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金価格見通し:200日線割れ、米CPI・PPIでドル高警戒、4100ドル視野も

金価格の短期見通し。200日線を下方ブレイクし弱気地合いのムードが強まる。今週の焦点は米インフレ指標。米ドル高の進行を警戒。週間想定レンジは4100ドル~4500ドル。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 5日の取引で金価格は200日線を完全に下方ブレイクし、弱気地合いがより鮮明となった。金ETFからの資金流出も続く状況は、投資家が新たなリスク要因として米利上げを意識していることを示唆している
  • 今週の焦点は5月の米CPIとPPI。インフレリスクを意識させる結果となれば、「米金利の上昇→米ドル高」の連鎖で、金価格は下値模索の状況が続こう
  • 金価格の週間想定レンジは4100ドル~4500ドル。現在の弱気地合いを考えるならば、4100ドルを下方ブレイクする可能性がある


金価格、200日線割れで弱気地合い鮮明に

金価格の弱気地合いが鮮明になってきた。5日の取引では前日比3.28%下落し、重要テクニカルラインの200日線(現在4407ドル)を完全に下方ブレイクした。

他のテクニカル指標も弱気地合いを示唆している。RSIは34付近と、50を大幅に下回る状況にある。MACDはゼロライン下でシグナルを下回っており、下落モメンタムの継続を示している。50日線(現在4622ドル)で戻りが止められ、短期レジスタンスラインを形成している状況も考えるならば、現在の金価格の焦点は、新たな下値水準の見極めにある。

金価格 日足チャート:2026年1月以降

金価格 日足チャート:2026年1月以降

TradingView提供のチャート


金ETFの資金流出、米利上げ懸念

テクニカル面の弱さに加え、金EFTの需給面も注目したい。ブルームバーグ・インテリジェンスがまとめた週次資金フローでは、5月22日週の約6億3000万ドルの流出超から、5月29日週には約9億3000万ドルへ拡大。さらに6月5日週は約13億ドルの流出超と、3週連続で流出規模が拡大している。

4月後半以降、インフレ懸念から米利下げ観測が後退し、次第に年内の利上げ観測が意識され始めるようになった。金価格の軟調地合いと資金流出の同時進行は、市場参加者のリスクテーマが、中東から米利上げにシフトしていることを示唆している。

金ETF 資金フロー(週次):2026年1月以降、6月5日週までの動向

金ETF 資金フロー(週次):2026年1月以降、6月5日週までの動向

ブルームバーグ・インテリジェンスのデータで作成


今週の注目材料は米CPIとPPI、米ドル高加速を警戒

金ETFの需給面とテクニカルの弱さが続くなか、今週の金価格を動かす最大のカタリストが、5月の米インフレ指標だ。10日に消費者物価指数(CPI)、11日に生産者物価指数(PPI)が発表される。詳細はIG為替・米国株レポートを参照されたい。

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4時間足チャートでは、米ドルの方向性を示すドル指数(DXY)と金価格との間には明確な逆相関が現れている。

ドル指数と金価格 4時間足チャート:5月以降

ドル指数と金価格 4時間足チャート:5月以降

TradingView提供のチャート

米ドル高を支えているのが米金利の上昇だ。。5日の米債市場では、5月雇用統計で労働市場の底堅さが示されたことで、米10年国債利回り(長期金利)が一時4.55%へ急上昇した。翌日物金利スワップ(OIS)市場では、今年12月までのFRB利上げを完全に織り込んできた。

この状況で、米CPIとPPIが市場予想を上回りインフレリスクも意識される場合、米金利の上昇圧力がさらに強まることが予想される。米金利の上昇は、ドル高の加速を促そう。逆相関にある金価格には、さらに下押しの圧力が強まろう。

逆に、米インフレ指標が総じて市場予想を下回る結果となれば、「調整の米ドル安→金の買い戻し」を想定したい。

ドル指数と米10年国債利回り 4時間足チャート:5月以降

ドル指数と米10年国債利回り 4時間足チャート:5月以降

TradingView提供のチャート


金価格のチャート分析、週間想定レンジ4100ドル~4500ドル

現在の金価格は、下値を意識する状況にある。今週も弱気モメンタムが続く場合は、100ドル幅での攻防に注目したい。

5日の下落相場では4300ドルがサポートラインとして意識された。今日以降、この水準を下方ブレイクすれば4200ドル、さらに4100ドルへの下落を想定したい。注目は後者の4100ドルだ。この水準は3月の下落、特に3月23日の急落を止め、日足ローソク足で長い下ヒゲが示現した水準であり、市場参加者も重要サポートラインとして意識することが予想される。

今週12日までの下限を4100ドルと想定し、このラインを下方ブレイクする売りに直面すれば、心理的節目の水準4000ドルが射程に入ろう。
注目水準:サポート
・4300ドル:節目水準
・4200ドル:節目水準
・4100ドル:下限予想、3月の急落相場を止めた水準
・4000ドル:心理的節目の水準

上値シナリオは限定的だ。米CPIとPPIが総じて市場予想を下回れば、「調整の米ドル売り→金の買い戻し」が予想される。このケースでは、200日線(4400ドル)の突破が最初の焦点となろう。

金価格が200日線を突破すれば、4500ドルの攻防が視野に入る。この水準はレジスタンスラインに転換する可能性がある(黒矢印を参照)。今週12日までの上限を4500ドルと想定し、筆者の想定を超える買い戻しで4500ドルを上方ブレイクすれば、さらに100ドル上の4600ドルを視野に反発が予想される。テクニカル面では50日線の攻防が焦点となろう。

一方、200日線がレジスタンスラインとして機能する場合は、上で述べたサポート水準を視野に弱気地合いの継続を想定したい。
注目水準:レジスタンス
・4600ドル:節目水準、50日線(4622ドル)
・4500ドル:上限予想、レジスタンス転換の可能性
・4400ドル:200日線(4407ドル)


【再掲】金価格 日足チャート:2026年1月以降

【再掲】金価格 日足チャート:2026年1月以降

TradingView提供のチャート


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