金価格見通し(13日):米ハイテク懸念波及で急反落、続落か5000ドル回復か、米CPI警戒
IG証券のアナリストによる金価格の見通し。変動拡大を警戒する状況が続く。今日の注目材料は米CPI。4800ドル下方ブレイクか?5000ドル回復か?
要点
- 12日の金価格は一時4878ドルまで急落。下げ幅は一時200ドルを超えた。米ハイテク株売りで、含み益のある金・銀に換金売りが波及したとの見方がある。予想変動率は27%と2025年平均の18%を大きく上回る状況が続いている。今日も変動拡大を警戒したい
- 1月米CPIが今日の金変動要因に。「インフレ抑制→米金利低下・ドル安」なら金反発を想定。一方、米CPIが予想外に上振れすれば、「米利下げ観測後退→ドル高」で金続落を警戒したい
- 下値の焦点は4800ドルの維持。下方ブレイクすれば4700ドルを視野に下落拡大を警戒したい。一方、反発局面では節目水準5000ドルの攻防に注目。突破ならレジスタンスラインとして明確になってきた5100ドルのトライが視野に入る
急反落、米ハイテク懸念が波及との見方
12日の取引で金価格が急反落した。ブルームバーグのデータによれば一時4878.66ドルまで下落し、下げ幅は前日比200ドルを超す場面が見られた。
IG取引プラットフォームでも金価格は4878ドルへ下落。13日序盤の取引では買い戻し優勢も戻りは弱く、5000ドル以下の攻防にある。
金価格の15分足チャート:12日から13日序盤にかけての動向
出所:IGチャート
12日の金急落についてブルームバーグは、米ハイテク懸念を要因として挙げた。
この日の米株式市場では、決算への失望でシスコシステムズ(CSCO)が前日比12%急落したほか、主力の半導体株もマイクロンテクノロジー(MU)を除き下落。マグニフィセントセブンも総崩れとなった。ソフトウェア株も「SaaSの死」に直面しており、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)やセールスフォース(CRM)は月初来の下落率が12%に達している。こうしたハイテク株売りを受け、損失を抱えた投資家が流動性確保のため、含み益のある金や銀を現金化する動きが加速したとの見方がある。
ハイテク株比率の高いナスダック100と金の下落が連動して発生した事実を踏まえれば、CTA(商品投資顧問)によるモメンタム主導のシステマティックな売りが金の下落圧力を増幅させた可能性がある。
金価格とナスダック100の15分足チャート
TradingView提供のチャート
こうしたクロスアセットの連鎖売りが生じる背景には、金市場自体が投機色を強めていることにある。CMEは昨年末から断続的に金や銀などの貴金属先物取引の証拠金(マージン)を引き上げ、投機熱の抑制を図っている。しかし、予想変動率は昨年10月の急落時と同じ水準にあり、かつ2025年以降の平均18%を大きく上回る状況が続いている。変動拡大を警戒する局面が続こう。
金価格の予想変動率:日次 2025年以降
ブルームバーグのデータで作成
※予想変動率:1ヶ月、年率換算
米CPIを警戒、インフレ懸念再燃なら金続落も
今日も金価格の変動拡大を警戒したい。その要因になり得るのが、10日のIGコモディティレポートで取り上げた1月の米消費者物価指数(CPI)だ。
関連レポート
・金価格見通し(2/10):5000ドル回復、強気相場回帰か、米雇用統計・CPIに注目
ブルームバーグがまとめた市場予想では、前月比のコア指数で0.3%と、昨年12月から若干伸びる見通しにある。一方、トレンドを示す前年同月比の伸びは抑制される可能性がある。インフレ抑制が確認される場合は、米金利の低下と米ドル安を通じて金価格のサポート要因となろう。
注目すべきは、米CPIが予想外に上振れする場合だ。1月の米雇用統計では労働市場の底堅さが示された。インフレの粘着性も確認される場合は、米利下げ観測の後退要因となり、米ドル高の展開が予想される。反発相場が崩れつつある中での米ドル高となれば、金価格の続落を警戒したい。
米国 消費者物価指数(CPI)の推移:過去1年間
ブルームバーグのデータを基に作成 / 赤棒グラフ・ドット:1月予想
金価格のテクニカル分析
4800ドルのブレイクを警戒
米CPIが金価格の下落要因となる場合、4800ドルの攻防が最初の焦点となろう。昨日の下落を止めた25日線の下方ブレイクは、4800ドルをトライするサインとなろう。
金価格は変動拡大を警戒する状況が続いている。4800ドルを下方ブレイクする場合は、10日のIGコモディティレポートで取り上げた下限予想4700ドルを視野に下落拡大を警戒したい。
反発局面での高値と安値の半値戻しの水準4760ドルの下方ブレイクは、4700ドルをトライするサインとなろう。6日の日足ローソク足に下ヒゲが示現したことで、このラインでのサポート転換が確認された。
注目のチャート水準
・4890ドル:25日線
・4800ドル:サポートライン
・4760ドル:半値戻し
・4700ドル:下限予想
まずは5000ドル回復なるか?
12日の下落はテクニカル的な要素が大きかった。1月27日のIGコモディティレポートで取り上げた金を取り巻くファンダメンタルズに大きな変化が見られないことを考えるならば下値では押し目買いに支えられる展開が予想される。
関連レポート
・金価格見通し(1/27):節目の5000ドル突破、5200ドルが視野に
米CPIが金価格の反発要因となる場合、まずは5000ドルの回復が焦点となろう。この節目ラインで反落する場合は、来週以降も上で取り上げた下値水準の攻防を意識する状況が続こう。
一方、金価格が5000ドルを回復する場合は、レジスタンスラインとして明確になってきた5100ドルの攻防を意識することになろう。テクニカル面では、直近の急落時の高値と安値のフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準5140ドルの攻防に注目したい。
注目のチャート水準
・5140ドル:76.4%戻し(5142ドル)
・5100ドル:レジスタンスライン
・5000ドル:心理的節目のライン、レジスタンス転換の可能性あり
金価格の日足チャート:2026年1月以降
TradingView提供のチャート
金価格の4時間足チャート:1月下旬以降
TradingView提供のチャート
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