【米国株】ナスダック100、エヌビディア決算次第で5月高値更新も、EU関税延期も追い風
26日の米国市場は祝日で休場だったが、トランプ米政権がEU関税を延期したことで指数先物が上昇した。28日にエヌビディアが第1四半期決算を発表する。ハイテク株比率の高いナスダック100のトレンドに大きな影響を与えるだろう。30日までの予想レンジは20,300-21,860ポイント。

要点
・トランプ米大統領はEUに対する50%関税を7月9日まで延期すると発表した
・関税懸念の後退で26日の米先物指数は上昇した、ナスダック100先物は1.47%高
・エヌビディア決算は半導体株とナスダック100に大きな影響を与えるだろう
・ナスダック100の予想レンジは20,300-21,860ポイント
EU関税延期で米先物指数が上昇、米国テク株100は5月高値更新が視野に
トランプ米大統領は日本時間26日の早朝に自身のSNSで、6月1日に予定されていた欧州連合(EU)への50%関税を7月9日まで延期すると投稿した。
26日のアメリカ株式市場はメモリアルデーの祝日で休場だったが、EUの関税延期を受け株価指数先物が上昇して終えた。ナスダック100ミニ先物の上昇幅が拡大している。日本時間午前10時過ぎの時点で1.2%高と、S&P500ミニ先物とダウ平均ミニ先物の1.0%高を上回る状況にある。
ナスダック100が原資産の米国テク株100は、21,000ポイント台を回復した。20日に付けた5月の高値21,486ポイントが視野に入る。
米国テク株100のチャート:15分足 5月26日の動向

出所:IGチャート
5月高値更新の要因となり得るのが、28日の引け後に控えるエヌビディア(NVDA)の2025年2-4月期決算である。こちらのIG米国レポートで指摘したとおり、投資家の期待を上回る力強い業績の見通しが示される場合、エヌビディアの株価は時間外で上昇する展開が予想される。29日以降の株高期待も高まろう。

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 5月23日時点

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 5月23日時点
こちらのIG米国レポートで指摘したとおり、エヌビディア(NVDA)の株価は短期間で急反発している。現在の予想PERは30.15倍と、2024年以降の平均30.00倍まで上昇し割安感が後退している。ゆえに28日の決算は、同社の株価がさらに上昇できるかどうか?を左右する重要なファクターとなろう。強気の業績見通しはさらなる株高の要因になり得る。エヌビディアの株価上昇は他の半導体株の買いを促す可能性がある。半導体株全体が上昇すれば、ナスダック100は今週後半にもう一段高の期待が高まろう。
問題は、エヌビディアの業績見通しが投資家の期待を下回る場合である。このケースでは、短期間で上昇した反動でエヌビディアの株価は調整売りに直面することが予想される。同社の株価下落は他の半導体株の売りを誘う要因となろう。半導体株とともに5月の株高を支えてきたソフトウェア株にも売りが入る展開も警戒したい。エヌビディア決算で情報技術セクター全体が崩れる場合、今週後半のナスダック100は調整売りを警戒したい。
エヌビディア 予想PERの推移:2024年以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 5月23日時点
ナスダック100の見通しとテクニカル分析
5月高値の更新と21,860ポイントのトライ
エヌビディア(NVDA)の決算が投資家の期待を上回る場合は、金利リスクの相殺要因となろう。他の半導体株の買いも促し、ナスダック100は日足の一目転換線を突破する展開を予想する。
ナスダック100を原資産とする米国テク株100は、5月高値21,486ポイントの突破を想定したい。米国テク株100が高値更新となれば、100ポイントレンジで新たな高値水準を見極めたい。21,800ポイント台へ上昇する場合は、4時間足チャートのフィボナッチ・エクステンション100%の水準21,857ポイントのトライを想定したい。この水準を今週の予想レンジ上限と想定したい。
レジスタンスライン
・21,857:予想レンジの上限、エクステンション100%戻し(4時間足)
・21,700:レジスタンスライン(4時間足)
・21,600:レジスタンスライン(4時間足)
・21,486:5月の高値水準(4時間足)
・21,130:一目転換線(日足)
急反発の反動を警戒、20,300ポイントの維持が焦点に
日足のMACD(移動平均収束拡散法)はデッドクロスへ転じつつある。RSI(相対力指数)は買われ過ぎの水準へ到達後、低下基調へ転じている。一目転換線を下方ブレイクしている状況も考えるならば、ナスダック100の地合いの強さに陰りが見える。
この状況でエヌビディア(NVDA)の決算が投資家の期待を下回る場合は、短期間で上昇した反動による株価下落を警戒したい。米債市場では長期ゾーンの金利が高止まりしている。エヌビディア株の下落に加え、金利リスクも意識される場合はナスダック100の下落幅が拡大しよう。ナスダック100の下落局面では、21日線の維持が最初の焦点となろう。
21日線の下方ブレイクは、米国テク株100の下落幅が拡大するサインとなろう。今週の予想レンジ下限は20,300ポイントを想定。このラインは、4時間足のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準20,318レベルにあたる。23日の安値20,670ポイントと半値戻しの20,540ポイントの下方ブレイクは、20,300ポイントを視野に下落幅が拡大するサインと捉えたい。
サポートライン
・21,130:一目転換線(日足)
・20,670:5月23日の安値(4時間足)
・20,540:半値戻しの水準(4時間足)
・20,318:予想レンジの下限(4時間足)
米国テク株100のチャート
4時間足:5月以降

出所:IGチャート
ナスダック100のチャート
日足:今年2月以降

出所:TradingView
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