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アーム、2026年3月期の見通しは? 7日決算 株価反発の勢い続くか

アームの7日の決算発表は業績見通しが焦点。トランプ氏の政権運営が半導体市場も揺さぶる中、高成長維持の道筋を描けるかが注目される。

アーム、2026年3月期の見通しは? 7日決算 株価反発の勢い続くか 出所:Adobe Images

英半導体大手のアーム・ホールディングスがアメリカ東部時間5月7日の取引時間終了後に行う2025年1-3月期決算発表は、2026年3月期の業績についての見通しが焦点となる。アームは2025年3月期は総収入が20%超の上昇となる見通し。そのうえで2026年3月期についても高成長を維持できる道筋を示せるかが注目される。ただ、アームの業績は半導体市場の動向に左右される側面があり、米国のドナルド・トランプ大統領を震源とする世界経済の混乱が逆風となる懸念は拭えない。アームの株価はトランプ氏の相互関税一部停止を機に反発傾向にあるものの、決算発表後にムードが変わる可能性もありそうだ。

アームの2025年1-3月期決算は総収入が32%増の見通し 3月通期では23%増予想

アームは米国東部時間7日午後5時(日本時間8日午前6時)から決算会見を開く。ブルームバーグのまとめによると、アームの1-3月期決算に関する市場予想は総収入が前年同期比32.7%増の12.31億ドルの見通し。調整ベースの1株当たり利益(EPS)は44.4%増の0.52ドルと見込まれている。2025年3月通期としては、総収入が前期比23.7%増の39.98億ドルと予想されている。アームは2023年9月14日に米ナスダック市場に米国預託証券(ADR)を上場。その後に発表した6回の四半期決算はいずれも、総収入と1株当たり利益が市場予想を超えている。

アーム・ホールディングスの業績(総収入、1株当たり利益)の推移のグラフ

アームの株価は高値から38%安の水準 トランプ氏就任直後の期待が後退

アームの株価(ARM)の29日の終値は111.65ドルで、2024年末比で9.49%安。1月22日につけた直近の高値(179.93ドル)からは37.95%安の水準だ。株価は高値当時、トランプ氏が人工知能(AI)関連投資を後押しすることへの期待から大きく値上がりしていたが、中国のAI開発企業ディープシークが脚光を浴びたことを機に株価は急落。2月5日に行った前回(2024年10-12月期)決算発表も投資家の期待に応えられず、株価の勢いは失われた。トランプ氏による4月2日の相互関税発表も株価の下落要因となっている。

アーム・ホールディングスの株価と予想株価収益率(PER)の推移のグラフ

ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は29日時点で56倍で、前回決算発表当日の86倍程度から割高感が和らいだ。一方、株式市場でのAIブームを象徴する銘柄である半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)の25倍程度との比較では依然として割高感が際立っている。アナリストが提示する目標株価の平均は150ドルで、現状よりも34%ほど高い。45人のアナリストのうち25人は買いを勧める一方、16人は維持、4人は売りを推奨している。

アームは2026年3月期の総収入見通しで高成長を維持できるか?

アームの7日の決算発表で焦点となるのは2026年3月期の業績についてどのような見通しが示されるかだ。ブルームバーグのまとめによると、金融市場で予想されている2026年3月期の総収入は49.34億ドル。2025年3月期も市場予想通りだったと仮定した場合の前期比伸び率は23.4%で、成長ペースが維持されると見込まれている形だ。アームが7日に示す見通しが、こうした投資家の期待に応えられなければ、株価には下落圧力がかかる可能性がある。

アームの経営環境をめぐる不安は強い。アームの収入は、顧客企業との間でアームの技術を用いた半導体製造の契約を結ぶ際にアームが受け取るライセンス収入と、顧客企業がアームの技術を用いた半導体の製造で得た収益に応じて受け取るロイヤルティ収入に大別される。このうちロイヤルティ収入は半導体市場が悪化し、顧客企業の売り上げが落ち込めば悪影響を受ける。トランプ政権が半導体の中国向け輸出に関して規制強化を進め、半導体市場に逆風が強まっていることは、アームの業績を下押しする可能性がありそうだ。

アーム・ホールディングスのライセンス収入とロイヤリティ収入の推移のグラフ

アームの株価は底値からは反発 トランプ氏の予測不能性は株価の重荷に

一方、アームの株価からは最悪期からの脱却も感じられる。トランプ氏は9日に相互関税の一部を停止。145%にも達している中国製品への関税についても引き下げの可能性に言及している。こうした中、足元のアームの株価は8日につけた直近の安値(85.82ドル)との比較では30.10%高まで回復してきた。

また、AIサービスの拡充を進める大手ハイテク企業はAIの普及について産業構造を一変させる大きなビジネスチャンスだとみており、投資意欲が衰えない可能性もある。半導体受託製造最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家(シーシー・ウェイ)CEOは17日の1-3月期決算会見で、「顧客企業の動向には、今のところ何の変化も出ていない」と述べていた。

ただ、トランプ氏の政権運営の予測不能性は企業経営の悪材料であることは間違いない。TSMCも17日の決算会見で、「関税にまつわる不確実性やリスクがある」とも説明していた。アームの株価は直近の安値からは反発しているとはいえ、1月の高値からの急落分の27%を取り戻したにすぎない。アームは日本のソフトバンクグループの子会社でもあり、7日の決算発表で弱気な見通しを示した場合には、日本の株式市場に余波が及ぶ可能性もありそうだ。


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