日経平均株価 週間見通し(1/19週):過熱感と日銀の早期利上げ観測、高市ラリーは一服か
IG証券のアナリストによる日経平均株価の週間見通し。「高市ラリー」の株価は一服か。株価指数CFD「日本225」の予想レンジは5万2000円~5万4500円。
要点
- 日経平均株価は2週続伸、年初来で7%高。強気地合い維持も、今週は「高市ラリー」の株高一服を予想。新党「中道改革連合」の結成で自民苦戦の観測が浮上。騰落レシオも140台と過熱感を示唆。調整売り警戒
- だが、立憲・公明の支持層は高齢者に偏り、安全保障面での合意形成も難航する可能性があり新党の影響は未知数。衆院選は買いのアノマリーがある。22〜23日の日銀会合は金利据え置き予想だが、OIS市場は4月利上げを有力視し始めている。植田総裁の会見に注目
- 地政学リスク・AI需要・日銀の利上げ姿勢維持は「高市銘柄」の追い風に。日経平均株価の株価指数CFD「日本225」の反落は押し目買いの好機か。今週の予想レンジは5万2000円〜5万4500円
解散風で2週続伸 年初来7%高 今週は「高市ラリー」一服か
先週(13~16日)の東京株式市場では解散風が吹き荒れ、日経平均株価は週次3.84%高、東証株価指数(TOPIX)は4.11%高と2週続伸で終えた。年初来の上昇率はいずれも7%台に達している。
日経平均株価とTOPIXの週間変動率:昨年6月以降
ブルームバーグの価格データを基に作成
しかし、今週の日経平均株価は「高市ラリー」の株高一服を予想する。
そう考える理由の一つが、国内政治の動きだ。立憲民主党と公明党は16日、新党「中道改革連合」の結成を正式発表した。公明党は小選挙区から全面撤退し立民候補を支援し、比例では統一名簿を作成するという。「高市自民党」への対抗姿勢を鮮明にした形だ。日経新聞の試算では、公明票を失った自民党は小選挙区の現職のうち2割が苦戦する可能性があるという。
短期的な相場の過熱感が意識されやすい状況にあることにも注目したい。前述の通り、日経平均株価とTOPIXの年初来上昇率はすでに7%に達している。また、東証プライム市場の騰落レシオ(25日移動平均)は140台と「買われすぎ」の目安とされる120を5営業日連続で上回り、相場の過熱感を示すサインも点灯している。
短期的な過熱相場が意識されやすい中で「自民党苦戦」の観測報道が多く流れる場合、今週の日本株は調整売りに直面することが予想される。
東証プライム市場の騰落レシオ(25日移動平均):日足 2024年以降
ブルームバーグのデータを基に作成
新党の影響は未知数、衆院選は買いのアノマリー
新党の中道改革連合がどの程度自民党の脅威となるかは未知数だ。立憲民主党と公明党の支持率は高齢者層に偏る一方、若年層と現役世代の支持率は低迷している。安全保障の分野で立憲左派と公明党との合意形成が難航し曖昧な公約策定となれば、選挙目当ての合従連衡の批判を招き、従来の支持層が離反する可能性がある。
「衆院選は買い」のアノマリーがある。この点について、2000年以降の国政選挙と日本株のパフォーマンスを確認すると、衆院選では解散日から投開票日の前営業日までの平均上昇率は約3.1%。9回中7回で株高となった。一方、参院選では株高のアノマリーは見られない。
国政選挙と株式市場の動向:2000年以降
ブルームバーグのデータを基に作成
高市銘柄は堅調、反落は押し目買いの好機
国際情勢の不透明感は「高市銘柄」を下支えするだろう。先週(13〜16日)も川崎重工業(+12.89%)、三菱重工(+9.21%)と防衛株が買われ、日経平均(+3.84%)やTOPIX(+4.11%)の上昇率を大きく上回った。
半導体関連株も堅調だ。15日、半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が市場予想を上回る決算を発表した。第4四半期の純利益は前年同期比35%増(160億1000万米ドル)で過去最高を更新。2026年の設備投資計画は520億〜560億ドルと前年比3割増の強気姿勢を打ち出した。決算説明会では、AI需要の見通しについて「引き続きポジティブ」との見方を示した。TSMCの決算が好感され、先週はレーザーテック(+20.44%)、アドバンテスト(+12.56%)、東京エレクトロン(+11.18%)が指数の上昇をけん引した。
今週22〜23日に日銀金融政策決定会合が開催される。今会合では、政策金利の据え置きが予想されている。しかし、翌日物金利スワップ(OIS)市場は次回利上げの時期について4月の可能性を意識し始めている(3月と4月の合計利上げ確率は60%)。従来の「半年に1度」より早いペースでの利上げを織り込み始めている。
2025 年 12 月 18~19 日開催分の「主な意見」のでは、追加利上げに前向きな発言が見られた。1月の展望レポートでは、25〜26年度の成長率見通しの上方修正が見込まれており、賃金・物価の好循環に対する自信が強調される可能性がある。
植田総裁の会見(23日15:30〜)で4月利上げへの地ならしが行われれば、銀行株には追加の追い風となろう。金利上昇の恩恵を受けるとの思惑でTOPIX銀行株指数は先週9.63%高と、防衛株や半導体関連株とともに日経平均株価やTOPIXの上昇を主導した。
しかし、植田総裁の会見を受け早期利上げの観測が高まれば、「性急な利上げ」と株式市場が捉える可能性もある。利上げペースに対する警戒感が高まれば、銀行株にとってはポジティブでも日本株全体の調整売り要因になり得る。23日と週明け26日の動きを注視したい。
日銀会合の利上げ確率:3月、4月、6月
ブルームバーグ、OIS市場のデータを基に作成 / 16日時点
今週は短期の過熱感相場を意識した調整相場を警戒したい。しかし、高市銘柄を取り巻く環境に変化はない。防衛株には地政学リスクの長期化と防衛費増額、半導体株にはAI需要の拡大、銀行株には日銀の利上げ継続という追い風が吹いている。
これら銘柄は日経平均株価の動向を左右する。同指数が原資産の株価指数CFD「日本225」の反落局面は、押し目買いの好機と捉えたい。
高市銘柄の動向:1月13日~16日の週
ブルームバーグの価格データを基に作成
日本225の週間展望とテクニカル分析
週間展望
今週、高市ラリーの株高が一服する場合、高市銘柄の影響を受ける日経平均株価の調整売りを警戒したい。。同指数が原資産の株価指数CFD「日本225」は、下値水準の見極めが焦点となろう。
だが前述のとおり、高市銘柄を支える地政学リスク・AI需要・金利上昇という追い風に変化はない。日銀の利上げは想定されていることであり、利上げペースの警戒感が株安要因となる場合は押し目買いの好機と捉えたい。今週の予想レンジは5万2000円〜5万4500円。
サポート水準
・5万3500円:サポートライン
・5万3200円:1時間足38.2%戻し、上に10日線
・5万2650円:サポート転換の可能性
・5万2376円:1時間足61.8%戻し
・5万2000円:今週の下限予想、上に20日線
※移動平均線の水準:1月16日時点
調整の反落局面では、1時間足チャートのフィボナッチ38.2%の5万3200円の攻防が最初の焦点となろう。上には10日線(5万3222円)が推移している。サポートラインとして意識されている5万3500円の下方ブレイクは5万3200円をトライするサインとなろう。5万3200円を下抜ければ、5万3000円の維持が焦点に浮上しよう。
調整売り加速で5万2000円台の攻防となる場合は、サポートラインに転換する可能性がある5万2650円に注目したい(日足チャート)。1時間足チャートのフィボナッチ61.8%の5万2376円の下方ブレイクは5万2000円をトライするサインとなろう。
日本225は変動が拡大しやすい状況にある。調整売りの加速を警戒し、20日線と重なる5万2000円を今週の下限と予想する。
レジスタンス水準
・5万5000円:心理的節目
・5万4500円:今週の上限予想、14日高値水準(5万4535円)
・5万4150円:レジスタンス転換の可能性
・5万4000円:レジスタンスライン
一方、日本225が調整売りに直面しても10日線や5万3000円台で反転する場合は、地合いの強さを市場参加者に印象付けるだろう。このケースでは5万4000円台の再トライを意識したい。
今週の上値の焦点は2つ。一つは、レジスタンス転換の可能性がある5万4150円だ。このラインのブレイクアウトは、直近高値5万4535円をトライするサインとなろう。短期的な相場の過熱感や選挙戦の不透明感を考慮し、5万4535円直下の水準5万4500円を今週の上限と予想する。
日本225は強気地合いにあり、かつ変動が拡大しやすい状況にある。想定を超える上昇で5万4500円(5万4535円)をブレイクアウトすれば、5万5000円の攻防が視野に入ろう。
日本225の日足チャート:昨年10月以降
TradingView提供のチャート
日本225の1時間足チャート:年初来
TradingView提供のチャート
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