豪ドル円は再び上昇加速か 24日CPI 物価上振れで利下げ観測後退
豪ドル円相場は約8か月ぶりの豪ドル高水準。24日発表の8月CPIが予想よりも上振れれば、改めて豪ドル高が進む可能性がある。

豪ドル円相場で豪ドル高が再加速する可能性がある。豪ドル円相場は日本時間22日午前の取引で1豪ドル=97円台半ばで推移。18日まで維持していた98円台からは後退したものの、8か月ぶりの豪ドル高水準といえる。豪ドル高進行のきっかけは約1か月前に発表された7月の消費者物価指数(CPI)が予想を超える伸びとなり、オーストラリア準備銀行(RBA)の利下げ見通しが後退したこと。24日発表の8月CPIでも再び物価上昇の過熱が感じられれば、同様の展開で豪ドル高が再加速するシナリオが考えられそうだ。一方、ドル円相場では19日までの日本銀行の金融政策決定会合を経て、利上げ期待が強まったとはいえ、先行きの不透明感もあって円高進行は限定的。やはり豪ドル円相場は豪ドル高に振れやすい状況だとみることができる。
豪ドル円相場は97円台 約8か月ぶりの豪ドル高水準の勢いを維持
豪ドル円(AUD/JPY)は日本時間22日午前11時段階で1豪ドル=97.62円で取引されている。ブルームバーグによると、豪ドル円相場は12日には一時、98.43円をつけ、1月27日(98.60円)以来、約8か月ぶりの豪ドル高水準に到達。8月20日につけた94.40円との比較では、約3週間で4.26%の豪ドル高進行となっていた。足元の水準はやや豪ドル安に振れてはいるが、引き続き豪ドル高の勢いは維持されているようだ。

豪ドル高のきっかけは7月CPIの強さ オーストラリア中銀の利下げ見通しが後退
豪ドル高が進行したきっかけは8月27日に発表された7月CPIだ。総合指数の伸び率は前年同月比2.8%となり、ブルームバーグがまとめた市場予想の2.3%を大きく上回る結果。前月(6月)の1.9%から大きく物価上昇が加速した。物価変動が大きかった品目を除いた刈り込み平均でみても、7月CPIの伸び率は2.7%となり、6月の2.1%から大きく伸びている。オーストラリアの中央銀行にあたるRBAが物価上昇率の目標範囲としている2-3%の上限に近づく動きだ。
このため7月CPI発表後の金融市場ではRBAの利下げ見通しが後退。ブルームバーグによると、22日午前11時段階の金融市場で見込まれている11月理事会後の政策金利の水準は3.380%で、7月CPI発表前日の3.311%よりも0.069%ポイント高くなっている。11月の利下げ確率は86%ほどで、100%を超えていた7月CPI発表前の水準よりも低くなった。RBAは2月の理事会で4年3か月ぶりの利下げを決めて以降、2会合につき1回のペースで利下げを進めてきたが、ペースが減速する可能性がある。


オーストラリアの物価動向をめぐっては24日午前11時30分(日本時間24日午前10時30分)に8月CPIが発表される。ブルームバーグがまとめた事前予想によると、総合指数の伸び率は前年同月比2.9%になる見通し。発表される結果が予想よりも上振れれば、RBAの利下げ見通しがさらに後退して豪ドル高の流れが強まる可能性がありそうだ。

ドル円相場は横ばい傾向 豪ドル高を下支えか
一方、ドル円相場(USD/JPY)は横ばい傾向が続いている。日本銀行は19日までの金融政策決定会合で政策金利の維持を決定。9人の委員のうち2人が0.25%幅での利下げを提案していたことで円高圧力が強まってはいるが、植田和男総裁は記者会見で米国の高関税政策が日本経済に及ぼす影響について「もう少しデータをみたい」としており、先行きの不透明感は拭えない。22日午前のドル円相場は1ドル=148円台で、日銀の金融政策発表直前とほぼ同じ水準だ。
ドル円相場での円高進行の足取りの重さは、豪ドル円相場にとっては豪ドル高の流れを下支えする要因として働く。24日のオーストラリアの8月CPIの発表後に豪ドル高が進みやすい状況は、ドル円相場をめぐる環境からも裏付けられているといえる。
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