メタ、株価上昇加速か失速か 30日決算 巨額AI投資不安解消カギ
メタの2025年4-6月期決算は成長力を示せるかが焦点。ザッカーバーグCEOが進める巨額AI投資を裏付けるだけの利益を稼げているかも注目点だ。

SNS大手のメタ・プラットフォームズが30日の取引時間終了後に発表する2025年4-6月期決算は、株価上昇の再加速への期待がかかる。総収入の伸び率は前四半期(1-3月期)から減速する見通しだが、メタが市場予想を上回る成長を示すことができれば、6月30日以来の最高値更新が視野に入りそうだ。一方、メタが人工知能(AI)関連の巨額の設備投資を進めていることは収益を圧迫する要因。マーク・ザッカーバーグCEOは7月14日に、今後、「数千億ドル」のAI投資を進めるとの考えを示している。このため今回の決算発表では、AI投資の源泉となるメタの収益力にも注目が集まるとみられ、メタの利益の水準が力不足だとみなされれば、株価が失速することも考えられる。
メタの2025年4-6月期決算は総収入と利益の伸び率が減速する見通し
メタはアメリカ東部時間30日午後5時(日本時間31日午前6時)に決算会見を開く。ブルームバーグによる事前予想のまとめによると、メタの4-6月期決算は総収入が前年同期比14.7%増の447.96億ドルになる見通し。1株当たり利益(EPS)は14.0%増の5.88ドルになるとみられている。予想通りになれば、総収入と1株当たり利益はともに2四半期連続で伸びが鈍化することになる。メタは直近21回の四半期決算のうち3回で総収入が市場予想を超えられなかった。1株当たり利益では5回、予想のクリアに失敗している。


ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は20.6倍程度。前回決算発表時(20.6倍程度)とほぼ同じ水準だ。この3か月間で株価が28%上昇していると同時に、今後12か月の予想1株当たり利益も28%程度上昇していることが割高感を抑制している。アナリストが提示する目標株価の平均は744ドルで、現状よりも5.6%ほど高い。80人のアナリストのうち、71人は買い、8人は維持、1人は売りを勧めている。
総収入が予想を超えれば株価上昇か 最高値更新に期待
メタの株価が前回の決算発表後に上昇してきたのは業績への期待がつながったからだ。1-3月期は総収入の伸び率が前年同期比16.1%増で、2024年10-12月期(20.6%増)から成長が減速したものの、ブルームバーグがまとめた市場予想は上回る結果。1株あたり利益でも、成長が減速しつつも予想を上回った。このため今回の4-6月期決算発表でも市場予想を超える成長を示すことができれば、株価が最高値更新に向けて上昇する展開も考えられそうだ。
ただ、メタはAI関連投資を加速させており、利益が圧迫されるとの不安は根強い。前回決算発表では2025年通期の設備投資額が640億-720億ドルになるとの見通しを示し、1月段階の見通し(600億-650億ドル)から引き上げていた。今回の決算発表でも設備投資額への積極姿勢が感じられれば、株価を下押しする要因になりえる。

ザッカーバーグ氏は「数千億ドル」のAI関連投資を表明 利益不足なら株価は下落も
ブルームバーグによると、メタは6月12日にAI関連の新興企業のスケールAIに143億ドルを出資し、共同創業者のアレクサンドル・ワンCEOがメタ内で汎用AI(AGI)の実現を目指す「スーパーインテリジェンス部門」で役割を果たすことを公表した。このほか、オープンAIやアップルなどからAI開発の専門家を引き抜いたとも報じられており、投資意欲はますます高まっているようだ。ザッカーバーグ氏は7月14日、メタのSNSスレッズへの投稿で、スーパーインテリジェンスを構築するための計算能力を確保するために今後、「数千億ドル」の投資を行うと表明。そのための資本は「我々のビジネス」から引き出すとしている。
このため30日の決算発表ではメタの収益力にも注目が集まりそうだ。金融市場で見込まれている1株当たり利益の伸び率(14.0%増)は2023年1-3月期の19.1%減以来の低い伸びで、巨額のAI投資を支えるための資金を稼ぎきれていないとみることもできる。メタの株価はザッカーバーグ氏の「数千億ドル」の投資表明後は勢いづいておらず、30日の発表内容次第で株価が大きく下落する可能性もありそうだ。
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