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【米国株】ナスダック100の見通し(12/17):テスラ以外ハイテク軟調、CPIで下落拡大も

IG証券のアナリストによるナスダック100の短期見通し。焦点はマイクロン決算と11月CPI。株価指数CFD「米国テク株100」の詳細なテクニカル分析。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 調整売りに直面する米AI相場。12月のマグニフィセントセブンはテスラ以外軟調。半導体株もさえない。17日のマイクロン決算に注目
  • 雇用統計とPMI速報値は雇用と企業活動の減速を示唆した。次の焦点は18日の11月CPI。インフレ懸念高まればハイテク売りによるナスダック100の下落警戒
  • 米国テク株100」の上限予想は25600、下限予想は24300(今週19日まで)



ハイテク株軟調、テスラ一人勝ち

米国のAI相場は調整売りに直面している。12月のマグニフィセントセブン(M7)の変動率を見ると、テスラ(TSLA)の株価のみが気を吐き約14%高にある。16日の米株式市場では約1年ぶりに上場来高値を更新した。

対照的に他の6銘柄のパフォーマンスはさえない。エヌビディア(NVDA)はほぼ横ばい。他の銘柄はマイナス圏で推移している(16日時点)。

株価指数も軟調地合いにある。特にハイテク株でトレンドが左右されるナスダック100が1.2%と下落拡大。ハイテク株売りが続けば、株価指数CFD「米国テク株100」は後述するチャート水準のトライを意識したい。

米主要指数とハイテク株の変動率:月初来

米主要指数とハイテク株の変動率:月初来

ブルームバーグのデータで作成

半導体株もさえない。AI過剰投資の懸念でブロードコム(AVGO)は15%安で下落が拡大している。17日の取引終了後に9-11月期(第1四半期)決算を発表するマイクロン・テクノロジー(MU、以下マイクロン)も上値が重い。14日のIG米国株レポートで述べたとおり、マイクロンの決算次第では他の半導体株の売りを促す可能性があろう。

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雇用減速、企業活動は低迷

12月16日、政府閉鎖で延期されていた重要指標が一斉に発表された。

米労働省が発表した雇用統計では、11月の非農業部門雇用者数が前月比6.4万人増とブルームバーグ予想の5.0万人増を上回った。しかし、10月は10.5万人の大幅減となり、失業率も4.6%と2021年9月以来の高水準に上昇。労働市場の減速を示唆する内容だった。

10月の小売売上高は前月比で横ばい(0.0%)だった。EV補助金終了による自動車販売の急減が押し下げ要因だが、コア売上高(コントロール・グループ)は+0.8%と予想の0.4%を大幅に上回り、消費の底堅さも確認された。

同日発表の12月PMI速報値は総合が53.0と6月以来の低水準に低下した。サービス業も52.9と半年ぶり、製造業は51.8と5カ月ぶりの低水準だった。S&Pグローバルのエコノミストは景気拡大の勢いが減速していると指摘。関税によるコスト上昇がサービス業にも波及している点に懸念を示した。

米購買担当者景気指数(PMI)の動向:過去1年間

米購買担当者景気指数(PMI)の動向:過去1年間

ブルームバーグのデータで作成


次の焦点は11月CPI

16日の経済指標を受け、米市場は株安・金利低下で反応した。弱い指標は利下げ期待と景気不安の両方を高める。次の焦点は18日の11月消費者物価指数(CPI)だ。ブルームバーグ予想は総合が前年同期比3.1%、コアが3.0%。

来年の利下げを巡りFRB高官の見解は割れている。12月会合で利下げに反対したシカゴ連銀のグールズビー総裁は「インフレが4年半も目標を上回っている」と慎重姿勢を示しつつも、「来年についてはタカ派ではない」と利下げ余地を認めた。カンザスシティー連銀のシュミッド総裁は「インフレは依然高く、現在の政策金利は引き締め的とは言えない」とよりタカ派の姿勢を示した。一方、フィラデルフィア連銀のポールソン総裁は「インフレよりも労働市場の弱さが懸念」とハト派寄りの立場だ。

高官発言から、来年の利下げパスを左右するのはインフレであることが分かる。今後の物価指標でインフレの粘着性が確認されれば、利下げ期待の後退と米金利の反発が予想される。まずは18日の11月CPIに注目したい。

「インフレ懸念→米金利上昇」となれば、高バリュエーションが意識されやすいAI関連株の調整売り加速を警戒したい。この場合、ナスダック100の下押し圧力が強まるだろう。株価指数CFD「米国テク株100」は、以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。


米国テク株100のテクニカル分析

上限:25600
米国テク株100の反発局面では、以下にまとめたチャート水準の攻防が焦点となろう。

注目は、レジスタンスラインに転換する兆しが見られる25400の攻防だ。このラインをトライするサインとして50日線、そして1時間チャートのフィボナッチ・リトレースメント38.2%(25222)と半値戻しの水準の攻防に注目したい。昨日の市場では、前者のテクニカルライン手前で反発が止められた。50日線は現在、半値戻し付近の25320レベルで推移している。

米国テク株100が25400を完全にブレイクアウトすれば、25600までの反発が予想される。このラインは現時点での今週高安のフィボナッチ・リトレースメント76.4%戻しにあたる。25600を今週19日までの上限と予想する。

チャートポイント
・25600:上限予想(19日まで)、76.4%戻し
・25400:レジスタンス転換の可能性あり
・25320~40:50日線、半値戻し
・25222:38.2%戻し
※フィボナッチ・リトレースメント:1時間足チャートを参照

下限:24300
米国テク株100の調整売りがさらに加速する場合は、11月21日の安値と12月5日高値のフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準24300レベルまでの下落を想定したい。このラインを今週19日までの下限と予想する。

このテクニカルラインをトライするサインとして、まずは90日線(24950)と24830の攻防に注目したい。後者のラインには現在、半値戻しと一目基準線が重なっている。

米国テク株100が61.8%の水準24600レベル(24595)を下方ブレイクすれば、24300のトライを意識したい。

チャートポイント:日足チャート
・24950:90日線
・24830:一目基準線、半値戻し
・24600:61.8%戻し
・24300:下限予想(19日まで)、76.4%戻し


米国テク株100の日足チャート:今年11月以降

米国テク株100の日足チャート:今年11月以降

TradingView提供のチャート

米国テク株100の1時間足チャート:12月11日以降

米国テク株100の1時間足チャート:12月11日以降

TradingView提供のチャート


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