コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

原油価格、値下がり圧力継続 WTIは63ドル OPECプラス控えめ増産

WTIは63ドルを挟んだ値動き。OPECプラスの増産が小幅だったことが値上がり圧力となったが、原油高の要因である過剰供給見通しは消えていない。

原油価格、値下がり圧力継続 WTIは63ドル OPECプラス控えめ増産 出所:Adobe Images

原油価格の値動きの膠着が続いている。原油先物市場の指標価格であるWTI(翌月渡し)は日本時間10日の取引で1バレル=63ドルを挟んだ値動き。サウジアラビアやロシアなどを含むOPECプラス内の8か国は7日に新たな枠組みでの増産を決めたものの、増産幅は小さく、原油価格の下落にはつながらなかった。また、原油市場ではアメリカのロシアに対する経済制裁強化の可能性も材料視されており、ロシア産原油が市場から締め出されるとの見方が原油価格を下支えしている。ただ、原油市場では需要の弱さも改めて意識されており、原油価格を下落させる要因である過剰供給が続くとの見方は根強い。OPECプラスの増産も小幅とはいえ供給量を増やす施策であることは間違いなく、今後も原油価格を下落させる要因として働きそうだ。

WTIは63ドルを挟んだ値動き 3か月ぶりの安値から反発

WTI(翌月渡し、WTI原油)は日本時間10日午後5時48分段階で1バレル=63.13ドルで取引されている。ブルームバーグによると、WTIは5日には一時、61.45ドルをつけ、6月2日(61.06ドル)以来、3か月ぶりの安値を記録。しかし週末をはさんだ8日以降は62-63ドル台での値動きで膠着状態に入っている。日本時間9日夜にはイスラエルがカタールの首都ドーハにあるイスラム組織ハマスの指導部に対する攻撃を行ったと伝わったが、WTIの値上がりは限定的だった。

WTIの推移と主な出来事のグラフ

OPECプラスは10月の生産量を日量13.7万バレル上積み 増産がペースダウン

このところの原油価格を動かしている要因のひとつがOPECプラスの動向だ。サウジやロシアなどのOPECプラス内8か国は4月から段階的な増産に着手。9月には2024年12月段階で計画していた増産量を1年前倒しで達成する方向で、原油価格に下落圧力をかけてきた。5日段階でのWTIの下落は、8か国が7日予定の会合で新たな枠組みでの増産を決めるとの見方が、原油の過剰供給を連想させたことが要因だ。

ところが8か国が7日に発表した合意は10月の生産量を9月比で日量13.7万バレル積み増すにとどめる内容。8月と9月は前月比で日量55万バレル程度の増産を決めていただけに、増産のペースダウンが印象づけられた。声明文は今回の増産が2023年4月までに発表された日量166万バレルの減産を巻き戻すという新たな枠組みであることが示されたが、具体的な増産ペースは明らかではなく、週明け8日のWTIの終値は前週末比0.63%高と反発した。

OPECプラス内8か国の増産の推移のグラフ

米国のロシアへの経済制裁の可能性は原油価格の上昇要因 EUと足並みそろうか

また8日のWTIの値上がりの背景には、米国がロシアへの経済制裁を強化することでロシア産原油が市場から締め出され、原油価格の上昇要因になるとのシナリオが意識されたこともありそうだ。ドナルド・トランプ大統領は7日、記者団からロシアに対する経済制裁を次の段階に進める準備をしているかと問われ、「している」と応じた。ロシアは7日にウクライナの首都キーウにミサイルなどによる攻撃を行い、政府の庁舎に初めて被害が出たと報じられている。スコット・ベッセント財務長官は7日、米NBCテレビでのインタビューで、欧州連合(EU)と共同でロシアに対する経済制裁を強化する構想に言及。米国とEUが足並みをそろえて、ロシア産原油を輸入している国に対する高関税措置に踏み切れば、「ロシア経済は完全に崩壊し、(ウラジミール・)プーチン大統領を交渉の席につかせることができるだろう」と述べた。

ただ、原油市場では需要の弱さも改めて意識されている。米エネルギー情報局(EIA)が4日に発表した8月29日段階での原油在庫量(戦略備蓄除く)は1週間前比で241.5万バレルの増加。ブルームバーグがまとめた市場予想の190.0万バレル減とは対照的な在庫の上積みだった。同時に、米国で5日に発表された8月の雇用統計が労働市場の悪化を示す内容だったことも、米国経済の弱さが原油需要を弱めるとの見方を強めている。EIAが10日午前10時30分(日本時間10日午後11時30分)に発表する5日時点の在庫量は186.9万バレルの減少と予想されているが、在庫の減少が想定よりも小さくなるなどすれば、WTIに下落圧力がかかることも考えられる。

米国の原油在庫の推移のグラフ

OPECプラス8か国の7日の合意内容は、足元ではWTIを値上がりさせたが、今後、実際の増産ペースが市場の想定を上回れば、再び原油価格を値下がりさせる要因とみなされる可能性もある。ロシアに対する経済制裁も米国とEUの足並みがそろうかどうかは定かでなく、ロシア産原油の供給が抑えらえることが価格上昇につながるという思惑が徐々に後退していく展開も想定されそうだ。


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

こんなに豊富?IG証券のCFD銘柄は17,000以上

外国為替、日本株・外国株、株価指数、債券先物、商品(エネルギー、農産物、貴金属)など多彩な資産クラスをFX取引、CFD、バイナリーオプション、ノックアウト・オプションで提供

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! デモ口座のみお持ちのお客さまには、2週間の期間限定での配信となります。受信を継続するにはライブ口座の開設をお願いいたします。 ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。