豪ドル円は意外な上昇も 12日利下げ確実 慎重見通しで豪ドル高?
オーストラリア準備銀行は12日の利下げが確実。ただ、今後の利下げに中立的な立場を示せば、豪ドル高要因になる可能性もある。

豪ドル円相場で意外な豪ドル高が進む可能性がありそうだ。オーストラリアの中央銀行にあたるオーストラリア準備銀行(RBA)は11、12日の理事会での政策金利の引き下げが確実視される状況。声明文やミシェル・ブロック総裁の記者会見で今後の利下げの方向性が強調されれば、豪ドルが売られやすくなるシナリオが考えられる。ただ、RBAは前回7月の理事会で金融市場の予想を裏切る形で利下げを見送っており、物価動向を慎重に見極めるスタイルが明確になった。今回の理事会でも将来の利下げ期待を高めるような情報発信が控えられれば、サプライズとなって豪ドル高が進むシナリオも想定される。また、日本銀行も利上げへの迷いを示している中では円高要因での豪ドル安も進みにくいといえ、RBAの利下げで素直に豪ドル安が進むとは言い切れない。
オーストラリア準備銀行は12日の利下げが確実視 物価上昇に落ち着き
RBAは12日午後2時30分(日本時間12日午後1時30分)に理事会の結果を発表する。ブルームバーグによると、11日午前8時45分段階の金融市場では、12日の理事会後の政策金利の水準は3.590%と見積もられており、現状の3.85%からの0.25%幅の利下げが確実視されている状況だ。

RBAの利下げが確実値されている背景にあるのは、7月30日に発表された4-6月期の消費者物価指数(CPI)の伸び率に落ち着きが見られたこと。総合指数の伸び率は前年同期比2.1%で、ブルームバーグがまとめた市場予想の2.2%を下回る結果だった。また、価格変動の大きな品目を除いた刈り込み平均での伸び率も2.7%となり、1-3月期の2.9%から低下した。

RBAは3か月ごとの利下げペース? 今後の利下げに慎重見通しなら豪ドル高も
RBAは2月に4年3か月ぶりの利下げを決めた後、5月にも追加利下げを決定。今回の理事会でも利下げが決まれば、3か月ごとに利下げを進める流れが感じられる。12日に発表される声明文やブロック氏の記者会見で、こうした利下げペースの継続に軸足が置かれれば、豪ドル安が進みやすくなる筋書きもありえそうだ。豪ドル円相場(AUD/JPY)は日本時間11日午前8時45分段階で1豪ドル=96.23円で取引されており、95円台への豪ドル安進行も考えられる。

ただ、RBAは物価上昇率の低下を確信できていない可能性もある。RBAは前回7月の理事会では、金融市場での利下げ期待が高まる中でも政策金利の維持を決定。RBAは物価上昇率の目標を2-3%に設定しており、ブロック氏は物価上昇率が持続的に2.5%で推移し続けることとを慎重に見極める立場を強調した。このためRBAは今回の理事会で利下げを決めたとしても、今後の利下げについては「経済指標次第」といった中立的な立場を示す可能性がある。この場合は豪ドルに上昇圧力がかかりそうだ。
日銀は利上げに慎重姿勢 スローペースの円高は豪ドル高要因に
また豪ドル円相場をめぐっては、日銀が物価上昇率の高止まりにも関わらず、利上げへのためらいをみせていることも豪ドル高要因といえる。日銀は7月31日に政策金利を0.5%で維持。植田和男総裁は記者会見で、物価上昇は供給要因で引き起こされているとの立場を重視し、利上げで需要を抑え込んでも物価上昇を抑制する効果が薄い可能性を示唆した。同時に輸入物価の上昇要因といえる円安についても、想定を大きく上回って進行しているわけではないと述べ、利上げで円安を抑え込むことの必要性を否定した。
こうした中でも、円の対ドル相場は米国の7月雇用統計の予想外の弱さがサプライズとなった1日には、ニューヨーク市場の終値で前日比2.27%高となり、豪ドルの対ドル相場(AUD/USD)の0.76%高をしのぐ大幅な円高となった。この日の豪ドル円相場の終値は1豪ドル=95.41円となり、前日比で1.46円の円高が進んだ。しかしその後は円の上昇が抑え込まれる一方、豪ドルの対ドル相場はじわじわと上昇し、豪ドル円相場が豪ドル高方向に動いている。

このためRBAが12日に利下げを決めたとしても、豪ドル円相場での豪ドル高の流れは途切れない可能性がある。同じ12日の夜には米国の7月CPIが発表されることもあり、RBAの発表直後の豪ドル円相場の値動きが限定的になることも想定されそうだ。
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