日経平均株価見通し:過熱感で上昇一服、マイクロン決算と米PCE見極め 調整売り警戒
22日の東京株式市場で日経平均株価が史上初めて7万2000円台に乗せた。株価指数CFD「日本225」は7万3000円台へ上昇した。強気地合い加速も過熱感は否めず。目先の焦点はマイクロン決算と5月米PCE価格指数。調整売り警戒。
要点
- 22日の東京株式市場で日経平均株価は史上初めて7万2000円台に乗せた。株価指数CFD「日本225」は7万3000円台へ急騰した。強気地合いが加速する一方、過熱感も同時に強まっており、調整売りを警戒する局面にある
- 米利上げ観測が急浮上している。マイクロン決算と5月米PCE価格指数がAI相場の調整売り要因となれば、日経平均株価は6月上旬と同じく調整相場に直面する可能性がある
- 日本225は2000円幅でのサポート転換を経て、7万3000円台へ乗せた。今週、調整売りで反落しても7万2000円レベルが相場をサポートすれば、7万4000円を視野に強気地合いの維持が予想される。一方、7万2000円ブレイクなら、節目の7万円維持が焦点に浮上しよう
日本225急騰、一時7万3000円台
22日の東京株式市場で日経平均株価は史上初めて7万2000円台に乗せ、前週末比1260.51円(1.77%)高の7万2510.57円で引けた。
買いの勢いは日経平均先物の夜間取引(大阪取引所)でも続いた。9月物は前日の清算値と比べ230円高い7万3090円で引けた。この動きに連動しIG証券の株価指数CFD「日本225」も一時7万3640円へ急騰する場面が見られた(下チャート、赤ライン)。
しかし、短期的な過熱感も意識されやすい状況にあり、本レポート掲載時点で日本225は調整売りに押され、午前の東京株式市場で7万1400円台まで下落する場面が見られた(下チャート、青ライン)。
日本225株価指数 10分足チャート:22日~23日午前の動向
TradingView提供のチャート
ブルームバーグのデータで作成 / 6月11日基準
財務省の対内証券投資「株式・投資ファンド持分」によれば、非居住者による取得・処分は5月最終週から3週連続の処分超過(売り越し)となった。ただし、中東の地政学リスクが強く意識された3月と比べれば規模は小さい。今月12日以降の日経平均株価とTOPIXの急反発も踏まえれば、6月上旬の調整売りは、程よく相場の過熱感を冷ましたと言える。
対内証券投資の状況 非居住者による取得・処分(株式/投資ファンド持分):2026年1月以降
出所:財務省「対外及び対内証券売買契約等の状況」
ここまで述べてきた状況を踏まえれば、日経平均株価は強気地合いを維持する可能性がある。しかし、現在は短期的な過熱感が意識されやすい局面にあることも事実だ。今週、以下で述べるイベントで米AI相場が崩れる場合、日経平均株価も調整売りに直面することが予想される。
焦点はマイクロン決算と米PCE価格指数、調整相場再燃も
6月上旬の調整相場の引き金となったのは、ブロードコム(AVGO)の決算だった。売上高見通しで市場の高い期待を上回れなかったことから利益確定売りに押され、それが米AI相場に波及した。その余波は東京株式市場にも及び、日経平均株価は前述の通り11日に一時6万2300円台まで下落した。今週、調整売りが再燃する要因として警戒したいのが、米利上げ観測とマイクロン・テクノロジー(MU)の決算だ。
17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利であるフェデラルファンド・レート(FF金利)が3.50〜3.75%に据え置かれた。しかし、2026年末のFF金利中央値は3.8%と、3月時点の3.4%から大幅に上方へシフトした。一方、コアPCEインフレ率の見通しも3月の2.7%から3.3%へ上方修正され、声明文はインフレの高止まりに言及した。利下げ観測から一転、利上げ観測が急浮上している。
翌日物金利スワップ(OIS)市場では、早くて9月会合での利上げが意識される状況にある。こうしたなか、25日の5月PCE価格指数でインフレの再加速が示され、早期の利上げ観測がさらに強まれば、米AI相場の調整売りを警戒したい。
米政策金利の見通し
ブルームバーグのデータで作成 / 23日午前11時時点
24日取引終了後のマイクロン・テクノロジー(MU)の2026年3〜5月期(第3四半期)決算も、米AI相場のトレンドに大きな影響を与える可能性がある。22日の米株式市場でマイクロン株は1200ドル台へ上昇し、前営業日比77.39ドル(6.82%)高の1211.38ドルで終えた。直近の株価急騰は、市場が好決算を相当織り込んでいることを示唆している。21日のIG米国株レポートで指摘した通り、市場の失望を誘う業績見通しとなれば、6月上旬の「ブロードコム・ショック」の再来を招きかねない。
関連レポート
・米国株週間見通し:利上げ警戒もAI相場がナスダック100下支え、マイクロン決算で31000視野も
米AI相場が調整売りに直面すれば、日経平均株価もこれに追随する公算が大きい。逆に、マイクロン決算とPCE価格指数を無難に通過すれば、米AI相場の継続とともに日経平均株価は強気地合いを維持しよう。いずれにせよ米AI相場が日経平均株価のトレンドを左右する状況は続くだろう。
IG証券の株価指数CFD「日本225」は、以下にまとめた重要サポート・レジスタンスの攻防に注目したい。
日本225のチャート分析、節目水準の攻防に注目
日本225のトレンドを日足チャートで確認すると、2000円幅で各節目がサポートラインに転換しながら上昇トレンドが加速してきた(青矢印を参照)。6万2000円から6万4000円、6万6000円、6万8000円、7万円へと、過去のレジスタンスが順次サポートに転換しており、足元では7万2000円がこのトレンドを引き継ぐかが注目される。
冒頭で述べたとおり、午前の東京株式市場で日本225は7万2000円を下抜ける場面が見られるが、今週7万2000円レベルが調整売りを止める場合は、2000円幅のトレンドに従い7万4000円のトライが視野に入ろう。22日の高値7万3640円のブレイクアウトは、7万4000円をトライするサインと捉えたい。
マイクロン決算や米PCE価格指数後も米AI相場が崩れなければ、45分足チャートのフィボナッチ・エクスパンション161.8%水準7万4792円を視野に上昇拡大が予想される。現在の日本225はボラティリティが拡大の傾向にある。フィボナッチ・エクスパンション161.8%の上の水準7万4800円を今週26日までの上限と想定したい。
注目水準:レジスタンス
・7万4800円:フィボナッチ・エクスパンション161.8%(7万4792円)
・7万4000円:節目水準
・7万3640円:22日高値水準
23日午前時点の日経平均株価の日足RSIは買われ過ぎの水準70付近にある。AI関連銘柄もRSIと移動平均線の乖離率で過熱感が見られる。マイクロン決算や米PCE価格指数が米AI相場の調整要因となれば、週後半の日本225は下値トライを警戒したい。このケースでは、前述の通り7万2000円の維持が焦点だが、完全に下方ブレイクする場合は、心理的節目の水準7万円までの下落を想定しておきたい。
7万1400円(23日午前安値)→7万0800円(サポート転換)→7万0300円(10日線)と下値の攻防を見極めたい。10日線の下方ブレイクは、7万円トライのサインとなろう。
日経平均株価・AI関連銘柄の動向
ブルームバーグのデータで作成
注目水準:サポート
・7万2000円:節目水準
・7万1400円:23日午前の安値水準
・7万0800円:サポート転換の水準
・7万0300円:10日線(7万0361円)
・7万円:心理的節目
日本225株価指数 日足チャート:5月以降
TradingView提供のチャート
日本225株価指数 45分足チャート:6月17日以降
TradingView提供のチャート
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