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日経平均株価週間見通し:AI相場に失速懸念、米雇用統計で調整売り加速も

今週の日経平均株価見通し。マイクロン好決算も強気モメンタムは失速。今週の焦点は6月米雇用統計。早期の米利上げ観測が強まれば日米AI相場の調整売り要因に。株価指数CFD「日本225」の注目水準についてIG証券のアナリストが詳細に解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

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石川 順一

石川 順一

シニアマーケットアナリスト/Senior Market Analyst

作成日

要点

  • 米メモリー半導体大手マイクロン・テクノロジーの好決算を受けても、日経平均株価の強気モメンタムが失速。主力のAI関連銘柄には短期の過熱感が強まっている
  • 今週は6月米雇用統計が焦点に。FRBの早期利上げ観測が強まる場合は、日米AI相場がそろって調整売りに直面する可能性がある
  • 株価指数CFD「日本225」の週間想定レンジは6万6000円-7万2000円

マイクロン好決算の影響は限定的、AI関連銘柄に過熱感

24日米株式市場の引け後(日本時間25日早朝)に発表された米メモリー半導体大手マイクロン・テクノロジー(MU)の2026年3-5月期(第3四半期)決算は、6-8月期(第4四半期)の見通しを含めウォール街の予想を大幅に上回る内容だった。これを受け、25日の東京株式市場ではAI関連銘柄に買いが入り、日経平均株価は前日比3191.37円(4.61%)高の7万2366.34円と急騰した。

しかし、買いの勢いは続かなかった。26日は一転して前日比3005.46円(4.15%)安の6万9360.88円と大幅反落。下げ幅は歴代3番目の大きさとなった。

強気モメンタムの失速は、日経平均先物(9月限)にも表れた。マイクロン決算を起点に一時7万2600円台へ急騰したものの、27日夜間取引(大阪取引所)終値は、前日清算値と同水準の6万9610円だった。マイクロンの好決算という追い風を受けても、強気モメンタムを維持することができなかった。

日経平均先物 5分足チャート:6月24日以降

日経平均先物 5分足チャート:6月24日~27日 TradingView提供のチャート

強気モメンタムが失速した一因は、AI関連銘柄の過熱感にあると考えられる。マイクロン決算後の主力株の動向をみると、上昇した銘柄より下落した銘柄が多かった。

週間でみても、急激な買い戻しが入ったフジクラ(5803)やアドバンテスト(6857)を除き、大半が下落して終えた。

AI主力株・日経平均株価の動向

AI主力株・日経平均株価の動向 ブルームバーグの価格データで作成

28日のIG米国株レポートで指摘した通り、米AI相場には再び失速ムードが漂っている。今週米AI相場が調整売りに直面する場合は、日経平均株価の調整売り加速を警戒したい。

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その兆候は、日米のボラティリティ指数に表れている。26日時点でS&P500の予想変動率(30日間)を示すVIXは18.41と、警戒の目安とされる20を下回って推移している。

一方、ナスダック100版の恐怖指数であるVXNは30.82と、中東の地政学リスクが強く意識された3月以来の高水準にある。両者の乖離は、AI相場に対する市場参加者の警戒心が高まっていることを示唆している。

同じ構図は、日経平均株価の予想変動率を示す日経平均ボラティリティ・インデックス(日経平均VI)にも見て取れる。26日は一時45.61まで急伸する場面が見られた(チャートの水準は終値ベース)。

日経平均株価とナスダック100はいずれもAI銘柄の影響を受けやすい。相対的に落ち着いた状況にあるVIXとの乖離もまた、AI相場が調整売りに直面する可能性を示唆している。

日経平均VI、VIX、VXNの日次チャート:2026年1月以降

日経平均VI、VIX、VXNの日次チャート:2026年1月以降 ブルームバーグのデータで作成

米雇用統計を警戒、早期利上げ観測で日米AI相場に調整リスク

今週、日米AI相場のカタリストとして注視したいのが、7月2日(木)の6月米雇用統計だ。7月3日が独立記念日振替で米国市場が休場となるため、通常より前倒しで発表される。

ブルームバーグがまとめた市場予想では、非農業部門雇用者数は+11.5万人と、5月の+17.2万人から減少の見通しだが、失業率は前月から横ばいの4.3%が予想されている。また、前年同月比の平均時給は+3.4%から+3.5%への伸びが見込まれている。

米国 雇用統計各項目の動向:過去1年間

米国 雇用統計各項目の動向:過去1年間 ブルームバーグのデータで作成 / 予想:6月26日時点

米連邦準備制度理事会(FRB)は6月17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置いた。しかし、経済見通し(SEP)では、2026年のコアPCEインフレ率(中央値)が3月時点の2.7%から3.3%へ上方にシフトし、政策金利の見通し(中央値)も3.4%から3.8%へ引き上げられ、利下げ観測は完全に後退した。

足元の翌日物金利スワップ(OIS)市場では、9月会合までの利上げを約7割程度まで織り込む動きが見られる。

6月の米雇用統計で予想以上の雇用増と賃金の伸びが示される場合は、年内かつ早期の利上げ観測がさらに強まろう。米AI相場の調整売りが強まれば、その影響は3日の東京株式市場にも波及することが予想される。雇用統計前の5月JOLTS求人件数(6/30)と6月ADP雇用統計(7/1)も強い内容となれば、日米AI相場の調整売りが加速する可能性も想定しておく必要がある。

IG証券の株価指数CFD「日本225」は、以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。

米政策金利の見通し

米政策金利の見通し ブルームバーグのデータで作成 / 6月26日時点

日本225のチャート分析、週間想定レンジ6万6000円-7万2000円

日本225の日足RSIは下降に転じ、MACDもデッドクロスへと転じている。前述の日経平均VIとVXNの上昇傾向も踏まえれば、今週の日本225は調整売りを警戒したい。

日本225が下値を目指す場合、最大の焦点は6万8000円の攻防だ。フィボナッチ・リトレースメント23.6%戻しと半値戻しに加えて、25日線も重なるこの水準は、テクニカル面で重要なサポートとして意識されやすい。

日本225が6万8000円を下方ブレイクする場合は、下落拡大のサインと捉えたい。次の下値メドは、61.8%戻しにあたる6万6650円。この水準も下抜ける場合は、6月12日にサポートへ転換した6万6000円が視野に入る。この6万6000円を今週の下限と想定する。

調整売りがさらに加速し、6万6000円も下方ブレイクすれば、50日線のトライを意識したい。

注目水準:サポート
・6万8000円:23.6%、半値戻し、25日線(6万8053円)
・6万6650円:61.8%戻し
・6万6000円:下限予想
・6万5000円台:50日線(6万5233円)
※移動平均線の水準:6月26日時点

45分足RSIが売られ過ぎの水準へ低下すると反発するトレンドが見られる。今週もRSIで相場の過熱感を確認しながら、まずは、26日海外時間の反発を止めた節目水準7万円の攻防に注目したい。

7万円を突破すれば、45分足チャートの半値戻し7万1000円のトライを意識したい。さらに上の61.8%戻しの水準7万1600円の攻防を制する場合は、上限予想の7万2000円が視野に入る。

もっとも、7万2000円から76.4%戻しの7万2375円にかけてはレジスタンス転換の可能性があり、戻り売りを警戒したい。

注目水準:レジスタンス
・7万2375円:76.4%戻し
・7万2000円:上限予想
・7万1600円:61.8%戻し(7万1592円)
・7万1000円:半値戻し(7万959円)
・7万円:心理的節目の水準

日本225 日足チャート:2026年3月以降

日本225 日足チャート:2026年3月以降 TradingView提供のチャート

日本225 45分足チャート:6月下旬以降

日本225 45分足チャート:6月下旬以降 TradingView提供のチャート

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