日経平均株価 週間見通し:5月7044円高、強気維持は米AI相場次第、米雇用統計焦点
日経平均株価の週間見通し。過熱相場への警戒が高まる中でも、米AI・半導体株相場のすそ野拡大が日経平均株価を下支えする構図にある。今週の米国株は経済指標が焦点に。株価指数CFD「日本225」の週間想定レンジは6万4000円~6万8000円。
要点
- 5月の日経平均株価は7044.58円(11.88%)高と、4月に続き大幅上昇で終えた。海外投資家は8週連続で日本株を買い越した。過熱相場が警戒される中でも、海外勢は高市政権の政策が企業業績の成長を促すことを強く意識していることがうかがえる
- 米AI・半導体株相場のすそ野が広がる状況は、日経平均株価の下支え要因となっている。その米国株は今週、経済指標にらみの展開が予想される。特に注目されるのが5月雇用統計だ
- 株価指数CFD「日本225」の週間想定レンジは6万4000円~6万8000円
5月の日経平均7044円高、2か月連続の大幅上昇
5月の日経平均株価は7044.58円(11.88%)高と、4月の8221.20円(16.10%)高に続き大幅上昇で終えた。4~5月の2か月合計の上げ幅は15265.78円となり、3月の7786.55円(13.23%)安からのV字回復が鮮明となった。
5月29日の終値は6万6329.50円(前日比+1636.38円、+2.53%)と急騰し、5月最終週を終えた。5月26日のIG日本株レポートで指摘した「次は6万6000円が焦点」が、週末にかけて達成された形となった。
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日経平均株価 月次パフォーマンス:2025年以降、2026年5月まで
ブルームバーグのデータで作成
東京証券取引所が28日に発表した5月第3週(18〜22日)の投資部門別株式売買動向(東証と名証の合計)によれば、海外投資家は8週連続で日本株を買い越した。買い越し額は4609億円と前の週の5572億円から縮小したものの、8週間合計の買い越し額は7.9兆円超に上り、中東情勢が緊迫化する前の9週連続の合計買い越し額5.4兆円超を上回った。昨年10月に高市政権が発足して以降、中東情勢が緊迫化した今年3月を除き、海外勢が日本株を買い越す状況は、高市政策が企業業績の成長を押し上げるとの期待が海外投資家の間に広がっていることを示唆している。
海外投資家の動向:2025年10月以降
東京証券取引所、ブルームバーグのデータで作成
高まる過熱感、米AI・ハイテク相場と米経済指標にらみ
日経平均株価のトレンドを日足チャートで確認すると、50日線との乖離率が13.75%へ拡大し、RSIは買われ過ぎの水準70へ上昇している。NT倍率が16.76倍と過去最高水準に拡大している状況も考えるならば、過熱相場が警戒されやすい状況にある。
日経平均株価とNT倍率 日足チャート:2025年10月以降
ブルームバーグのデータで作成
一方、日経平均ボラティリティ・インデックス(VI)は26、VIXは15.3へそれぞれ低下し市場心理の落ち着きを示唆している。過熱警戒とリスク選好が混在する今の状況を左右するのが、以下で述べる米国のAI・半導体株相場と経済指標だ。
日経平均VI・VIX 日足チャート:2025年1月以降
ブルームバーグのデータで作成
5月の米株式市場でハイテク株比率の高いナスダック100は+10.5%と、ダウ平均の+2.8%、S&P500の+5.2%を大きく上回った。AI・半導体株偏重が加速している点は気がかりだ。しかし、そのすそ野が広がっている状況は注目に値する。この点を5月のパフォーマンスで確認すると、デル・テクノロジーズ(DELL)+101.4%、サンディスク(SNDK)+54.6%、シーゲート・テクノロジー(STX)+30.6%とハードウェア関連の銘柄に買いが広がっていることが分かる(青ラインを参照)。
半導体株にフォーカスすると、マイクロン・テクノロジー(MU)+87.8%、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)+45.6%とは対照的に、エヌビディア(NVDA)は+5.8%と停滞した。また、マグニフィセントセブンのメタ・プラットフォームズ(META)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)はS&P500のパフォーマンスを下回り、アルファベット(GOOGL)は-1.2%で終えた。しかし、前述の通りハイテク株の指数ナスダック100の上昇が加速した状況は、もはやエヌビディアやマグニフィセントセブンといった一部のハイテク銘柄に頼った状況から米AI・半導体株相場が脱していることを示唆している。
S&P500、ナスダック100、AI・半導体銘柄 5月のパフォーマンス
ブルームバーグのデータで作成
今週の米AI・半導体株相場は、経済指標にらみの展開が予想される。特に注目されるのが5月のISM製造業景気指数(1日)、ISM非製造業景気指数(3日)、そして5月雇用統計(5日)だ。ISM指数で企業活動の拡大が示される場合は、株高トレンドを下支えする要因となろう。
注目は5月雇用統計だ。現在は、インフレ懸念で年内の米利上げを意識する状況にある。雇用統計が予想を上振れる場合はこの観測を強め、米株安の要因となる可能性がある。一方、堅調な労働市場は景気期待を高める要因でもある。
雇用統計が予想を下振れる場合は、利上げ観測の後退要因となる一方で、景気不安につながる。雇用統計の結果に対する米国株の反応は、6月の米国株の強さを見極める上で重要な焦点の一つとなろう。
米国株のトレンドは日経平均株価のトレンドを左右する。ゆえに、今週の日経平均株価は米経済指標にらみの展開を想定したい。
米雇用統計 各項目の動向:過去1年間
ブルームバーグのデータで作成 / 赤棒グラフ・ドット:5月予想
日本225のチャート分析、週間想定レンジ6万4000円~6万8000円
今週も日経平均株価が強気相場を維持する場合、同指数を原資産とする株価指数CFD「日本225」は、以下のチャート水準の攻防に注目したい。
先週の高値は6万6644円。まずはこの高値水準の突破が最初の焦点となろう。同水準の突破は、次の節目水準6万7000円をトライするサインとなろう。
6万7000円台で底固めとなれば、もう一つの節目水準6万8000円をトライする可能性が浮上する。上昇局面で日経平均株価の変動が拡大する傾向にあることを踏まえ、6万8000円を今週の上限と想定したい。6万8250円レベルはフィボナッチ・エクスパンション161.8%にあたる(4時間足チャート)。テクニカル面では、この水準を上値の目途と想定したい。
日経平均株価と同じく、日本225の日足RSIも買われ過ぎの水準70に達している。過熱相場の警戒感が強まっている状況を考えるならば、6万8000円台を目指す局面では、反落を警戒したい。
注目水準:レジスタンス
・6万8250円:フィボナッチ・エクスパンション161.8%(6万8249円)
・6万8000円:上限予想、節目水準
・6万7000円:節目水準
・6万6644円:先週の高値水準
一方、日米AI・半導体株の過熱相場を警戒した調整売りに押され日本225が下値を目指す局面では、1000円幅の攻防に注目したい。
サポート転換が確認され、直下に20日線が上昇している6万4000円を今週の下限と想定し、まずは同水準から1000円上の6万5000円の攻防に注目したい。この水準を下方ブレイクする場合は、6万4000円トライのサインとなろう。調整売りが加速する場合は、さらに1000円下の6万3000円の維持が焦点に浮上しよう。
6万5000円はフィボナッチ・リトレースメント23.6%戻し(6万4914円)、6万4000円は38.2%戻し(6万3844円)、6万3000円は半値戻し(6万2979円)にあたる。テクニカル面でも、これら3つの水準はサポートラインとして意識されやすい状況にある。
注目水準:サポート
・6万5000円:フィボナッチ23.6%水準(6万4914円)
・6万4000円:下限予想、フィボナッチ38.2%水準(6万3844円)
・6万3000円:フィボナッチ50.0%水準(6万2979円)
日本225の日足チャート:2月以降
TradingView提供のチャート
日本225の4時間足チャート:4月下旬以降
TradingView提供のチャート
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