アップル、株価に上昇機運 トランプ氏と関係修復 iPhoneも復調
アップルの株価は6、7日の連騰で8%高。トランプ氏との関係修復や4-6月期決算のアイフォンの復調が追い風で、株価の上昇機運が高まっている。

アップルの株価に上昇機運が高まってきた。アップルの株価の7日の終値は前日比3.18%高となり、約4か月ぶりの高値を更新。前日とあわせた2日続伸での上昇率は8%超となった。アップルは6日に米国内に1000億ドルの追加投資を行うと発表。ドナルド・トランプ大統領はアップル批判の矛を収めており、両者の関係修復がアップルに対するトランプ関税の悪影響の抑制につながるとのとの期待が出ている。またアップルは7月31日に発表した2025年4-6月期決算では主力製品のiPhone(アイフォン)の販売復調を実現しており、高成長が戻ってくるとの見方も強まってきた。アップルの株価上昇は2025年に大きくつまづいていただけに、今後は回復に拍車がかかるとのシナリオも考えられそうだ。
アップルの株価は2日続伸で8.43%高 トランプ氏との関係修復が好材料に
アップルの株価(AAPL)の7日の終値は220.03ドルで、トランプ氏が相互関税を発表する直前につけた4月2日の終値(223.89ドル)以来の高さとなった。6日と7日の2日続伸での伸び率は8.43%高で、マグニフィセント・セブンと呼ばれる大手ハイテク7社の中で最大となっている。

アップルの株価上昇に火をつけたのはトランプ氏との関係修復だ。トランプ氏は6日にアップルのティム・クックCEOとホワイトハウスで記者会見し、アップルが米国内に1000億ドルの追加投資を行うと公表。すでに発表している投資も含めれば、今後4年間での投資額は6000億ドルになる。トランプ氏はこれまでアップルがアイフォンを中国やインドで生産していることを問題視してきたが、「アップルは米国に戻ってきている」と満足感を示した。トランプ氏はインド製品に対する50%関税や半導体に対する100%関税の方向性も示しているが、アップルに対する影響は限定的だとみられている。
アップルの2025年4-6月期決算は総収入が9.6%増 3年半ぶりの高さ
またアップルの株価は4-6月期決算の内容も追い風になった。4-6月期の総収入は前年同期比9.6%増の940.36億ドルで、2021年10-12月期(11.2%増)以来の高い伸び。1株当たり利益(EPS)は12.1%増の1.57ドルで、前四半期(1-3月期)の7.8%増を大きく上回った。ブルームバーグがまとめた直前の市場予想は、総収入が893億ドル、1株当たり利益が1.43ドル。発表された結果は総収入と1株当たり利益の両方が市場予想を大きく上回る好決算だった。

アイフォン16シリーズが好調 中華圏市場は8四半期ぶりのプラス成長
アップルの業績が好調だった要因はアイフォンの復調だ。4-6月期のアイフォンの販売額は前年同期比13.5%増の445億ドルで、2021年7-9月期(47.0%増)以来の高い伸び。クック氏は「アイフォン16シリーズの信じられないほどの人気」が原動力になったと胸を張った。アップルはトランプ氏の高関税を回避しようという思惑から4月に駆け込み需要があったことを認めているが、ケビン・パレクCFOは「総収入の約10%の上昇のうち1%ポイント程度に寄与した」と説明し、業績全体への影響は限定的だったとしている。

さらにアップルの業績では中国、香港、台湾を含む中華圏市場の回復も注目された。4-6月期の中華圏の収入は前年同期比4.35%増の153.69億ドルで、2023年4-6月期(7.90%増)以来8四半期ぶりのプラス成長。やはりアイフォン16シリーズなどが好調だったという。クック氏は中国政府のデジタル製品の買い替えを促す補助金制度の影響も一部の製品であったと説明した。

7-9月期は成長減速の可能性 出遅れ気味の株価には上昇の余地
アップルの株価は決算発表直前につけた7月31日終値段階では2024年末比17.11%安で、2025年通年での30.07%高から大きく減速していた。人工知能(AI)機能「アップル・インテリジェンス」を搭載して2024年9月に投入したアイフォン16シリーズの出足が悪かったことや、トランプ関税の悪影響が懸念されてきたことが要因だ。
アップルは今回の決算会見でも、トランプ関税は7-9月期に11億ドル程度の利益下押し効果を生むとしており、悪材料が完全に消えたわけではない。また、パレク氏は7-9月期の総収入の成長率の見通しについて「1桁台後半」とし、4-6月期からの成長減速の可能性を示唆した。駆け込み需要の反動や、1年前はタブレット端末iPad(アイパッド)の新製品投入で売り上げが伸びていたことを考慮した結果だという。
ただ、4-6月期に示されたアイフォンの復調は、アップルがこれまで繰り返してきたアップル・インテリジェンスのサービス展開が世界各国で始まるにつれてアイフォンの販売が伸びるとの見立てを裏付ける結果。トランプ氏との関係修復も足元以上の経営環境悪化は進まないとの期待を持たせる。アップルの株価上昇は大手ハイテク各社の中で出遅れてきただけに、株価上昇の余地は大きいとの見方も成り立ちそうだ。
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