【米国株】S&P500 週間見通し(3/23週):主要中銀のタカ派傾斜を警戒、6400維持なるか?
IG証券のアナリストによるS&P500の週間展望。海外中銀の利上げ観測が急浮上。米国株の新たなリスク要因に。中東情勢はなお不透明。株価指数CFD「米国500」の週間想定レンジは6200~6750。
要点
- 3月のS&P500は20日時点で5.4%安。強気地合いが後退。イランとイスラエルは攻撃の応酬。トランプ米大統領はイラン発電所の攻撃を示唆。原油高は高止まり。今週も中東不安が米国株の重石に
- インフレリスクを受け、海外中銀の利上げ観測が急浮上している。FRBも年内は利下げなしの見方が次第に強まっている。米国株の新たなリスク要因として警戒したい
- S&P500の株価指数CFD「米国500」の週間想定レンジは6200〜6750。下値は6400(52週線)の維持が焦点に。ブレイクなら6200までの下落拡大を警戒。反発局面では戻り売りを意識したい。6750レベルまでの戻りが限界か
混迷のイラン情勢、今週もS&P500は下落警戒
IG証券が提供する株価指数CFDでは、23日の主要な米株価指数は下落スタートとなった。中東リスクを意識する状況が続いている。
原油先物価格が高止まりする中、イスラエル軍は21日、イラン軍が初めて長距離ミサイルを発射したと発表。イスラエル南部の原子力施設付近にもミサイルが着弾し数十人が負傷したという。米国とイスラエルがイランのナタンズ核濃縮施設を攻撃したとの報道もあり、双方の核関連施設が標的となる事態にエスカレートしている。
トランプ米大統領は東部時間21日(日本時間22日午前)、イランが48時間以内にホルムズ海峡を完全に開放しなければ、同国の発電所を攻撃し完全に破壊すると表明した。実際に攻撃に踏み切れば中東混迷長期化の懸念が高まり、原油先物価格のさらなる上昇を招く恐れがある。原油高はインフレリスクに対する市場の警戒心を高めるだろう。
注目は市場心理に与える影響だけではない。以下で詳述するように、主要中銀の政策方針にも大きな影響を与えている。そしてこの動きが、新たな米国株のリスク要因になると筆者は警戒している。
“タカ派”に傾斜する海外中銀、米国株の新たなリスク要因に
先週は中銀ウィークだった。注目すべきは、主要中銀が“タカ派”姿勢(引き締め姿勢)へ転じる可能性が急速に高まっていることだ。
IG週間為替レポートで述べたとおり、欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(英中銀、BOE)は、今年4月にも利上げに踏み切る観測が急浮上している。
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他の主要中銀も同様にタカ派姿勢へ転じている。オーストラリア準備銀行(RBA)は17日、主要国の中銀に先駆けて2会合連続の利上げに踏み切った。20日時点での翌日物金利スワップ(OIS)市場では、次回5月会合の利上げ確率が70%台にあり、3会合連続の利上げが意識されている。
カナダ銀行(BOC)は今年6月までに利上げに踏み切り、12月までに政策金利を3%に引き上げることが織り込まれ始めている。ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は、今年7月までに利上げに踏み切る可能性が高まっており、12月の予想水準は3.4%台に上方シフト。少なくとも4回の利上げを織り込む状況にある。
海外主要中銀の政策金利見通し
ブルームバーグ、OIS市場のデータを基に作成 / 3月20日時点
※赤ライン:各中銀による現在の誘導目標の金利水準
FRB、今年は利下げなしの可能性も
米連邦準備制度理事会(FRB)も例外ではない。18日の米連邦公開市場委員会でFRBは、政策金利であるFF(フェデラルファンド)レートを3.50-3.75%に据え置くことを決定した。
各市場の参加者が注目していたドットチャートでは、2026年のFFレート予想中央値が3.4%だった。昨年12月と同じく、1回利下げの見通しが維持された。しかし、OIS市場では「年内利下げなし」の見通しが急速に高まっている。今年12月の政策金利(上限)の予想水準は3.7%台へ上昇。イラン攻撃の前日(2/27)は3.0%付近だった。
海外の主要中銀が一斉にタカ派(引き締め)姿勢に転じる観測が高まっている状況は、世界の株式市場を支えてきた緩和マネーの先細りを招く。イラン情勢が混迷の度合いを深めるなか、中銀リスクまでが浮上している現在の状況を考えるならば、今週の米株式市場では引き続きS&P500の下値トライを警戒したい。株価指数CFD「米国500」は、以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。
米政策金利の見通し
ブルームバーグ、OIS市場のデータを基に作成 / 3月20日時点
米国500のチャート分析、週間想定レンジ6200~6750
52週線ブレイクなら下落拡大も
VIX/VIX3Mレシオは「1」を下回る状況にある。しかし、トレンドは上昇基調にあり短期のリスクを意識する動きが続いている。
S&P500の株価指数CFD「米国500」が下値をトライ局面では、以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。
VIX/VIX3Mレシオ:日足 2025年3月以降
ブルームバーグのデータを基に作成
※VIX:30日間の予想変動率(インプライド・ボラティリティ)を測る指標
※VIX3M:3ヶ月間の予想変動率(インプライド・ボラティリティ)を測る指標
週明けの米国500は、先週サポートラインとして意識された6500を下方ブレイクして始まった。テクニカル面では、昨年4月のトランプ関税ショック時の安値と今年1月高値のフィボナッチ・リトレースメント23.6%水準(6493)の攻防にある(週足チャート)。このテクニカルラインを完全に下方ブレイクする場合は、下落拡大のサインとなろう。
次の下値の焦点は6400の維持だ。テクニカル面では6430レベルで推移している52週線の攻防に注目したい。週足チャートの中で重要な移動平均線である52週線の下方ブレイクは、テクニカル面で弱気サインが点灯することになろう。このケースでは、フィボナッチ・リトレースメント38.2%(6171)を視野に下落拡大を警戒したい(週足チャート)。
38.2%の上の水準は、昨年7月に相場をサポートした6200。変動拡大の傾向にある状況を踏まえ、このラインを今週の下限と予想する。 6300の下方ブレイクは、6200を視野に下落幅が拡大するサインと捉えたい。
注目のチャート水準:サポート
・6430:52週線
・6400:節目の水準
・6300:節目の水準
・6200:下限予想、38.2%戻し(6171)
反発局面では戻り売りを警戒
3月に入り原市場のS&P500は前月比5.4%安と強気地合いが後退している(20日時点)。昨年3月の5.75%安以来となる大幅下落にある状況を考えるならば、下値では押し目の買いが入りやすい状況とも言える。しかし、現在の地合いを鑑みれば、相場の戻りは弱いだろう。米国500は戻り売りを意識しながら、以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。
最初の焦点は6600の突破だ。日足チャートのフィボナッチ・リトレースメント38.2%水準6670レベルを突破すれば、6700のトライが視野に入ろう。
レジスタンスラインに転換する兆しがある6750を今週の上限と予想する。6736レベルは半値戻しの水準にあたる。現在、25日線が半値戻しと交差している。これらテクニカルラインの上方ブレイクは、6750をトライするサインとなろう。
イラン情勢に関するトランプ米大統領の発言が二転三転している。今後の発言次第では、一転して中東懸念が後退する可能性がある。想定以上の買い戻しで米国500が6750を上方ブレイクする場合は、6800ラインまで上昇する可能性がある。しかし、この水準の下には26週線と13週線が推移している(週足チャート)。いずれもレジスタンスラインに転換する兆しが見られることを考慮すれば、6800レベルでは長い上ヒゲが示現しての急反落を警戒したい。
注目のチャート水準:レジスタンス
・6800:13週線、26週線
・6750:上限予想
・6736:半値戻し、21日線
・6700:節目の水準
・6670:38.2%戻し
・6600:節目の水準
米国500 日足チャート:2025年9月以降
TradingView提供のチャート
米国500 週足チャート:2025年以降
TradingView提供のチャート
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