豪ドル安の流れ進むか 27日CPI 限定的な反応の可能性も
豪ドル円相場はRBA理事会後に豪ドル安が進行。7月CPIも注目されるが、反応が限定的になる可能性もありそうだ。

豪ドル円相場で豪ドル安の流れが出ている。前週には約1か月半ぶりの豪ドル安水準となる1豪ドル=94円台を記録。オーストラリアの中央銀行にあたるオーストラリア準備銀行(RBA)が2026年半ばまでに2回の利下げを行う方向性を示していることが豪ドルを売られやすくしているもようだ。こうした中、27日に発表されるオーストラリアの7月の消費者物価指数(CPI)の伸び率が市場予想よりも小さくなれば、豪ドル安をさらに後押しする可能性がある。ただ、RBAはこれまでも時間をかけて物価動向を見極める態度を取っており、7月CPIの結果に対する金融市場の反応が小さくなることも想定される。
豪ドル円相場は20日には94円台前半 1か月半ぶりの豪ドル安水準に
豪ドル円相場(AUD/JPY)は日本時間25日午後1時14分の段階では1豪ドル=95.59円で取引されている。ブルームバーグによると、20日午後11時台には94.40円をつけ、7月7日(94.24円)以来の豪ドル安を記録。8月12日につけた96.84ドルとの比較では2.43円の豪ドル安水準となっていた。25日の水準は20日の水準からは1円超の豪ドル高だが、12日以降の豪ドル安の流れは崩れていないとみることができそうだ。

オーストラリア中銀は12日に利下げ 2026年半ばまでに2回の利下げの方向性
豪ドル安進行のきっかけはRBAが12日に示した金融政策の方向性だ。RBAは11、12日の理事会で2会合ぶりの0.25%利下げを決め、政策金利を3.6%に設定すると発表。ミッシェル・ブロック総裁は12日の記者会見でRBAの経済見通しの前提として、「あと2回の利下げ」を想定していると述べた。RBAの発表資料によると、RBAは政策金利が12月理事会後には3.4%、2026年6月理事会後には3.1%になることを条件として、CPIの伸び率が足元から2027年12月までの間、2.5%から3.1%の範囲で推移するとみている。
こうした発表内容を受け、12日以降のFX市場では豪ドル安が進行。ブルームバーグによると、21日のニューヨーク市場の終値では、豪ドルの対ドル相場(AUD/USD)はRBA理事会前日にあたる11日終値との比較で1.43%の豪ドル安水準。円の対ドルレートや、ユーロの対ドルレート(EUR/USD)、ポンドの対ドルレート(GBP/USD)が0.1%前後の値下がりだったことと比べて大幅な下落になっていた。22日のFX市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長の講演内容を受けてドル安が進んだ。

7月CPIは物価上昇が加速か RBAの目標範囲内には収まる見通し
こうした中、豪ドル円相場をめぐっては、オーストラリア統計局が27日に発表する7月CPIに注目が集まる。ブルームバーグがまとめた市場予想では、総合指数の伸び率が前年同月比2.3%となる見通し。6月の1.9%からは物価上昇が加速することになるが、引き続きRBAが目標とする2-3%の物価上昇率の範囲に収まる形だ。27日に発表される実際の結果が予想を下回る伸び率だった場合には、RBAによる利下げが想定通りに進むとの見方が豪ドル安要因となる可能性がありそうだ。

RBAの利下げは織り込み済みの可能性 7月CPIには限定的な反応も
ただ、金融市場ではRBAの利下げはすでに織り込まれているとみることもできる。ブルームバーグによると、25日午後1時14分段階の金融市場では、12月理事会後の政策金利は3.233%とみられており、RBA自身の見通し(3.4%)よりも低い水準。さらに2026年6月の政策金利について見込まれている3.008%という水準も、やはりRBAの見通し(3.1%)よりも低い。

このため7月CPIの結果が予想から下振れた場合でも、利下げ見通しが大きくは深まらない可能性もある。RBAは7月の理事会では市場予想に反して利下げを見送り、豪ドル円相場での豪ドル進行を招いたこともある。RBAは12日に公表した理事会後の声明文の中で、「世界経済の不確実性は高まったままだ」などとして、経済の見通しを慎重に見極める考えを示しており、金融市場で7月のCPI単体の結果ではRBAの動きは変わらないとの受け止めが強ければ、豪ドル円相場の値動きが限定的になることも考えられそうだ。
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