日経平均株価見通し(1/21):グリーンランド関税問題でトリプル安懸念、TACOトレードで急反発も
IG証券のアナリストによる日経平均株価の見通し。「グリーンランド関税」の問題を巡り欧米の対立激化。トリプル安を警戒。株価指数CFD「日本225」は変動拡大を警戒。
要点
- トランプ米大統領が欧州8カ国に追加関税を表明し、グリーンランド領有を巡る米欧の対立が鮮明に。米国株大幅下落で「トリプル安」
- 21日に日経平均株価のCFD指数「日本225」は5万2000円割れ。20日の債券市場では長期金利が一時2.38%と約27年ぶり高水準に急上昇。外為市場では根強い円安が続いた。株高が崩れれば「トリプル安」に直面
- 日本225は下値水準を模索する展開に。焦点は5万1000円の維持。下方ブレイクなら下落拡大を警戒。一方で「TACOトレード」の急反発も想定しておきたい。この場合は5万3000円台への再上昇が焦点に
グリーンランド関税問題で米国株急落、「トリプル安」の展開に
20日の米株式市場で主要3指数が大幅に下落した。NYダウは前週末比870ドル(1.76%)安の4万8488ドルで終えた。下落幅は一時900ドルを超えた。S&P500は前週末比2%安、ナスダック総合指数は2.4%安と、いずれも昨年10月10日以来の大幅下落。VIXは昨年11月下旬以来となる20ポイント超えとなった。
米債市場では国債売り優勢となり、10年債利回り(長期金利)は一時4.31%と昨年8月以来約5カ月ぶりの水準へ上昇。外為市場では米ドル安優勢となり、「トリプル安」の展開となった。
米株価指数の日次変動率:
ブルームバーグのデータを基に作成
日本もトリプル安を警戒
トリプル安の主因は、「グリーンランド関税」にある。トランプ米大統領は17日、デンマーク自治領グリーンランドを取得するまで欧州8カ国(デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フランス、ドイツ、英国、オランダ、フィンランド)からの輸入品に2月1日から10%の追加関税を課すと表明。合意がなければ6月に25%へ引き上げる方針だ。欧州諸国はこれに反発。EUは930億ユーロ規模の報復措置を検討し、マクロン仏大統領は「反威圧措置(ACI)」の発動を要請するなど、米欧の対立が先鋭化している。
21日の取引序盤で株価指数CFD「日本225」は、5万2000円を下方ブレイクする局面が見られた。頼みの米国株が総崩れとなり、日本株にも売り圧力が波及した格好だ。日経平均VIの上昇が拡大している状況も考えるならば、18日のIG日本株レポートで述べたとおり、今週の日本225は下値を意識する状況が続こう。
日経平均ボラティリティインデックスの日足チャート:昨年3月以降
ブルームバーグのデータを基に作成
海外要因以外で日経平均株価の下落要因として注視したいのが、国内債券市場の動きだ。新発10年国債利回り(長期金利)は20日、一時2.38%と約27年ぶりの高水準に急上昇した。超長期ゾーンでも債券売りが膨らみ、新発30年債利回りは一時3.8%台と過去最高水準へ上昇。新発40年債利回りも初めて4%台に乗せた。
高市首相が衆院解散を表明し、食料品の消費税を2年間ゼロにする方針を打ち出した。憲民主党と公明党の新党「中道改革連合」も「食料品消費税ゼロ」を基本政策に掲げた。与野党ともに減税を競い、選挙結果にかかわらず財政悪化が進むとの懸念が債券売りを加速させている。
一方、外為市場では円安の圧力が根強い。米ドル安優勢の展開にもかかわらず、20日のドル円は158円前後で底堅さを維持した。株安、債券安(金利上昇)、円安-米国と同じく日本もまた「トリプル安」の懸念に直面する状況にある。
国内金利の週足チャート:2025年以降
ブルームバーグのデータを基に作成
日本225は急変動警戒、TACOトレードで急反発も
5万1000円割れも
18日のIG日本株レポートでは、日経平均株価を原資産の株価指数CFD「日本225」の下限予想を5万2000円とした。しかし、本日序盤にこの水準を下方ブレイクする局面が見られた。「グリーンランド関税」懸念を受けての欧米株安と日経平均VIの上昇、さらに日足MACDのデッドクロスやRSIの急低下も考えるならば、5万1000円の維持が下値の焦点に浮上してきた。
現在、5万1000円には50日線が推移している。テクニカル面でも5万1000円はサポートラインとして意識されやすい状況にある。4時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメント76.4%水準5万1866円を完全に下方ブレイクする場合は、一気に5万1000円を目指す展開を想定したい。
日本225は変動が拡大する傾向にある。5万1000円を下方ブレイクする場合は、昨年12月18日の安値と今年1月14日高値のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準5万0886円のトライを意識したい。このテクニカルラインをも下方ブレイクする場合は、昨年12月後半にサポートラインとして意識された5万0200円を視野に下落拡大を警戒したい。
チャートポイント:サポート
・5万2000円:サポートライン、25日線
・5万1866円:4時間足フィボナッチ76.4%戻し
・5万1000円:下限予想(修正)、50日線
・5万0886円:日足フィボナッチ61.8%
・5万0200円:昨年12月下旬のサポートライン
「TACOトレード」で5万3000円台へ急反発も
一方、日本225の反発局面では5万3000円台への再上昇が焦点となろう。反発要因として注目したいのが「TACO」トレードだ。TACOとは「Trump Always Chickens Out(トランプはいつも腰砕け)」の略で、トランプ氏の関税威嚇がいずれ撤回されることを見越した投資行動を指す。関税問題が発生して以降、米株式市場ではTACOトレードを意識する状況が続いてきた。米欧対立の緩和を伝えるヘッドラインが流れる場合は、リスクオフの巻き戻しで急反発が予想される。
日本225が5万2650円をブレイクアウトすれば、5万3000円をトライするサインと考えたい。21日序盤の下落→反発の局面で、5万2650円をトライする状況にある(4時間足チャート、黒矢印を参照)。
しかし、日銀金融政策会合を22〜23日に控えている。植田和男総裁の会見で次の利上げ時期を見極める必要がある。日本225は反発しても上値は限定的となることが予想される。グリーンランド関税問題の懸念が後退しても、レジスタンスラインに転換するムードがある5万3500円までの反発が限界か。
チャートポイント:レジスタンス
・5万3500円:上限予想
・5万3000円:レジスタンスライン
・5万2650円:レジスタンスライン
日本225の日足チャート:昨年10月以降
TradingView提供のチャート
日本225の4時間足チャート:年初来
TradingView提供のチャート
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。