX指数はS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいほど、今後の値動きが激しくなることへの警戒が強いことを示す。

VIXとS&P500の推移のグラフ

トランプ氏も金融市場市場の反応には神経を尖らせているようだ。トランプ氏は30日のGDP発表後、自身のSNSトゥルースソーシャルへの投稿で株価下落は1月19日まで政権を担ったジョー・バイデン前大統領の責任だと主張。高関税が発動されれば、企業が米国に拠点を移して経済が拡大するとし、「忍耐強くあれ!」と訴えた。

4月雇用統計は堅調な結果の見通し 下振れならば上下に値動きも

こうした中、2日午前8時30分(日本時間2日午後9時30分)に発表される4月雇用統計も投資家の思惑を揺さぶりそうだ。ブルームバーグがまとめた市場予想では、非農業部門の就業者数は前月比13.5万人増、失業率は4.2%、平均時給の伸び率は前年同月比3.9%となる見通し。注目度が高い非農業部門の就業者数は3か月平均では16.0万人増となる水準で、予想通りなら労働市場の堅調さが印象づけられそうだ。発表される結果が予想よりも下振れた場合でも、経済悪化への懸念と同時にFRBの利下げへの期待が高まる可能性もあり、S&P500が上下に揺れ動くことも考えられる。

アメリカの雇用統計(就業者数、失業率、平均時給伸び率)の推移のグラフ

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