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メタ、AIブームで競争優位 総収入成長加速 株価上昇も投資負担拡大

メタの4-6月期決算は総収入が22%増となり、マイクロソフトなどのライバルを超える結果。株価上昇も勢いづいたが、先行きには不透明感もある。

メタ、AIブームで評価集中 総収入成長加速 株価上昇も投資負担拡大 出所:ブルームバーグ

メタ・プラットフォームズが人工知能(AI)ブームの中で、大手ハイテク企業同士の競争を優位に戦っている。メタが7月30日に発表した2025年4-6月期決算は総収入と利益の両方で市場予想を超える好決算。総収入の伸び率はマイクロソフトなどのライバルをしのぐ高さだった。株式市場ではメタが自社開発したAIを自ら活用することで業績を向上させているとの評価が高まり、株価上昇が勢いづいている。一方、メタは2025年の設備投資額の見通しを上方修正しており、将来的な利益の下押し要因は膨らみ続けている。また、メタは10-12月期については成長ペースが鈍化する可能性も示唆しており、好調な株価がいつまで続くかには不透明感もありそうだ。

メタの2025年4-6月期決算は総収入が21.6%増 前四半期から成長が加速

メタの4-6月期決算は総収入が前年同期比21.6%増の475.16億ドルで、前四半期(1-3月期)の16.1%増よりも伸び率が大きくなった。また、1株当たり利益(EPS)は38.4%増の7.14ドルで、やはり前四半期(36.5%増)から成長が加速した。ブルームバーグがまとめた直前の市場予想は、総収入が448.32億ドル、1株当たり利益が5.89ドル。発表された実績はいずれも市場予想を大きく上回る結果だった。

メタ・プラットフォームズの業績(総収入、1株当たり利益)の推移のグラフ

メタの総収入はマイクロソフト、アルファベット、アマゾン・コムを超える成長率

メタの4-6月期の総収入の伸びは、AI開発でのライバルたちを超える勢いだ。対話型AIサービス「ChatGPT」で知られるオープンAIの後ろ盾となってきたマイクロソフト(MSFT)の4-6月期の総収入は前年同期比18.1%増。アルファベット(GOOGL)の総収入は13.8%増、アマゾン・コム(AMZN)の総収入は13.3%増だった。メタの総収入の成長率が4社の中でトップとなるのは2023年4-6月期から9四半期連続だ。

メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、アマゾン・コム、アルファベットの総収入の成長率の推移の比較

AIの活用で広告事業が成長 株価は決算発表翌日に11.25%高

メタの成長が勢いづいているのはAIを広告事業の効率化に結びつけることに成功しているからだ。フェイスブックやインスタグラムといったSNSサービスで表示する広告を選ぶ際、AIを用いて利用者の関心などを分析することで、広告が収益につながる効果を上げることができているという。マーク・ザッカーバーグCEOは30日の決算会見で広告事業の好調さについて、「広告で利益を生むシステムの全般において、AIがより大きな効率性と成長を解放した結果だ」と述べた。

こうした中、メタは7-9月期の成長にも自信を示している。メタが30日に示した7-9月期の総収入の見通しは475億-505億ドルで、中間値の490億ドルは前年同期比20.7%増にあたる水準。ブルームバーグがまとめた事前予想で見込まれていた461億ドル程度を大きく上回る強気な姿勢を示したことになる。

メタの事業の好調さは株価の反応にも表れている。メタの株価(META)は決算発表翌日にあたる7月31日の終値で、前日比11.25%高の773.44ドルとなり、最高値を更新。さらに翌日の8月1日は7月雇用統計が米国経済の先行き不透明感を強めたことで、メタの株価も前日比3.03%安と下落したが、それでも2024年末比での伸び率は28.10%高という好調さを維持している。

設備投資額の見通しを上方修正 10-12月期の成長は鈍化か

ただ、メタの好業績の裏側には設備投資額の上昇という利益圧迫要因も隠れている。メタの4-6月期の設備投資額は前年同期の2倍にあたる170.10億ドル。総収入に対する比率は35.8%に達し、新型コロナウイルス禍が経済活動を大きく変化させた2020年以降で最も高い水準となった。またメタは30日、2025年の設備投資額の見通しを660億-720億ドルとし、4月時点の見通し(640億-720億ドル)から上方修正している。

メタ・プラットフォームズの総収入と設備投資額の推移のグラフ

こうした設備投資額の急増は将来的な減価償却費を膨らませる要因だ。スーザン・リーCFOは30日の決算会見で、「2026年のコストには大きな上昇圧力がかかる」と説明。さらに2026年の設備投資額について、「2025年同様に大きな増加を想定している」と述べており、今後も利益を圧迫する効果が大きくなることが考えられそうだ。

またメタは7-9月期については強気な姿勢を維持しつつも、10-12月期の総収入については「伸び率が7-9月期よりは緩やかになる」との見通しも示している。AIの活用による広告効果のアップがいつまで続くかは見通せず、7月雇用統計で強まった経済見通しへの不安が広告事業の逆風になるおそれも拭えない。メタはAI開発と収益化の両立へと好スタートを切ったとはいえ、成長鈍化と巨額の設備投資による利益圧迫が同時に大きくなる悪いシナリオも想定されそうだ。


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