日経平均株価の週間展望。米AI相場が底堅さを維持すれば、7万円台への反発を想定したい。注目イベントはASML・TSMCの決算と米CPI。株価指数CFD「日本225」の週間想定レンジは6万6000円〜7万2000円。
先週(7月6〜10日)の日経平均は1186円(1.7%)安で終えたが、週後半にかけてAI・半導体関連に買い戻しが広がり下げ幅を縮めた。10日の終値は前日比813円高(1.20%高)の6万8557円と続伸した。
先週は米AI相場が底堅さを維持した。インテル(INTC)の株価が週次8.73%安で終えたが、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD、7.74%高)、エヌビディア(NVDA、8.28%高)、ブロードコム(AVGO、10.96%高)など主力の半導体株は上昇した。
ハードウェア関連のサンディスク(SNDK、9.79%高)、シーゲイト・テクノロジー(STX、11.00%高)も買われ、ナスダック100は週次1.7%高となった。VXNは24.89へ急低下し、過度なAI悲観が後退したことを映した。
S&P500、ナスダック100、主力ハイテク株 週次パフォーマンス:7/6~10
今週、日経平均株価のボラティリティが拡大する要因として注目したいのが、15日のASMLホールディングスと16日のTSMC(台湾積体電路製造)の4〜6月期決算だ。AI相場の不安定化は、突き詰めれば関連企業の収益性と成長性への疑念にある。よって、市場の関心は次の四半期(7〜9月期)の見通しに集中するだろう。
ブルームバーグがまとめた7〜9月期のコンセンサス予想は、両社とも高成長・高収益を織り込む。ASMLの売上高は約103億ユーロ(前年同期比+36.7%)、売上高総利益率(粗利率)は52.5%を見込む。受注残高も約420億ユーロへ積み上がる見通しだ。
とりわけ注視したいのがTSMCの決算だ。エヌビディア(NVDA)をはじめ先端AI半導体の受託製造で圧倒的なシェアを握る同社の業績見通しは、AI需要の実態を映す信頼できるバロメーターとなる。発表は日本時間16日午後3時を予定し、その内容は東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)など日本の半導体製造装置株に直接波及しやすい。7〜9月期の売上高コンセンサスは約1兆3900億台湾ドル(前年同期比+40%)、粗利率は65.8%が見込まれている。
市場の期待に応える業績見通しが示される場合は、半導体関連株の追い風となり、日経平均株価を押し上げる要因になり得る。ただし、先月のブロードコム、先週のサムスンの決算では市場の期待の高さが露呈した。すでに好材料が織り込まれ、予想を上回るガイダンスでも「材料出尽くし」で売られる展開には警戒したい。
経済指標では14日の6月米消費者物価指数(CPI)に注目したい。12日のIG週間為替レポートで述べた通り、FRBによる年内かつ早期の利上げ観測は根強い。原油安によるインフレ鈍化が見込まれるなかでも、市場が予想する期待インフレ率(BEI)ほどには米債市場での金利低下の圧力は強まらず、2年・10年の実質金利は高止まりしている。
米実質金利の動向 日次:2026年1月以降
ブルームバーグがまとめた6月CPIの市場予想は、前年同月比が5月の4.2%から3.8%へ鈍化、食品・エネルギーを除くコア指数は2.9%と横ばい、前月比は−0.1%が見込まれる。
予想以上にインフレが抑制される結果ならば、一時的にせよ利上げ観測の後退を通じて、AI・半導体株ひいては日経平均株価の押し上げ要因となり得る。
逆にインフレ懸念を想起させる結果となれば、米実質金利の上昇を通じて米AI相場の重石となりかねない。ASML・TSMCの決算とあわせ、米CPIも今週の日経平均株価のボラティリティが拡大する要因として注視したい。
米消費者物価指数(CPI)の動向:過去1年間
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日経平均株価のトレンドを日足チャートで確認すると、先週は25日線を下方ブレイクしたものの、50日線の上で急反発した。MACDはデッドクロスへ転じているが、ゼロラインより上の水準にある。一方、RSIは50を回復している。弱気地合いが加速するムードにはない。
上述の半導体決算と6月CPIがAI相場を下支えすれば、日経平均株価は7万円台への反発が予想される。7万円台で底固めとなれば、今月1日に長い上ヒゲが示現し、レジスタンスラインとしての存在感を示した7万2000円をトライする可能性が高まろう。
一方、日経平均株価の下落局面では25日線の攻防に注目したい。この移動平均線を下抜ければ、6万6000円台へ上昇している50日線の攻防が焦点に浮上しよう。
なお、イランメディアは現地時間12日未明、同国の革命防衛隊がホルムズ海峡を再封鎖し、いかなる船舶の通航も認めないと報じた。上で取り上げた材料の他、中東の地政学リスクも引き続き日経平均株価のボラティリティ拡大要因として注視したい。
日経平均株価 日足チャート:2026年1月以降
今週の日本225(日経平均株価のCFD)は、6万6000円〜7万2000円のレンジを想定したい。
上値トライの局面でまず注目したいのが、7万円台への反発だ。25日線の上方ブレイクは、7万円台反発のサインとなろう。
7万円台の攻防では、4時間足のフィボナッチ・リトレースメント(61.8%戻しの7万450円、76.4%戻しの7万1700円)を経て、6月下旬以降、レジスタンスラインとして意識されている7万2000円への急反発が視野に入る。この水準を今週の上限と予想する。
一方、下値の焦点は、先週ローソク足の実体ベースで下落を止めた6万6000円の維持となろう。半値戻しにあたる6万8000円(日足)を再び下方ブレイクする場合は、短期サポートラインと重なる50日線の攻防に注目し、この移動平均線をも一気に下抜ける場合は、6万6000円のトライを意識したい。
筆者の想定を超える下落で6万6000円を下方ブレイクする場合は、先週の下落を止めた6万5000円を視野に、下落拡大を警戒したい。この水準は日足の76.4%戻し(6万4997円)にあたり、テクニカル面でサポートとして意識されやすい。
注目水準
■レジスタンス
・72000円:上限予想
・71700円:76.4%戻し(4時間足)
・70450円:61.8%戻し(4時間足)
・70000円:心理的節目
・69760円:25日線
■サポート
・68000円:日足50%戻し(67984円)
・67000円:50日線(67072円)、短期サポートライン
・66000円:下限予想
・65000円:日足76.4%戻し(64997円)
※移動平均線の水準:7/10時点
日本225 日足チャート:2026年3月以降
日本225 4時間足チャート:5月以降
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