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米国株 週間見通し(8/18週):S&P500予想6380~6550、調整売り警戒も利下げ期待が下支え

強気相場を維持するS&P500だが、短期間での最高値更新が続き相場の過熱感が意識されやすい状況にある。今週は調整売りを警戒したい。しかし、利下げ期待が相場を下支えしよう。株価指数CFD「米国500」の週間展望と注目のテクニカルラインについてIG証券のアナリストが分かりやすく解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

・強気相場を維持するS&P500だが、今週は過熱感による調整売りを警戒したい
・揺れる連続利下げの思惑、ジャクソンホール会議でのパウエル講演に注目
・米国500の週間予想レンジは6380~6550
 ※米国500はS&P500が原資産の株価指数CFD




強気相場維持も過熱感が意識されやすい

8月11日週の米国株も強気相場を維持した。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は13日に終値で21713.14まで上昇し最高値をつけた。多くの機関投資家が運用のベンチマークにするS&P500種株価指数(以下ではS&P500)は、12日から14日まで3日連続で最高値を更新した(14日終値は6468.54)。投資家の心理を表すVIX指数は15ポイント台、VXN指数は17ポイント台と警戒水準の「20」を下回る状況にある。

来週も米国株は強気相場を維持することが予想される。しかし、短期的な上昇の過熱感が意識されやすい状況にある点には注意が必要だろう。ブルームバーグのデータによれば、S&P500の株価収益率(PER)は15日時点で27倍台と、上昇トレンドが鮮明となった2023年以降の平均23.58倍を超える水準にある。予想PERも24倍と、2023年以降の平均21.8倍を超える水準にある。

S&P500 株価収益率(PER)の推移:日次 2023年以降

S&P500 株価収益率(PER)の推移:日次 2023年以降

ブルームバーグのデータで作成

また、S&P500の日足ストキャスティクスとRSIは買われすぎの水準へ到達した後、低下基調に転じつつある(下のチャート、黒矢印を参照)。今週は相場の過熱感を意識した調整売りを想定しておきたい。

S&P500のチャート:日足 6月以降

S&P500のチャート:日足 6月以降

揺れる連続利下げ期待、ジャクソンホール会議でのパウエル講演に注目

今週S&P500が下値を試す展開となっても、下落幅は限定的となることが予想される。そう考える理由の一つが企業業績の見通しである。ファクトセットによれば、第2四半期(4~6月期)決算では、S&P500構成企業の81%が1株利益(EPS)で前年比+11.8%の二桁増となった。売上高は前年同期比+6.3%増と、 2022年第3四半期以来の高い成長率となった。2025年通期の予想EPSは267.48ドル(前年比+10.3%)、2026年通期は302.53ドル(同比+13.3%)と、2年連続の二桁成長を見込む(8/8時点の予想)。

もう一つ注目すべき要因が、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ姿勢に対する市場の思惑である。先週発表された米インフレ指標はまちまちの内容となった。7月消費者物価指数(CPI)がおおむね予想通りの内容だった。一方、同月の生産者物価指数(PPI)は市場予想を上回った。8月のミシガン大学期待インフレ率は、1年先が4.9%(前月4.5%)、5~10年先が3.9%(前月3.4%)と上昇した。ベッセント米財務長官の利下げを巡る発言も二転三転した。それでも短期金融市場では、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げを織り込む状況にある。

注目すべきは、10月と12月の利下げに対する市場の思惑である。10月の利下げの確率は雇用統計ショック時の70%台から50%台へ低下している。一方、12月の利下げ確率は70%台で推移している。現状、年内2回利下げがベースシナリオである。しかし、7月FOMC後の予想確率の推移を確認すると、市場参加者の意識は年3回利下げの可能性に向いている。

米FOMC 利下げの予想確率

米FOMC 利下げの予想確率

ブルームバーグのデータで作成 / OISに基づく予想確率

今週21~23日に米ワイオミング州で毎年8月恒例の年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が開催される。過去、この会議で米金融政策の方向性が示されたことがある。現在は、その米金融政策が再び利下げ局面へ転じるかどうかの分岐点にある。ゆえに、市場参加者は22日23時(日本時間)に予定されているパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の経済見通しに関する講演に注目するだろう。直近の雇用とインフレのデータを踏まえ、パウエルFRB議長が利下げに向けて前向きな姿勢を示す場合、用いる表現次第で連続利下げの可能性を高める要因になり得る。


米国500の週間見通しとテクニカル分析

予想レンジの上限:6550
S&P500は現在、6500のラインを意識する状況にある。同指数の株価指数CFD「米国500」は先週、6487まで上昇した。原資産のS&P500と同じく6500を意識する状況にある。このラインを挟んでトレンドチャネル内の高安で算出されるフィボナッチ・エクステンション161.8%の水準が密集している。一番上の水準6520レベルを突破する場合は、さらなる上値トライを想定したい。

米国500が6520レベルを突破する場合は、15日の終値6445から約100ポイント上の水準6550レベルを視野に上昇幅の拡大を想定したい。このラインを今週の予想レンジの上限と想定したい。来週、米国500が6550のラインをも突破すれば、8月末までに日足のフィボナッチ・エクステンション161.8の水準6593(6600のライン)をトライする可能性が出てくる(日足チャートを参照)。

レジスタンスライン
・6550:予想レンジの上限(日足)
・6500~20:エクステンションが密集するレジスタンスゾーン(4時間足)
・6487:8月15日の高値(4時間足、日足)

予想レンジの下限:6380
相場の過熱感が意識されS&P500が反落する場合、今週の米国500は以下にまとめたサポートラインの攻防に注目したい。

週間の予想レンジ下限は6380レベルを想定。このラインは、現時点での8月高安のフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準にあたる(4時間足チャート参照)。また、15日時点で20日線が6375レベルまで上昇している(日足チャート参照)。

米国500が6380を目指すサインとして、まずは7月31日の高値6436レベルの攻防に注目したい。この水準がサポートラインへ転換する場合は、地合いの強さを市場参加者に印象づけるだろう。米国500が6436を下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準6422、および6400ラインの攻防を意識したい。6400の下方ブレイクは、6380をトライするサインと捉えたい。

サポートライン
・6436:7月31日の高値(日足)
・6422:23.6%戻し(4時間足)
・6400:サポートライン(4時間足)
・6380:予想レンジの下限(4時間足)


米国500のチャート:日足 7月以降

米国500のチャート:日足 7月以降

出典:IG / TradingView

米国500のチャート:4時間足 7月下旬以降

米国500のチャート:4時間足 7月下旬以降

出典:IG / TradingView


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