アルファベット、株価下落も 24日決算 成長減速や設備投資に不安
アルファベットは24日に2025年1-3月期決算を発表。成長鈍化や設備投資の上振れがみられれば、株価に下落圧力がかかりそうだ。

アルファベットが24日の取引時間終了後に発表する2025年1-3月期決算は総収入の成長が減速する見通しだ。アメリカのドナルド・トランプ大統領の高関税政策が米国経済や世界経済の見通しを悪くする中、広告事業やクラウド事業の成長にブレーキがかかっている可能性がある。また総収入の伸び悩みと合わせて、設備投資の上振れがみられれば、収益面での不安が強まるおそれもありそうだ。アルファベットの株価は4月上旬には、3か月前の前回決算は票直前につけた最高値から30%安まで値下がりしたこともあり、さらなる下落圧力がかかることも想定される。
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アルファベットの2025年1-3月期決算は成長が鈍化の見通し
アルファベットは米国東部時間の24日午後4時30分(日本時間25日午前5時30分)に決算会見を開く。ブルームバーグのまとめによると、アルファベットの1-3月期決算に関する事前予想では、総収入は前年同期比10.6%増の891.13億ドル、1株当たり利益(EPS)は6.9%増の2.02ドルになる見通しだ。予想通りになれば、総収入は前期(2024年10-12月期)の11.8%増から成長が鈍化し、1株当たり利益の伸びは前期(31.1%増)から急減速する見通しだ。アルファベットは直近20回の四半期決算のうち、前回を含む3回で総収入が市場予想を下回った。1株当たり利益では4回で予想を超えられなかった。

アルファベットの株価は一時、最高値から30%安まで下落 割高感に和らぎ
アルファベットの株価(GOOGL)は2023年に58.32%高、2024年に35.51%高という大幅な値上がり記録した。しかし16日の終値の153.33ドルは、2024年末比で19.00%安で、S&P500種株価指数(SPX)の10.30%安よりも悪い実績。前回決算発表直前の2月4日には上場来高値となる206.38ドルをつけていたが、トランプ氏の相互関税の悪影響への懸念が高まった4月8日には直近の底値となる144.70ドルまで値下がりし、高値からの下落率は29.89%安となっていた。

ブルームバーグによると、アルファベットの直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は16日時点で約17倍。前回決算発表当日の22倍程度から大きく低下しており、株価急落の結果として割高感が和らいだといえそうだ。アナリストが提示する目標株価の平均は約206ドルで、現状よりも34%ほど高い。75人のアナリストのうち60人は買いを推奨。15人は維持を勧めている。
世界経済の不透明感が広告事業に影響か クラウド事業も成長減速見通し
アルファベットの総収入の成長鈍化が見込まれている背景には、広告事業の伸び悩みが予想されていることがある。ブルームバーグによると、1-3月期の広告事業の収入は前年同期比7.7%増の664.20億ドルとなる見通しで、伸び率は前期の10.6%増から大幅に小さくなりそうだ。米国経済をめぐっては2月中旬以降、景気後退懸念が意識されるようになったほか、トランプ氏は3月以降、鉄鋼・アルミニウムに対する25%関税や、自動車に対する25%関税を発動させており、経済の見通しの不透明感が企業に広告出稿をためらわせている可能性もある。また、AIサービスの提供基盤となるクラウド事業についても、1-3月期の収入の伸び率は28.6%増となり、前期(30.1%増)を下回るとみられている。

設備投資が上振れなら株価を下押しか 営業利益の動向にも注目
総収入が伸び悩んだ場合、アルファベットが続けてきたAI関連の設備投資が業績の重荷として意識されることが考えられそうだ。アルファベットは前回の決算会見で、2025年の通年での設備投資額が前年比42.8%増にあたる750億ドルになるとの見通しを提示し、設備投資負担が嫌気される要因となっていた。また、1-3月期の設備投資額については160-180億ドルとの範囲を提示。中間値の170億ドルは前年同期比41.5%にあたり、実際の結果や通年での見通しが上振れるなどすれば、株価には下落圧力がかかりそうだ。

また、アルファベットのアナト・アシュケナージCFOは前回決算会見で、ここ数年の設備投資額増加の結果として、「2025年は減価償却費の増加率がより大きくなると予想している」との見通しを示し、「損益に圧力がかかる」としていた。アルファベットの営業利益率は2024年以降32%程度で推移しているが、下振れが感じられた場合にも投資家の不安を強める可能性がある。

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