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アドバンテスト、急落株価の反発なるか 業績見通し強気 割高感は拡大

アドバンテストの株価は約1週間前の最高値から9%値下がり。決算発表後の急騰の勢いが削がれた。エヌビディアの決算発表後の反発もありえる。

Source: ブルームバーグ

Written by

小雲 規生

小雲 規生

シニアファイナンシャルライター/Senior Financial Writer

作成日

半導体検査装置のアドバンテストの株価が急落している。アドバンテストの株価の25日の終値は17日につけた最高値から1週間あまりで9%安。7月29日の2026年4-6月期決算発表後の急騰の勢いが失われた。アドバンテストの株価には割高感が出ているうえ、日本時間27日朝にはアメリカの半導体大手NIVIDIA(エヌビディア)の決算発表を控えていることもあり、投資家の間で警戒感が出ているようだ。ただ、アドバンテストの業績が好調であることは間違いなく、4-6月期決算発表に際しては2027年3月通期の業績見通しを大幅に上方修正。人工知能(AI)の本格普及を背景とした半導体需要の強まりと、検査工程の複雑化による検査装置への需要増という二重の追い風が続くとの自信を深めている。金融市場では決算発表後、アナリストによるアドバンテストの目標株価の引き上げが加速した。こうした中、エヌビディアの決算発表の内容が投資家に好感されれば、アドバンテストの株価が大きく反発する可能性もありそうだ。

アドバンテストの株価は最高値から1週間あまりで9%の急落

アドバンテストの株価(6857)の25日の終値は前日比0.14%安の3万4450円。前日の3.90%安に続く値下がりとなった。17日につけた最高値(3万7780円)からは8.81%安となっている。ブルームバーグによると、アドバンテストの株価は4-6月期決算発表直前の7月29日終値でつけた2万5200円から約2週間半後の最高値まで49.92%高の急騰をみせていたが、上昇の勢いにブレーキがかかっている。

アドバンテストの株価と予想株価収益率の推移のグラフ

アドバンテストの株価急落の背景には割高の急激な高まりがありそうだ。ブルームバーグによると、アドバンテストの株価と今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)から算出される株価収益率(PER)は最高値段階で42.2倍となり、決算発表当日の28.7倍から大きく膨らんだ。株価が1.5倍に高まる中、予想1株当たり利益の増加は2.1%程度に留まった結果だ。予想株価収益率は25日終値段階では38.5倍まで下がってはいるものの、それでも株式市場でAIブームが本格化した2023年以降の平均値(37.8倍)を上回っている。また、投資家の脳裏にはエヌビディアが27日朝に行う5-7月期決算発表への警戒もありそうだ。。

2026年4-6月期決算は好調 2027年3月通期見通しを上方修正

ただ、アドバンテストの業績が力強さを増していることは確かだ。アドバンテストの4-6月期決算は総収入が前年同期比39.3%増の3675億円。営業利益は53.3%増の1900億円だった。ブルームバーグがまとめた直前の市場予想は総収入が3400億円、営業利益が1592億円。発表された結果はいずれも予想を大きく上回る内容だった。

アドバンテストの総収入と営業利益の推移のグラフ

また、アドバンテストは4-6月期決算発表に際して、3カ月前に示した2027年3月通期の業績予想を上方修正。総収入は前年同期比51.9%増の1兆7140億円、営業利益は69.5%増の8460億円になるとの見通しを示した。エージェント型AIの普及により、AI向けに開発されてきたカスタム半導体(ASIC)や、AIが複雑な業務をこなすようになったことで重要性が高まった中央演算処理装置(CPU)、メモリ半導体のDRAMを含む幅広い半導体の需要が拡大し、アドバンテストの検査装置への需要が増していることが要因だ。また、半導体の複雑化は性能検査の複雑化や必要とされる検査回数の増加にもつながっており、検査装置への需要を一層高める要因になっているという。

SoCの市場規模は59%増の見通し アドバンテストのシェアは7割も視野

アドバンテストは決算発表に際して、異なる半導体をひとつのチップに統合した「SoC(システム・オン・チップ)」の2026年の市場規模は105億-115億ドルになるとし、4月時点の推定値(87億-95億ドル)から約21%引き上げた。2025年の実績である69億ドルとの比較では59.4%増にあたる水準だ。

アドバンテストのSoC検査装置による収入は4-6月期は前年同期比35.7%増の2596億円だが、2027年3月通期について62.0%増の1兆2435億円になると見込んでいる。ダグラス・ラフィーバCEOは決算会見で、SoC検査装置のV93000について、数多くの顧客に採用されている「重要な基盤」になっていると強調。SoCテスタ市場における市場シェアは2025年は66%に達しており、「将来的には70%を超える道筋がみえてきている」とした。

アドバンテストのSoCテスタとメモリテスタの収入の推移のグラフ

アナリストからは5万5200円の目標株価も 上昇圧力の再燃なるか

こうした中、金融機関のアナリストからはアドバンテストの目標株価の引き上げが相次いでいる。ブルームバーグによると、アドバンテストをカバーするアナリストが示す目標株価の平均は26日朝の段階で4万2470円。決算発表前の3万6555円から16%程度高くなった。一部のアナリストからは25日終値よりも60%高い5万5200円を目標株価とする声も出ている。このためアドバンテストの株価は、エヌビディアの決算発表が好感されれば、強い上昇圧力がかかる可能性がありそうだ。

一方、株価が最高値付近まで上昇した場合には割高感が意識される展開も考えられる。また、エヌビディアの決算発表に変調が感じられれば、株価上昇の勢いが改めて削がれる恐れもあり、アドバンテストの決算発表後の株価上昇の勢いがどこまで戻るかには不透明感も残っている。

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