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ドル円相場、円安圧力くすぶる 日銀利上げに慎重 FRBの動向は?

日本銀行は17日、利上げへの慎重姿勢をにじませた。中東情勢悪化はFRBの利下げを遅らせる可能性もあり、円安圧力がくすぶっている。

ドル円相場、円安圧力くすぶる 日銀利上げに慎重 FRBの動向は? 出所:ブルームバーグ

ドル円相場で円安圧力がくすぶっている。日本銀行が16、17日の金融政策決定会合で政策金利の維持を決めつつ、物価や経済の動向について下振れリスクを強調したためだ。植田和男総裁はアメリカのドナルド・トランプ大統領の高関税政策が日本の企業収益を悪化させ、国内の物価上昇や賃上げを抑える可能性を警戒。金融市場では日銀の利上げ見通しが後退している。一方、ドル円相場は1ドル=144円台後半での値動きが続き、決定会合の結果の後や植田氏の記者会見中にも大きな値動きはなかった。ただ、中東情勢の悪化が続く中、米連邦準備制度理事会(FRB)が17、18日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)後に利下げへの慎重姿勢を示した場合には、円安の流れが強まることも想定されそうだ。

日銀は政策金利を維持 植田総裁、経済物価の「下振れリスクの方が高い」

日銀は17日までの決定会合で、政策金利を0.5%で維持することを決めた。植田氏は記者会見で物価や経済の見通しについて、「ともに下振れリスクの方が高い」と言及。米国の高関税政策による混乱が続いた場合には日本の製造業の企業収益が低下する可能性があるとし、「しばらく前まで続いていたようなコストカット型の価格あるいは賃金設定が復活するリスクも無視できない」と述べた。一方、植田氏は足元の中東情勢悪化に伴う原油価格上昇が基調的な物価上昇率を高める可能性を認めながらも、「現状はそこまでいっていない」と指摘した。

また、日銀は日本の物価上昇率が4月の消費者物価指数(CPI)総合指数の伸び率で前年同月比3.6%となるなど、高水準で推移していることなども指摘。植田氏は日銀の経済見通しに沿って経済や物価が推移すれば、「経済物価の状況改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整する」との立場も示した。ただし「不確実性は極めて高い」とも述べている。

日本の消費者物価指数の伸び率の推移のグラフ

国債購入減額ペースの減速も発表 日銀の利上げ見通しは後退

また日銀は長期国債の月間購入予定額の減額幅について、2026年1-3月期までは現行通りの四半期ごとに4000億円程度とし、4-6月期以降は2000億円程度とすることも決めた。2027年1-3月期の月間購入額は2兆円程度になる。2026年6月の決定会合では、改めて購入計画の中間評価を行い、必要があれば計画を修正するとともに、2027年4月以降の計画を公表するという。

日銀の発表内容を受けて、金融市場では日銀の利上げ見通しが後退した。ブルームバーグによると、金融市場では日本時間17日午後6時30分段階で、日銀の12月の決定会合後の政策金利の水準は0.619%程度と見積もられており、決定会合の結果発表前の0.642%程度から低下した。

金融市場で見込まれる日銀の政策金利の水準の推移のグラフ

ドル円相場は144円台で推移 日米長期金利差にも大きな変化はなし

一方、ドル円相場(USD/JPY)は決定会合の内容や国債購入の減額ペースが想定通りの内容だったことから大きな値動きはなかった。決定会合の結果発表後に1ドル=144.40円まで円高方向に動く場面もあったが、植田氏の記者会見中には145.02円まで円安に戻す場面もあり、ほぼ144円台後半での値動きだったといえる。

ドル円相場の日足チャートと主な出来事のグラフ

ドル円相場の値動きの背景となる日米の長期金利(10年物国債利回り)の差はこのところ3.000%ポイント前後で推移しており、大きな動きは出ていない。日米金利差は米国の労働市場の弱さが意識された4日には2.860%ポイントまで縮まる場面があったが、一方的な縮小には至っていない。

日米の長期金利差とドル円相場の推移のグラフ

中東情勢悪化は原油高を誘発 FRBの利下げ見通しは弱まるか?

こうした中、ドル円相場の今後の見通しをめぐっては18日までの日程でFOMCを開くFRBの動向が焦点となりそうだ。米国の物価動向をめぐっては、トランプ氏の高関税にも関わらず、5月のCPIや卸売物価指数(PPI)で物価上昇圧力の大きな高まりがみられず、FRBが利下げに動きやすい状況にある。ただ、13日にイスラエルがイランの核施設を攻撃して以降、悪化の一途をたどっている中東情勢は原油価格の上昇を招いており、FRBは利下げへの慎重姿勢を示す可能性もある。中東情勢はさらに悪化が進む恐れもあり、FRBがFOMC後に発表する経済見通しや、ジェローム・パウエル議長の記者会見で利下げへの慎重姿勢がみられた場合には、ドル円相場が円安に振れる筋書きも想定されそうだ。


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